マルチナ・ナブラチロワとは?

プロデビューから1980年代のナブラチロワ


デビュー当初からのナブラチロワはなかなか勝ちきれず、精神面の弱さが指摘されていました。グラフやヒンギスなどのナンバーワン選手は10代からグランドスラム大会の優勝を重ねるなど早熟さが目立ちますが、ナブラチロワの全盛期は20代の中頃からとずいぶん遅いように感じます。


83年は全仏の4回戦で敗れた以外は全ての大会で優勝、84年もほとんど負けていません。まさに最強、女子の大会では相手がいないとまで言われていました。なかには性別をごまかしているのでは?などというとんでもない疑惑もあったほどです。

1987年のウィンブルドンで6連覇を達成しましたが、1988年で19歳の新女王シュテフィ・グラフに敗れ、大会7連覇を逃しました。翌89年も決勝でグラフに敗れています。
ナブラチロワのグランドスラムの成績を見てみると、ウィンブルドン以外の優勝は87年の全米が最後となっています。まさに80年代がナブラチロワの全盛期だったと言えます。
1990年代~引退までのナブラチロワ

1990年のウィンブルドンでは黒人選手のジーナ・ガリソンに完勝し、大会9勝を果たしました。これは、ヘレン・ウィルス・ムーディという往年の名選手が記録したウィンブルドン8勝を越えるものとなりました。
これが最後のグランドスラム大会の優勝となりました。

まさに伝説となったナブラチロワの最終成績は、下記のとおりです。
ツアー通算 344勝(シングルス 167勝 ダブルス 177勝)
生涯通算成績 2189勝362敗(シングルス 1442勝219敗 ダブルス 747勝143敗)
生涯獲得賞金 $21,626,089(20億円以上の賞金を獲得している計算です)
グランドスラム大会での優勝からは縁が無くなってしまいましたが、世界ランキング4位での引退と、38歳としては考えられない強さのまま一線を退いたのです。
2000年~現在までのナブラチロワ

2000年、全米オープンのダブルスで現役復帰、2003年にはグランドスラム大会の混合ダブルスで優勝を果たしました。すでに40代半ばですが、完成された技術で体力を補っての優勝でした。
2004年にはシングルスにも復帰していますが、2006年、2度目の現役引退を表明、完全に選手としての幕を降ろしました。
ナブラチロワの人間的な側面


その他にも、プレーヤーとして活躍していた時期も含めて、ベジタリアンとして過ごしていたことも知られています。完全なベジタリアンではないようで、鳥肉や魚を食べることもあったようです。

チェコからの亡命で、アメリカ国籍を取得していましたが、2008年にチェコ国籍を再取得、現在は2重国籍です。
また、2010年には乳がんであることを告白しました。
現在は59歳、まだまだテニスに関わる活動、社会活動など精力的に動いているナブラチロワです。全盛期のプレーと同様に、強くて素晴らしい人生を送っていくことなのでしょう。