「少年アシベ」とは?

田村英里子/愛のナイチンゲール(TVサイズ) - nicozon
第1話~第5話までのOPが『リトル・ダーリン』、EDは『愛のナイチンゲール』でしたが、第6話以降のOPが『まかせて! チン・トン・シャン』、EDは『リトル・ダーリン』となっていたため、どちらも同じ作画になっています。
「少年アシベ」のあらすじ

舞台は90年代の東京。目黒区に引っ越してきた元気な転校生芦屋アシベは小学1年生。アシベは大工職人の父ちゃんが建築中の家を火事で焼いてしまったため転入してきました。アシベは持ち前の明るさで、隣の席のクールなゆうまくんや寡黙で優しいまおちゃんとすぐに友達になりました。
学校の帰り道、トラックの荷台から白い生き物が落ちてきて、アシベはそれを大きな魚だと思って持って帰ります。父ちゃんが図鑑で調べてみると、それは魚ではなくゴマフアザラシの赤ちゃんでした。買い物から帰ってきた母ちゃんの了解を得て、アシベはその赤ちゃんを「ゴマちゃん」と名付けて飼う事になりました。夕食後、愛らしいゴマちゃんは早速家族が取り合いになるほどのアイドルになるのでした。

アシベの転校前の学校の友達だったスガオくんはアシベのことが大好き。アシベのことを思い出しては泣く毎日でしたが、見かねたお父さんは「もうすぐアシベくんの住んでいる町に転勤する」と嘘を言ってしまいます。転勤を楽しみにして何日も寝ずにいたスガオくんはそれが嘘だと知って寝込んでしまい、お母さんはお詫びに手作りのアシベ人形を渡すのでした。
嘘をついた罰が当ったのか、スガオ君のお父さんは本当に転勤になってしまいましたが、行き先は何とネパール。急だったためアシベに電話で別れを告げることもできなかったスガオくんですが、ネパールで出会った少女・チットちゃんや雪男のイエティなど、愉快な仲間達に囲まれてネパールの日々を過ごすのでした。

アシベの父方のじいちゃんは芦屋商事の社長で、大金持ちです。じいちゃんはセントバーナードやイグアナの専用牧場を持つほどの動物好きで、ゴマちゃんのことも大好きです。芦屋商事には金髪紫眼の美人秘書・ペッペッペッさんをはじめ、強面の完治くんや陰険な味田くんなど、個性的な人材がズラリ。好奇心旺盛なアシベはゴマちゃんを連れてたびたび芦屋商事を訪れるのでした。

「少年アシベ」は一回で3話のオムニバス形式で、アシベを中心とする学校の話、スガオくんを中心とするネパールの話、芦屋商事を中心とする会社の話がランダムで放送されていました。
個性的な登場人物が多く、たまに大人も笑えるブラックな笑いや切ない話があるところも魅力的でした。今見るとテレホンカードやボディコンの女性など、バブル時代の名残が感じられる描写が多いところも面白いですね。
個性豊かなキャラクター

芦屋 アシベ

ゴマちゃん

アシベの父ちゃんと母ちゃん

まおちゃんとゆうまくん

天堂先生

阿南スガオ

スガオの家庭教師

(左から)イエティ・チットちゃん・先生・スガオくん・スガオのママ

ペッペッペッさんとアシベのじいちゃん

完治くん

両々(リャンリャン)とリコ

西尾 ヒトシ
「少年アシベ」こぼれ話

小島よしおさんのギャグ「そんなの関係ねぇ!」に出てくる「チントンシャンテントン、チントンシャンテントン」と言う部分は少年アシベのOP『まかせて! チン・トン・シャン』から採用したものだそうです。小島よしおさんは1980年生まれなので、バッチリ「少年アシベ」世代ですね。

ゴマちゃんの鳴き声は原作の初回では「キュー」ではなく「ミー」だったという驚愕の事実が判明しました。ゴマフアザラシの鳴き声を聞いたことのある人は当時少なかったとは思いますが、「キュー」でなければこれほどブームになってなかったでしょう。

少年アシベのキャラにそっくりな有名人が話題に
少年アシベに登場する両々のパパ「王さん」が『攻殻機動隊』などの作品でおなじみの映画監督・押井守さんにソックリだとネットで話題になりました。確かに丸いおでこにたれ気味の目、サイドに盛り上がった髪型、そして何より口元が瓜二つです。

最近ではスガオくんと芥川賞作家の羽田圭介さんがそっくりだという声も上がっています。キリッとした眉毛に鋭い目、スラリと追った鼻筋に小さな口元と全体的に似ていますね。

続々登場!ゴマちゃん以外のアザラシキャラ

グッドはな丸

しろたん

まめゴマ

モリゾーとキッコロ
気になる最終回は?

「少年アシベ」の最終回は1991年12月28日に放送された「ゴマちゃんの雪だるま」です。
雪が積もって大喜びのゴマちゃんのため、アシベの父ちゃんは庭に水をまいて簡易スケートリンクをつくります。うっかり門の外にも水をまいてしまったため通りかかった女性が転んでしまい、父ちゃんは思わずゴマちゃんをクッションにします。そのお礼に女性が魚をプレゼントしてくれたのですが、魚は猫に横取りされてしまい、ゆうまくんの提案で雪だるまにされてしまったゴマちゃんは危うく酔っ払いにおしっこを引っ掛けられそうになるのでした。
普段Cパートが終わった後はアシベが「ゴマちゃーん、予告だよ」と言って予告が入るのですが、この時は「ゴマちゃーん、お別れの挨拶だよ」と続き、簡単な終了報告の後に「またみんなに会える日が来るといいね、ゴマちゃん」「キュー」といささか急な終わり方になっていました。

放送終了後の翌年1992年の10月から「少年アシベ2」が放送され、1993年の3月に最終回を迎えます。こちらではスガオ君がネパールから日本に帰ってきたり、家族全員同じ布団で寝た結果首を寝違えてしまったアシベが「やっぱりゴマちゃんと寝るのが一番」と言って終わったりとやや最終回らしい結末を迎えています。この最終回で唯一スガオ君の笑顔が見られるという噂もあり、機会があれば是非見たいですね。
途中からローカル局では打ち切りになってしまったり、夏休みの再放送でも最後まで放送されることはなかったようで、少年アシベ2の最終回についてはあいまいな点が多いようです。
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放送から20年たった今でもゴマちゃんのかわいさは変わりませんね。キャラクターが多彩でネパールやギリシャなど外国の文化に触れることもできる「少年アシベ」ですが、動物愛護の観点からもなかなか再放送で見ることもできないようです。「ドラゴンボール」や「美少女戦士セーラームーン」など、かつてブームを巻き起こした作品の「再アニメ化」がブームになっていますが、この作品も美少女キャラが多いので、大人視点で再アニメ化されたらヒットしそうですね。