作品紹介
1985年6月公開。
日仏合作ながらも、フランスの俳優やロケ地は一切出てきません。
資金のほとんどがフランスの提供だったにもかかわらず、制作を黒沢が一任されたからなのです。さすが、セカイのクロサワですね。
戦国時代ならではの親と子、兄と弟の骨肉の争いを仲代達矢が鬼気迫る迫力で演じ、妖艶にして復讐に燃える女を若いながらも原田美枝子が見事な貫禄のある演技を魅せています。
本編のハイライトであり前半のクライマックスシーン(炎上し落城する三の城)には、制作費4億円のセットが使われました。
NGができないこのシーンで、仲代達矢は「4億、4億」と自分に言い聞かせて演じたそうです。

乱(1985) | Movie Walker
突然の隠居

新たなる旅立ち

滅亡の始まり

前半のクライマックス



放浪の旅 秀虎と狂阿弥

妖艶な女 楓


兄弟決戦

親子の再会

一族滅亡~エンディング

主な出演者
仲代達矢 一文字秀虎

原田美枝子 楓の方

寺尾聡 一文字太郎

根津甚八 一文字次郎

峰大介 一文字三郎

ピーター 狂阿弥

井川比佐志 鉄修理

その他にも宮崎美子、野村武司(萬歳)、植木等、油井昌由樹等が出演しています。
衣装デザイン
この映画の見どころは戦闘シーン、城の炎上シーン等盛りだくさんですが、ファッション(色彩)にも素晴らしい演出が施されています。
冒頭の三兄弟の三原色衣装、黄、赤、青。
秀虎の白と赤の衣装。
楓の美しくきらびやかな衣装。
担当したのはデザイナーのワダエミ(和田勉の奥方)。
日本人女性初の、アカデミー賞・衣装デザイン賞を受賞しました。


制作エピソード
乱 (映画) - Wikipedia
資金調達の奔走、キャストの選択等々、さまざまな事象を乗り越えて完成した大型時代劇スペクタクル。
黒澤明のすべてを結集したこの作品以降、監督は時代劇のメガホンをとることはありませんでした。