ディカプリオが「タイタニック」の”次回作”に選んだ映画『ザ・ビーチ』
1997年に公開された映画「タイタニック」。実際に起きた豪華客船の事故を映画化。その主人公を演じたレオナルド・ディカプリオ。

レオナルド・ディカプリオ
日本で興収記録262億円、全世界で18億3500万ドルと映画における史上最高の世界興行収入(当時)を記録し、ギネスブックにも登録されていた空前の大ヒット映画に出演。一躍世界的なスターとなった。
映画公開当時、日本ではレオ様と呼ばれ、非常に高い人気を誇った。

船の先端でのシーンは有名!
そうして一世を風靡したディカプリオだったが、周囲が注目する”次回作”の決定までに、実に100本以上のオファーを要したそう。こだわり抜いて決めた映画が本稿で特集する『ザ・ビーチ』であった。
1997年映画「タイタニック」。映画史上最高の世界興行収入を記録。しかし、それ以上に悲しい物語でした。 - Middle Edge(ミドルエッジ)
監督は「トレインスポッティング」のダニー・ボイル
1996年に公開されたドラッグに溺れる自堕落な若者達を描いた映画「トレインスポッティング」。
その監督であるダニーボイルは、同作で2作目にしてイギリス映画史上でも非常に高い興行成績を収めた。

ダニーボイル
1作目から3作目の監督作まで、当時若手俳優であったユアン・マクレガーを主人公に起用している。
4作目となる『ザ・ビーチ』でも、主人公にユアン・マクレガーを据える考えであったが、スタジオ側がよりヒットを狙える集客力のあるスターを望み、最終的にディカプリオが起用されたという経緯があった。

映画「トレインスポッテイング」DVD
みんなポスター貼ってなかった??1996年映画「トレインスポッティング」 - Middle Edge(ミドルエッジ)
≪あらすじ≫タイのどこかにあるという”伝説のビーチ”を探して・・・。

DVDジャケット

左からフランソワーズ(ヴィルジニー・ルドワイヤン)、リチャード(レオナルド・ディカプリオ)、エティエンヌ(ギヨーム・カネ)

パラダイスと思えた島では農民が武装し、不審者の監視を行っていた。大麻畑で身を潜める三人。

それでも、楽園の仲間たちに温かく迎えられ、自給自足の生活を楽しむリチャード。

楽園の施設には調理場や寝床など生活する上で必要最低限なものは揃っていた。たまに街に生活雑貨を買いに出た。

エティエンヌ(左)とフランソワーズ(右)は仲の良いカップルだったが、

リチャードとフランソワーズが徐々に惹かれ合い、恋仲になる。

水着姿のフランソワーズ

サル(ティルダ・スウィントン)は楽園を仕切っており、安住の地である楽園の場所が、地図により外部に漏れるのを恐れている。また、釈迦の涅槃像のように、横たわっている姿が印象的だった。

追放後のリチャードは、精神的に追い詰められ、一時正気を失い、農民に対して敵対心を抱く。

楽園のメンバーでの記念撮影。物語のラストに、フランソワーズから電子メールで添付されてきた。
アレックス・ガーランドの小説「ビーチ」が原作
後にダニー・ボイルの映画「28日後...」(2002年)の脚本を手掛けるアレックス・ガーランドが本作の原作を担当。
小説「ビーチ」が基になっており、映画化にあたってはジョン・ホッジが脚本を務めた。なお、映画「トレインスポッティング」の脚本もジョン・ホッジである。
原作と映画の違いは、リーダーのサルやフランソワーズの人物描写、ジェドという人物と、その活躍が全て削られているなどが挙げられる。
また、ライスランでは、キーティが電池を買ってきてもらって喜んでいたが、原作では、電池がタイ製であった事に文句を言っていた。

小説「ビーチ」
サントラは高い評価を受けた
撮影時にはタイ政府から抗議を受けた

タイのピーピー(ピピ)諸島

美しいエメラルドの海
作品データ
監督 ダニー・ボイル
脚本 ジョン・ホッジ
公開 2000年
配給 20世紀フォックス
時間 119分
出演 レオナルド・ディカプリオ、ロバート・カーライル、ヴィルジニー・ルドワイヤン

レオナルド・ディカプリオ
バックパッカー、ヒッピー気質の若者が集まる秘島の閉じたコミュニティ。
映画終盤、島での夢の時間が終わった後のなんとも言えない空虚感が好きだった。
若かりしディカプリオが、タイタニックのイメージからの脱却を図った映画だった。