フランスW杯で日本と対戦したアルゼンチン代表の問題児・オルテガ!

フランスW杯で日本と対戦したアルゼンチン代表の問題児・オルテガ!

ディエゴ・マラドーナの再来と言われたドリブラー・オルテガは問題児だった。プレイではマラドーナ程のインパクトは残せなかったものの、W杯には1994年、1998年、2002年とメンバー入りしている。また、フランスW杯では日本代表と対戦している。


ポスト・マラドーナと期待された「アリエル・オルテガ」

デビュー当時は「ディエゴ・マラドーナの再来」と騒がれた天才ドリブラー。小さな身体をフルに使った大きな切り返しと緩急の効いたボール運びで、敵DFラインに“ズレ”を生み出した。

http://www.soccerdigestweb.com/news/detail3/id=12200

【ワールドサッカー回顧録】1980年代以降限定:一世を風靡したドリブルの十五傑(2)――ギグス、サビチェビッチ、オルテガetc. | サッカーダイジェストWeb

アリエル・オルテガ

他にも「マラドーナの後継者」「マラドーナ二世」などと言われ期待された。
実際にはマラドーナ程のインパクトは残せなかったものの、W杯には1994年、1998年、2002年とメンバー入りしており、アルゼンチン代表で長らく活躍した。

若い頃のオルテガ

また、オルテガにとって初めての1994年W杯アメリカ大会では、ディエゴ・マラドーナがアルゼンチン代表に復帰し、試合に出場していた。
そのマラドーナが豪快なミドルシュートでワールドカップ通算8ゴール目を決めたグループリーグ・対ギリシャ戦。

その後、マラドーナは試合の途中でオルテガと交代する。
これはマラドーナにとってはじめて途中交代を指示された試合となった。

そして、ドーピング検査で使用禁止薬物が検出され、マラドーナは大会を去ることとなる。
ギリシャ戦の交代シーンは、アルゼンチン代表にとって新旧ドリブラーの交代をも印象付けるかのようなシーンとなった。

1994年のワールドカップに出場したディエゴ・マラドーナ

アルゼンチン元エース、ディエゴ・マラドーナは悪童だったのか?神の子だったのか - Middle Edge(ミドルエッジ)

マラドーナから受け継いだ問題児っぷり!

マラドーナと似ている点は、ドリブルだけではなく、”問題児っぷり”も挙げられる。
前述した1994年のW杯で、悪童マラドーナが代表を去ったが、チームに迷惑を掛ける選手としてはオルテガが台頭していく。

それを象徴するシーンは、1998年のW杯フランス大会、準々決勝のオランダ戦だろう。

オルテガはアルゼンチン代表の主力メンバーとして活躍し、チームの決勝トーナメント進出に貢献。
しかし準々決勝のオランダ戦、ペナルティーエリア内でオルテガが意図的にダイブ(シミュレーション)。それを抗議しに来たオランダ代表GKファン・デル・サールの顎付近に頭突きを見舞い、一発退場(明確に言えばシミュレーションで警告を受け、ファン・デル・サールに頭突きを食らわしたプレーで警告となり退場)。となってしまう。

そして、試合も1-2で敗れ、戦犯として大きな批判を受けることとなった。

オルテガはクラブチームでも問題を起こしている。
1997年にリーベル・プレートから当時クラブ史上最高の移籍金(20億ペセタ)で、スペイン・リーガエスパニョーラのバレンシアに移籍した。
しかし、練習のやり方を巡って監督のクラウディオ・ラニエリと衝突してしまい、レギュラーを外された。

また、2002年にはトルコリーグのフェネルバフチェに移籍。ここでは環境に馴染めず、僅か半年でアルゼンチンに無断帰国してしまう。
この行動がクラブ側の逆鱗に触れ、多額の違約金を請求されることとなった。
そして問題は泥沼化し、最終的にFIFAが介入。結果、オルテガに長期間の出場停止処分が下されるなど、身勝手な行動で周囲を困惑させた。

ピッチ内外で目立ったオルテガ

1998年、日本代表とフランスW杯で対戦!

1998年、日本がW杯初出場となるフランスW杯の初戦でアルゼンチン代表と対戦した。
オルテガをはじめ、シメオネやベロンなどのスターを揃えたアルゼンチンは、意外にも試合序盤はゆったりとしたスタートだった。
初シュートは日本の山口素弘が放ち、日本ボールの時間帯も多くあった。

しかし、要所要所ではやはり強豪チームの片鱗を垣間見ることができた。

前列右から2番目がオルテガ。

フランスW杯のアルゼンチン代表

フランスW杯の日本代表

黒髪の多い日本代表にあって、目立つように金髪にしたとされる中田。

この時の日本の司令塔は中田英寿

25分、フリーだったオルテガから左サイドのクラウディオ・ロペスにボールが回され、ピンチを迎えるなど徐々に主導権を握られていった。
そして、28分にオルテガからシメオネへとパスが通り、バティストゥータへ縦パスが送られた。
その縦パスに名波が反応しカットするも、ボールはバティストゥータのもとへとこぼれてしまう。そして、バティストゥータはGK川口能活をヒラリとかわすように柔らかなシュートを放ち、ゴールを決めた。

この試合はオルテガを含め、アルゼンチン代表は全体的に力をセーブしながらプレイしている印象があった試合だが、ワンチャンスを確実にものにしたアルゼンチンが1-0で日本に貫禄勝ちした。

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