『犬夜叉』が教えてくれる、戦い方の形、「立場」というもの。

『犬夜叉』が教えてくれる、戦い方の形、「立場」というもの。

大御所、高橋留美子先生の作品です。タイムスリップ、妖怪、バトルといった王道的な要素がてんこ盛りですが、それだけでないのはさすがといった所です。


『犬夜叉』

漫画は最初の方しか読んでませんでしたが、高橋先生の張っていた伏線にはただただ感心しきりでした。一見バトル向け、しかし血や宿命というよくある題材を、こうも愛おしく描いてくださるとは・・・。
ところどころ『らんま2分の1』や『うる星やつら』を思わせる要素も多々あって、面白く読めます。

概要

用語

骨食いの井戸

ヒロイン、日暮かごめの実家にある枯れ井戸。
何かを落としてもすぐになくなってしまうからこの名がついたようだが、実際には戦国時代と繋がっている。

妖怪

現代ではあまり見かけないが、戦国時代では比べ物にならないほどの数の妖怪がおり、「一族」規模のものも存在する。
戦国時代における妖怪は皆人知を超えた能力を有し、それがために基本的には人間を見下し、食らうことさえある。
妖力が高いものは人型に変形することも可能。

半妖

基本的には、人間と妖怪の間に生まれた子供。
人間、妖怪は本来相容れない存在であるため、どちらからも迫害される。
月に一度完全な人間になってしまう日があるが、その日を狙い攻撃されることもあるため、決して他者には教えない。
人間が妖怪を「つなぎ」として「半妖」になることもある模様。

四魂の玉

「しこんのたま」と読む。
妖怪や人間に力を与え、願いを叶えるとされており、人間妖怪双方が狙っている。
かごめの放った矢によって粉々に砕け散り、以降「四魂のかけら」と称されることに。
かけらの状態でも死者の蘇生や妖力アップなど十分に機能する。
四魂の玉の状態は持つ者の魂によって左右される。
即ち、悪人や妖怪が持てば穢れていき、清らかな魂を持つ者が持てば浄化される。
「正しい願い」をかける以外、消滅させる方法はない。

あらすじ

神社の娘、日暮かごめはごく普通の中学生。
ある時、ひょんなことから自宅に伝わる「骨食いの井戸」に落下してしまう。
着いた場所は、何と戦国時代。
そして、木には犬のような耳が頭部に着いた少年が、封印するかのように縛り付けられていた。
彼こそが犬夜叉。
その封印を解いてしまったこと、かごめ自身のミスで「四魂の玉」が砕けてしまったことから、彼女は現代と戦国時代を行き来して妖怪と戦ったり、普通の生活を送ったりする。

主要キャラ

犬夜叉一行

「化け犬の大将」を父に持つ半妖。
桔梗とは相愛だったが、ある事情で封印されていた。
ぶっきらぼうではあるものの不器用ながら優しいというかツンデレの気がある。
鼻が利き、爪を使った攻撃を得意とするが、朔の日の夜には完全な人間となる。
父の形見である「鉄砕牙」を武器とする。
首に巻いた念珠と言霊の力により、かごめに「おすわり!」と言われると動けなくなる。

犬夜叉(いぬやしゃ)

「化け犬の大将」と称された犬夜叉の父の牙から作られた刀。
「慈悲の心」を持っていないと扱えない。
錆びた刀にしか見えないが、使用時には「一振りで千の妖怪を薙ぎ倒す」本来の太く大きな刀へと変形。
純粋な妖怪、人間には扱えない。
切った相手、物の能力を吸収する能力を持ち、以下の能力を得た。

鉄砕牙(てっさいが)

「骨食いの井戸」を通って犬夜叉の時代にやってきた中学生。
色々な意味で「強い」。
四魂の玉を体内に宿した状態で転生した、巫女桔梗の生まれ変わり。
犬夜叉の封印を解き、四魂の玉を砕いた張本人。

日暮かごめ(ひぐらし かごめ)

妖怪退治の一族の娘。
飛来骨(ひらいこつ)という武器で妖怪を薙ぎ払うなど実力はかなりのもの。
ある仕事の際、初陣で来た弟の琥珀を亡くしている。

珊瑚(さんご)

妖怪退治を行う僧侶。
しかし家財道具の中から金目のものを持ち出したり、女好きだったりの破戒僧。
基本的に丁寧な口調だが、怒ると口が悪くなる。
祖父の代より片手に「風穴」が開いており、その穴は何でも吸い込む武器。
しかし毒などを吸い込んでしまうこともある上巨大化していき、遂には自身をも吸い込んでしまう諸刃の剣でもある。

弥勒(みろく)

妖狐の子。
父の形見である毛皮を取り戻すべく四魂のかけらを狙っていた。
変化することもある。

七宝(しっぽう)

一行の知恵袋。
犬夜叉の父とは旧知だった模様。
「やばい」と逃げ出す。
基本的には小さいが、血を吸うと巨大化する。(元のサイズと比較してのこと)

冥加(みょうが)

珊瑚の元にいる猫又。
人を乗せて飛べるほど大きくもなれば、仔猫の姿になることも。

雲母(きらら)

殺生丸一行

犬夜叉の異母兄であり、完全なる妖怪。
本来の姿は巨大な化け犬。
その名の通り冷酷であり、父から受け継いだ「武器」天生牙(てんせいが)に不満を持ち、鉄砕牙を狙っていた。
爪からは骨も溶かす毒を出すなど、戦闘力は高い。
犬夜叉との戦いで左腕を失っていた。

殺生丸(せっしょうまる)

「一振りで千の命を救える」という刀。
鉄砕牙同様、父の牙から作られたもの。
「この世のもの」ではなく「あの世のもの」を斬ることができ、冥府の使いを斬ることで一度だけ使者を救うことができる。
実際には鉄砕牙の影というか主従の「従」にあたる存在であり、鉄砕牙に吸収される。

天生牙(てんせいが)

元は一族の長といった印象の妖怪だったが、殺生丸に魅入られて従者となる。
が、扱いはあまりよくない。

邪見(じゃけん)

ある事情で村八分となり、虐待され口もきけない状態だった。
一度死亡するが、天生牙により「冥府の使者」を斬ったことで蘇生。
その後「救ってくれた」殺生丸についていき、いつしか言葉も発するようになった。
人間。

りん

奈落とその主な分身

作中最大の敵。
元は大怪我が元で桔梗に手当されていた「鬼蜘蛛」という人間の野盗。
桔梗に抱いた邪な感情を付け入られて無数の妖怪と合体し奈落となった。
己の弱点である「心臓」を守り隠すため無数の分身を生み出す。

奈落(ならく)

分身ではあるが、自由を望んでいる。
それがため奈落に自身の「心臓」を人質のようにとられており、命令を聞くしかない立場。
風使い。
女性型だが口は悪い。

神楽(かぐら)

その他の人物

巫女。
50年前に亡くなっており、四魂の玉を自身の遺体とともに焼くようにたのんでいたのだが、四魂の玉ともども、かごめとして転生。
鬼女により蘇生する。

桔梗(ききょう)

桔梗の妹。
巫女頭であるだけでなく、様々な面で助言もしている。

楓(かえで)

珊瑚の弟。
妖怪退治の仕事に対し及び腰になっていたが、初陣で死亡。
四魂のかけらで蘇生するが、奈落に記憶を操られていた。

琥珀(こはく)

犬夜叉、殺生丸の父。
またの名を化け犬の大将。
既に故人(?)であり、その遺体はあの世とこの世のはざまにある。
西国を支配するほどの実力者だが、性格面においては人間の脅威というわけではなかったらしい。

犬夜叉の父

皆何と戦っているのか

この作品では様々な妖怪等が登場し、彼らと戦います。
が、よく使われる言い回しとして、「別の何か」とも戦っているんですよね。

犬夜叉の場合

・半妖という出自と、それにまつわる種々のこと。
・桔梗に対する愛憎混じった気持ち。
・かごめと桔梗との間で揺れる気持ち。
揺れてましたが、最終的にかごめをとったようですね。かごめを追って、一緒に戻る。そうしたいと強く願ってたんでしょうか。

かごめの場合

・犬夜叉に対する気持ち、桔梗に対する気持ち。
現代っ子が戦国時代で妖怪退治ってのが凄いですし、最後がまた・・・。
優しいし、強い。ある意味で最強かもしれません、この子。

珊瑚の場合

・弟に対する気持ち(兄弟の情愛)。
かけらのおかげで生きていられる状態、操られて一族を皆殺しにした弟・・・心配ですよね。
こればかりは妖怪退治のようにただ倒せばいいというわけではないので、悩みどころでしょう。

弥勒の場合

・祖父の受けた風穴という呪いめいた宿命。
少し悲しげに、自分も飲み込まれるだろう、といった趣旨のことも言ってました。
実際父親が「飲まれる」様を見ているわけですし、それが嫌なら戦うしかない、と。

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