クリックリの目をした18歳
デビュー曲 I’m Free
1985年5月発売。
ドラマ「スーパーポリス」の主題歌としてメジャーデビュー。
この歌は、アメリカの映画「フットルース」(主演;ケヴィン・ベーコン)のサントラ盤の中の1曲をカバーしたものでした。

「すごい娘が現れた」。当時の音楽界を震撼させたのが、渡辺美里。
1984年の「ミスセブンティーンコンテスト」(応募者数、約18万人)で最優秀歌唱賞に輝き、しっかりした音程で抜群の声量と伸びのある歌声、スーパーボーカリストと呼ぶにふさわしい若き歌手の出現に、音楽メディアは驚愕したのでした。
当時、歌はイマイチでもビジュアルだけのアイドルがゴロゴロしていた時代、彼女の歌声が目立たないわけがなかったのです。
抜群の歌唱力と大きく見開いた目が印象的な彼女は、若きミュージシャンたちの間でも話題となっていたのでした。
セカンドシングル
GROWIN´UP
シングルリリースのフォトにしては珍しい構図です。
何やら叱られているような、すねているような。
ソッポを向いた目にとんがらせた口元。キュートですね。
あどけなさの残る18歳の美里ちゃん、という感じです。

作曲は岡村靖幸(尾崎豊と深い親交があった)。
当時は何でもないセカンドシングルだったのでしょうが、実はこの歌、なかなかすごいんですよ。
アレンジは後藤次利(のちに沢田研二、近藤真彦、中森明菜、中島みゆき、おニャン子クラブ等々多くの歌手の作・編曲を手掛ける)。そしてバックコーラスにTMネットワークが参加しているのです。
才能があっても、まだこの頃は売れていなかったんですね。
今では考えられないことです。
ビッグ ヒット
My Revolution
1986年1月発売の、渡辺美里の代名詞と言える歌。
そして、小室哲哉(作曲)が「世」に出た曲です。
楽曲のコンペで小室哲哉が選ばれ、電話でその報告を受けた時のことは今でも忘れられない、というほど感激をしたようです。
サビに向かってどんどんテンポアップし、高音で爆発する。渡辺美里のスーパーボイスを見事に際立たせています。
そして、この歌のもう一つの特徴が、「イントロ」。
幻想的であり、なめらかであり、サビの部分との相違が実におもしろくもあり、とてもマッチしたイントロになっています。

小室哲哉が作曲家としてメジャーデビューし、最初に組んだ歌手が渡辺美里だったのです。
そしてこの後もこのコンビは続いていきます。
美里&哲哉 第2弾
Teenage Walk

1986年5月発売、小室哲哉2曲目の作曲です。
本人はMyRevolutionの次曲いうことで相当なプレッシャーがあったそうですが、この歌は全日空のキャンペーンソングにもなったことから、メディアにのりヒットしました。
D・A・T・E 恋したっていいじゃない
恋したっていいじゃない

1988年4月発売の記念すべき10枚目のシングルです。
UCCコーヒーのCMにのりヒットしました。
いつか新しいムーンライトダンス 僕と踊ってみませんか?
ムーンライトダンス

1989年6月に発売された、13枚目のシングル。
作曲は小室哲哉。作詞は渡辺美里。
歌唱力ばかりか、こんなロマンティックな詩も書けるんですねぇ。
男子目線の悲しい恋歌です。
次の波やってきたら もう1度駆け出すよ
サマータイム ブルース

渡辺美里作詞作曲、1990年5月発売のヒット曲。
自身がシングルで作曲したのはこれが初めてです。
明治生命のCMにのってヒットしましたね。
サビの「サマ~タイム ブル~ス」が印象的なとてもいい歌です。
本当の夏が来た
夏が来た

1991年6月発売。
保険会社のCMにのってヒットした、記念すべき20枚目のシングル。
作詞は渡辺美里自身の作ですが、ユニークな一節があるのです。
「君に貸したマドンナのレコード ベートーベン入れて返したね」
想像すると笑えませんか?久しぶりに帰ってきたマドンナのレコードを聴こうとしたら、何とベートーベンのジャジャジャジャーン。。。
恋する2人の、ほほえましいいたずら心を表現した一文ですね。
これだけの歌唱力を持っていながら、シングルではメガヒットに恵まれなかった渡辺美里ですが、アルバムは大人気でした。
デビューの1985年から2000年までに12枚のアルバムを発売していますが、すべてチャートベスト10入り。しかも、1位になったのが7枚という凄まじさ。
まさにアルバム女王なのです。
渡辺美里 アルバムの原点
eyes
1985年10月、デビューからわずか5ヶ月でアルバムを発売するという、異例の速さばかりか、37万枚も売り上げてしまったという驚くべき新人アーティストだったのです。
このアルバム制作に携わったのが、TMの小室哲哉と木根尚登、大江千里、白井貴子等々。
みんなまだ新人アーティストだったのですが、今振り返ると凄いメンバーですねぇ。
ジャケットも斬新です。「女性の命」の髪にはさみを入れようとしている、しかも前から。
大きく見開いた目もとても印象的なジャケットですね。
この「eyes」から渡辺美里のアルバム伝説が始まったのでした。

クリックリお目目の女の子だった渡辺美里さんも御年50歳になりました。
でも、まだまだスーパーボーカルは健在です。
いつまでも現役を続けて、ファンを楽しませていただきたいものです。