「ピーターパンの冒険」とは?

OP・EDともに秋元康さん作詞、元おニャン子クラブのゆうゆこと岩井由紀子さんが歌っています。
決して上手ではないのですが、あどけない歌声が子供たちのイメージにピッタリです。
「ピーターパンの冒険」のあらすじ

舞台は1900年のロンドン。ある冬の日、住宅街に住んでいた少女ウェンディは海賊に襲われ、ピーターパンという少年に助けられる夢を見ます。不思議なことにその日は弟のジョンやマイケルもまったく同じ夢を見ていました。町の人やお母さんもピーターパンの事を知っており、ピーターパンは現実にいるんだ!と確信した3人は翌日の夜に寝ないで待っていると、ピーターパンが現れます。ウェンディが彼の影を縫ってあげたことをきっかけにピーターパンと仲良しになり、ウェンディたちはネバーランドへ案内されるのでした。
前半はお母さん代わりにいろいろと世話を焼くウェンディたちをとりまくネバーランドの生活や、宿敵フック船長と日々戦うピーターパンの手に汗握る攻防、そしてフック船長の命を狙うインディアンの少女タイガー・リリーとの交流といった原作に沿ったお話が中心です。
後半は原作にはないオリジナルストーリーが展開され、魔法の鏡とタイガー・リリーそっくりの少女・ルナをめぐって、ピーターパンとフック船長VSネバーランドを支配しようとする魔女・ダークネスとの戦いのお話がメインになります。
前半はドキドキワクワクするようなピーターパンの戦闘を中心とした冒険活劇が面白いです。しかし、一応主人公ではあるのですが、ピーターパンは永遠の子供のため基本的に心も体も成長する話があまり見られません。後半のダークネス編ではピーターパンよりもルナを守るために奮闘するウェンディの精神的な成長が見られます。後半の主人公は実質ウェンディなのかもしれません。
個性豊かなキャラクター

ピーターパン

ウェンディ・モイラー・アンジェラ・ダーリング(通称ウェンディ)

ジョン・ジュリアン・ダーリング(通称ジョン)

マイケル・ダーリング(通称マイケル)

ティンカーベル(通称ティンク)

ジェイムズ・フック(通称フック船長)

タイガーリリー

ルナ

ダークネス
気になる最終回は?

自身の力を使い果たして滅びたダークネスですが、死ぬ前にルナの心をのっとりルナが2代目ダークネスとなってネバーランドを支配しようとします。ウェンディとティンクは必死で説得しますが、魔女となったルナはウェンディたちのことを忘れてしまい、魔法で攻撃してきます。
フック船長はルナをネバーランド征服のために利用するためにルナの手下についていましたが、ピーターパンの説得でルナの動かす黒い鏡の魔力が、ネバーランドの支配どころかネバーランドそのものを消し去ってしまうと知ります。そしてフック船長も反旗を翻してルナを大砲で攻撃しますが、その爆風で鏡の中の世界にルナとウェンディは飲み込まれてしまいます。
鏡の中で光と闇の戦いが繰り広げられ、ウェンディの優しさと勇気が黒い魔女だったルナを白い光の魔女に生まれ変わらせ、ついにネバーランドは平和を取り戻したのでした。

そしてウェンディたちはネバーランドを後にしてロンドンへ帰っていきます。ピーターパンとティンカーベルが久しぶりにロンドンまでウェンディを迎えにやって来ると、そこにいたのはウェンディの子供のジェーンでした。現実世界では20年ほどの時が流れてしまっていたのです。
ピーターパンは今度はジェーンを連れてネバーランドへ旅立っていくのでした。
宿敵だったフック船長がピーターパン達の味方となって共通の敵である黒い魔女ルナと戦う展開は熱いですね!あっさりした終わり方ですが、大人になったウェンディではなく、その子供ジェーンを連れて行くピーターパンはちょっぴり残酷ですね。
「ピーターパンの冒険」こぼれ話

ピーターパンの冒険は世界名作劇場15周年作品ということもあって、作中にあらいぐまラスカルがネバーランド内の野生のアライグマとして登場します。前半だけでなく、後半のシリアスな場面にも黒い鏡の鍵となる重要な存在だったりと、ゲスト出演というよりは準レギュラーといった役割で出てきます。
過去に人気番組「トリビアの泉」で「ピーター・パンの仲間に子供しかいない理由は、ピーター・パンが成長した子供を殺しているからである」という内容が放送されましたが、原文中にはっきり「殺した」と明言される部分は存在しません。「間引いた」という表現はあるものの単に追い出しただけなのか殺したのかは不明ですが、ネバーランドにはフック船長やタイガーリリーの父などおじさんキャラも存在しているのでこの説はガセと思われます。
純粋で一途な反面、善悪の区別がなく身勝手な性格で子供らしいピーターパンと、狡猾で頭の切れる海賊である反面合理的で紳士的な一面もあって、いくつもの顔を使い分けて上手に世渡りをする大人であるフック船長。原作者のジェームス・マシュー・バリーはフック船長に肩入れするような描写が顕著です。大人になってみると、自分勝手な自由人であるピーターパンよりも、苦労しながらも世渡りするフック船長に共感を覚える人が多いのかもしれません。

「ピーターパンの冒険」に関連する商品

世界名作劇場・完結版 ピーターパンの冒険 [DVD]

ピーター・パンとウェンディ (新潮文庫)

ピーター・パン [DVD]

PAN ネバーランド、夢のはじまり
ギャグシーンが多くファンタジー色が強い「ピーターパンの冒険」は世界名作劇場の中では異色作といわれています。劇場版AKIRAの作画監督でおなじみの、なかむらたかしさんがキャラクターデザインをつとめており、独特のキャラクターと動きが面白い作品です。