The Cars

The Cars
メンバーが全員「車好き」ということでバンド名をカーズにしたという何とも気さくな人たちですが、その音楽性はバンド名の由来のように単純ではありません。
一癖もふた癖もあり、一ひねり二ひねりされたアメリカのニュー・ウェイブ・バンド、それがカーズです。
アメリカではデビュー早々大ヒットを飛ばしたにも関わらず、日本での知名度は知る人ぞ知るといった勿体ない状況となっています。
そこで80年代に、とても良質なロックを量産していたカーズの魅力をご紹介いたします。
カーズのメンバー構成は
●リック・オケイセック(Ric Ocasek 1949年3月23日生) - ボーカル/リズムギター
●ベンジャミン・オール(Benjamin Orr 1947年8月9日) - ボーカル/ベースエリ
●オット・イーストン(Elliot Easton 1953年12月18日生) - ギター
●グレッグ・ホークス(Greg Hawkes 1952年10月22日生) - キーボード
●デヴィッド・ロビンソン(David Robinson 1953年4月2日生 ) - ドラム

リック・オケイセック
作詞・作曲の多くはリック・オケイセックが担当しており、実質的なリーダーといってよいでしょう。
そのリック・オケイセックとベース・ボーカルのベンジャミン・オールを中心にカーズは1976年に結成され、1978年にメジャーデビューを果たしました。
錯乱のドライブ
1978年発売のアルバム「The Cars」です。先ずなんといってもジャケットが素晴らしいですね。
「燃える欲望 (Just What I Needed)」のデモテープを地元FM局のDJが気に入って番組でかけたところ、リクエストが殺到しデビューにつながったという幸運なスタートを切ったカーズですが、幸運だけではないことをこのファースト・アルバムはしっかりと証明しています。
ユニークな楽曲に加え、それをささえる高い演奏技術はとても新人とは思えないほどです。
本作はグラミー賞の新人賞にノミネートされました。

The Cars
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キャンディ・オーに捧ぐ
ジャケットの素晴らしさで得をした一枚!ですが、もちろん中身も素晴らしいです。シングル・カットされた「レッツ・ゴー」(全米14位)、「オール・アイ・キャン・ドゥ」(全米41位)とヒットし、アルバムは全米3位となっています。
リック・オケイセックとベンジャミン・オールがボーカルを分け合っていますが、本作は全てリック・オケイセックの作品です。

Candy-O
ハイライトは「ダブルライフ」〜「シュビ・ドゥー」〜「キャンディー・オー」の流れ 淡々とした曲とハードな曲の間を、実験的なメロディで見事に繋いでいる。
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パノラマ
アルバムの完成度はかなり高い1980年発売のサード・アルバム。実験的要素をかなり取り入れた意欲作であると同時に問題作となりました。
実験的要素といっても、そこはカーズ!やはりポップな要素は残しており聴きにくいことはありません。だからこそでしょう全米5位とセールス的にも成功しています。

Panorama
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シェイク・イット・アップ
これまでのアルバムから良いとこどりをしたようなアルバムが、1981年発売の本作です。前作に比べるとかなりポップになっています。
日本での認知度は低いとはいったものの、シングル・カットされた「シェイク・イット・アップ」はオリコン・チャートで4位となる大ヒットを記録しています。

Shake It Up
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ハートビート・シティ
カーズの商業的にもっとも成功したアルバムが1984年発売の本作です。
アルバムからは「ドライヴ」、「ハロー・アゲイン」、「マジック」、「ユー・マイト・シンク」の4枚がシングル・カットされてヒットしています。
「ユー・マイト・シンク」のミュージックビデオは、初めてコンピューターグラフィックスが使われたものの1つとされており、マイケル・ジャクソンの「スリラー」や、シンディ・ローパー、マドンナといった強豪を抑えて第1回MTVビデオミュージック・アワードで「最優秀ビデオ賞」を受賞しています。

Heatbeat City
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そして、カーズの最大のヒット曲「ドライブ」が収録されていることも、このアルバムの成功の要因ですね。
その後、カーズは1987年にアルバム「ドア・トゥ・ドア - Door To Door 」を発売しますが、いろいろと問題があったのでしょう。翌1988年2月にカーズの解散が確認されています。記者会見もなく解散理由もわからないままです。
余りにもあっけなく終焉を迎えたカーズですが、しかし、それもカーズらしいと言えます。