家族愛を描いた「ハーイあっこです」

「ハーイあっこです」とは?
「はーいあっこです」は「小さな恋のものがたり」で有名な『みつはしちかこ』の漫画。
1980年7月より、朝日新聞・日曜版で連載開始。
その後、日曜版が廃止になるまで22年間連載が続いた。文庫にして全20巻。
それを原作としたアニメ放送はテレビ朝日系列で全163話放送され、再放送も多く、原作の漫画よりも記憶に残ってる人が多いのではないでしょうか。
DVDは出ておらず、文庫版も全巻揃えるのは困難なようで復刻、DVD化を望むファンも多。
私もその一人です。
実際主婦となり作品の温かみが更に染みるようになりました。
家族のあり方や育児をリアルに嫌味なく描いた本作に敬意を表しながら振り返ろうと思います。

原作はアニメより柔らかめのタッチで描かれ、セリフもあまり吹き出しを使用せず手書きで構成されている。
基本的に内容、登場人物は同じだが、作品から伝わる原作ならではの味わいがあり楽しく読めます。
実際にある家庭を覗き見してる気分になるくらいリアルな坂本家の日常は毎週、新聞を彩っていたに違いない!
みつはしちかこ自身の体験を元に描いたと作者後期にあるため、それもうなずける。
等身大の登場人物たち
坂本家、大里家を中心に時々その友人や町内の人々が登場しますが、メインキャラを紹介していきましょう。

坂本 あつこ(声・小宮和枝)
主人公の専業主婦。旧姓は「大里 あつこ」。
高校時代一目惚れだったジュンイチを見事射止め、ゴールインし3人の子宝に恵まれた。(アニメでは太郎、花子の2人まで。)
作中の雰囲気で決して美人ではないようだが、愛嬌があり明るく周囲のみんなに好かれている。食いしん坊で焼き芋が大好きな飾らない性格。
うっかり屋でよくミスをするが一生懸命で素直な姿が好印象。
姑のセツコともうまくやっており、時折へそを曲げながらも最終的には信頼し尊敬している。
ジュンイチをジュンちゃんと呼び、結婚してからも好きで好きでたまらないようである。

坂本 ジュンイチ(声・塩沢兼人)
せつこの息子でサラリーマン。あっことは高校時代の同級生。
長身、ハンサム、優しいと三拍子揃っている為モテモテで「なぜあっこと?」と言われるシーンがよくあるが、ジュンイチ本人は心からあっこを愛している。
子煩悩で育児にも協力的であるが、酔っ払うと絵に描いたような酔っぱらいとなり酒グセは悪いようである。
歳相応の男性らしい描写も多く、美人に見とれたり、若い子にもてたりとあっことよく喧嘩をするがいつもすぐ仲直りする。
夫婦仲が良いため近所でも評判のおしどり夫婦となっている。

坂本 セツコ(声・瀬能礼子)
ジュンイチの母親。夫を亡くしており未亡人。
いつも和装で上品な振る舞いな上、料理上手と非の打ちどころが無い女性。
俳句が趣味。近所の仲間とよく紅葉に出かけたり御茶会にも参加しており同世代の男性のマドンナ的存在。年寄り扱いされるのが何よりも嫌いで人前で孫やあっこから「おばあちゃん」と呼ばれることを嫌うほど。
ドジなあっこに口うるさく小言を言うが、本来温厚で優しい性格であり、あっことジュンイチの幸せを願っている。
孫のタローとハナコの面倒もよく見てくれる印象よりもずっと素敵なお姑さん。
自分で口紅をしてジュンイチのシャツにマークをつけいたずらするなど可愛い一面もあり、読者や視聴者をクスリとさせてくれることもある。

坂本タロー(声・坂本千夏)
あっことジュンイチの息子で坂本家の長男。
2話で誕生し、アニメでは3歳前後くらいまで成長した。
やんちゃ坊主でイ〜っと歯を見せて笑うのが癖であっこの愛嬌をそのまま受け継いでいるかのよう。
小さい時は泣き虫だったが、妹のハナコが生まれ強く優しいお兄ちゃんに成長していった。
ハナコが生まれた時のエピソードで母親を奪われたような気持ちになり我慢していた思いを一気にぶつけるシーンが泣ける…名シーン。

坂本ハナコ(声・こおろぎさとみ)
あっことジュンイチの娘で坂本家の長女。みんなに「ハーちゃん」と呼ばれる。
ジュンイチ似の美女と評判。あっこ似のタローと比較されあっこもヤキモキするが、実はタローよりやんちゃで手がつけられないワガママ娘。
お兄ちゃんが大好きでいつも構ってもらおうとついて回る。

大里ユキエ(声・巴菁子)
あっこの実の母親。
豪快な性格はセツコとは正反対の肝っ玉母ちゃん。
その為かセツコを異様に苦手がっている。
あっこがセツコにいびられていないか気にしてはいるが関係は悪くはない。
よく里帰りするあっことお茶を飲みながらせんべいか大福をかじっている。
ダイエットの為、色々やってはみるが続いた試しはない。
あっこが妊娠を報告し「出来たのよ」といったところミニトマトの栽培が出来たと勘違いし怒らせた。

大里太一(声・北村弘一)
あっこの父親。
盆栽が趣味で口数は少ないが孫を溺愛し、いつもあっこを気にかける優しい父親。
枝豆とビールが大好き。
ユキエがあっこが妊娠した際に「出来ましたよ!」といった時、枝豆が出来たと勘違いした。
和服が多いが一度ジュンイチがポロシャツをプレゼントして着用した。
心底温まる、オープニング&エンディングの名曲たち。
オープニング「キッチンから愛をこめて」
作詞・森雪之丞/作曲・歌・小坂明子
すべての新婚さんに捧げたい名曲中の名曲。
独特な歌詞が特徴でかわいすぎる妻っぷりにカラオケで歌っているとだんだん恥ずかしくなる。
あっことジュンイチのラブラブっぷりが直視できません…!
オープニングにもエンディングにもなった「晴れのち晴れ」
作詞・作曲・歌・小坂明子
「晴れのち晴れ」は初期オープニングの後、エンディングにもなりました。
優しいメロディと歌声がこの映像と合わせて本当に暖かく懐かしさも合わせて泣けてくる…!
このオープニング映像がこの作品のすべてを表していると思います。
あっことジュンイチが結ばれて、姑と暮らしながら子供が生まれ、両家族がひとつになる雰囲気が伝わってきて素敵な映像です。
エンディングバージョン。
窓辺から坂本家の生活が垣間見えて楽しいですね〜。
肩もみシーンと馬乗りシーンがいい感じでホロリとさせてくれます。
エンディング「おかえりなさい」
作詞・伊藤アキラ/作曲・小坂明子/歌・橋本潮
なぜかあんみつ姫風のコスプレあっこが見れるあっこのファッションショー的なエンディング。
こんな感じでお帰りなさいと言われたらびっくりしますね(笑)
最後の坂本家総出のダンスが可愛い!!
実写ドラマ化も!

1984〜1986年にフジテレビ「月曜ドラマランド」にて3度に渡り実写ドラマも放映されていました。
1984年・1985年は三田寛子さん、三田村邦彦さんが。
1986年には森尾由美さん、渡辺裕之さんがおしどり夫婦を演じていたようです。
これは映像があったらお宝でしょうね。う〜ん、観てみたい!
毎週が愛に溢れていた…!

子供の頃は毎週なんとなく観ていたこのアニメですが、大人になった今、どのシナリオも本当に愛に溢れているなと感じます。本当に泣けてしまうんです。
主婦の誰もが経験する様々なことをあっこを通じて学び共感出来ます。
昭和のホームアニメの決定版と太鼓判を押したいですね!
記念すべき第一話。
ほのぼのと癒される作品、今みても面白いですね。
二話目でいきなり子供が生まれるのは早くてびっくりしましたが(笑)
映像を提供してくださる方のおかげで助かりますが、いつかDVDが発売されることを期待します…!
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