楳図かずお先生
代表作は「漂流教室」「まことちゃん」「イアラ」「わたしは真悟」「神の左手悪魔の右手」「おろち」など多数です。
「わたしは真悟」は最高傑作と書きましたが、ご本人は、昔の作品を賞賛されることを嫌がるそうです。理由は昔の方が良かったと、今の活動を否定されているように感じるからだそうです。楳図先生の繊細さと向上心が感じられるエピソードです。
1995年から、腱鞘炎のため休筆中です。現在では映画監督、ライブ、タレント活動をされています。
以前ダウンタウンの番組で、楳図先生は「死んだ時、棺桶に何をいれて欲しい?」という問いに「よみがえりの薬」と答えたことに、驚愕しました。
「わたしは真悟」
奇跡は誰にでも一度おきる だが おきたことには誰も気がつかない
上記の言葉は「わたしは真悟」の冒頭で書かれているものです。
ストーリーは小学生のさとるの父親が働く工場に、産業用ロボットが導入されるところから始まります。そしてさとるは工場見学で出会った、違う学校の女子生徒・まりんと相思相愛になります。ふたりは工場に忍び込み、ロボットにいろいろなことを覚えさせます。やがてまりんはイギリスに行くことになりますが・・・。
登場人物
まりん(左)さとる(右)
真悟はどのようにして、人格が生まれたか
真悟がはじめて、さとるとまりんの顔を認識した瞬間
親たちに付き合いを反対されたあげく、まりんは父親の仕事でイギリスに行くことに。まりんは抵抗しますが、親は許してくれません。さとるに会いたいまりんは、ロボット用の数字を、さとるの近所の幼女・しずかに託します。それを知ったさとるはロボットに数字を解読させると、「ケッコンシナイ?」の文字が出ます。さとるがYESのキーを打つと・・・

「コドモヲツクロウ」の文字が…!
naruseriri
子供の作り方がわからないふたりは、ロボットに訪ねます。するとモニターに「333ノテッペンカラトビウツレ」の文字が出ます。333と言えば、東京タワーの高さ。親の呼びかけも無視し、ふたりは怖がりながらも、東京タワーのてっぺんまで登って行きます。

東京タワーのてっぺんから飛び移る
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ロボットに意識が
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真悟の旅が始まる

マリンボクハイマモキミヲアイシテイマス
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さとるは新潟へ
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ワタシハシンゴ
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母の名前は「真鈴」父の名前は「悟」。二人の名前を合わせて「真悟」。真悟は自分でそう名づけました。
そして、父の言葉を届けるため、イギリスにいる母のもとへ向かい続けます。

壊れていく真悟
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その頃、まりんは・・・

ロビンに狙われる
船でイギリスを目指す真悟は、まりんの危機を感じています。その間に真悟は全ての機械と繋がって「三角」になり、全ての生き物と繋がり「マル」になります。つまり、真悟は「地球」になったのです。

ミサイルを飛ばす真悟
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まりんをかばう真悟
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その頃、さとるは・・・

サトル、ワタシハイマモアナタガスキデス。マリン。
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満身創痍の真悟
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さとるに後一歩で会える所で、さとるは佐渡島に行く船に乗り込み旅立ってしまいます。そこでは人類間引きの実験がされており、次々と殺人が行われます。その間真悟は、さとるが帰ってくるのを港で待っています。
真悟の最後

お父さん!!
naruseriri

アイ
naruseriri
マジか・・・ミュージカルに!?

さいごに
「わたしは真悟」は前編を通して、真悟の、思い出を語るような口調のモノローグで物語が進みます。真悟はさとるとまりんが生み出した人工知能であり、地球であり、二人の子供です。ですがそのことに、さとるとまりんは最後まで気づきません。ただ父から母へ、母から父への大切な言葉を届けるために行動します。その姿にジーンとし、まさに愛の物語だと感じます。
未読の方は、是非ご一読を。
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