デビューのみ抜粋
『ポーラテレビ小説』は新人女優の登竜門と言われ、主に新人女優が主人公を演じていました。今回は、デビュー作として出演した女優のみを紹介します。
宇津宮雅代
出演ドラマ:『パンとあこがれ』
放送期間:1969年3月31日〜1969年9月27日
宇津宮雅代の本格的なデビュー作となったのが、1969年に放送された『パンとあこがれ』です。新宿中村屋の創業者の半生を描いたドラマで、主人公の吉本綾を演じました。脚本は山田太一です。
木内みどり
出演ドラマ:『安ベエの海』
放送期間:1969年9月29日〜1970年3月28日
木内みどりの本格的なデビュー作となったのが、1969〜1970年に放送された『安ベエの海』です。すでに劇団四季で活躍していた彼女が抜擢され、主人公の岩田安代を演じました。太平洋戦争が起きた激動の時代を強く生き抜く、女性の姿を描いたドラマです。
佐野厚子(現:佐野アツ子)
出演ドラマ:『ひまわりの道』
放送期間:1971年9月27日〜1972年3月25日
佐野厚子(現:佐野アツ子)の本格的なデビュー作となったのが、1971〜1972年に放送された『ひまわりの道』です。主人公の女性弁護士を演じました。松田優作の最初の妻、堀真弓(現:松田美智子)のデビュー作でもあります。また、のちに『吉井川』で主演する本阿弥周子も出演していました。
因みに、2024年に放送予定のNHK連続テレビ小説『虎に翼』の主人公は、日本初の女性弁護士がモデルです。
中田喜子
出演ドラマ:『やっちゃば育ち』
放送期間:1974年4月1日〜1974年9月28日
中田喜子のデビューは、歌手デビューが1971年、女優デビューが1972年ですが、女優として本格的なデビュー作となったのが、1974年に放送された『やっちゃば育ち』です。主人公のヒロイン・タエを演じました。
萩尾みどり
出演ドラマ:『わたしは燁』
放送期間:1974年9月30日〜1975年3月28日
萩尾みどりは、千葉大学在学中に女子大生美人コンテストで準優勝。その後、トントン拍子に女優デビューが決まり、デビュー作となったのが『わたしは燁』(「燁」の読みは「あき」)です。
彼女は当時のことを、とある講演で次のように語っています。
萩尾みどりさん、上越での青春を語る - 上越タウンジャーナル
岡江久美子
出演ドラマ:『お美津』
放送期間:1975年3月31日〜1975年9月26日
1975年当時、まだ18歳だった岡江久美子の正真正銘のデビュー作が『お美津』です。関東大震災前後の波乱の時代を生き抜いた主人公・お美津を演じました。
遥くらら
出演ドラマ:『加奈子』
放送期間:1975年9月29日〜1976年3月26日
遥くららは、1974年に宝塚歌劇団に入団。宝塚星組在籍中にテレビドラマ『加奈子』の主人公に抜擢され、女優デビューを果たします。その後も、宝塚と掛け持ちで多くのドラマに出演しました。脚本は小山内美江子です。
岡まゆみ
出演ドラマ:『絹の家』
放送期間:1976年3月29日〜1976年10月1日
岡まゆみのデビューは、とあるドラマ撮影を見学した際に、プロデューサーだった岡田太郎(吉永小百合の夫)にスカウトされたことがきっかけでした。1976年に放送された『絹の家』の主人公に抜擢され、女優デビューを果たしています。
五十嵐めぐみ
出演ドラマ:『さかなちゃん』
放送期間:1976年10月4日〜1977年4月1日
五十嵐めぐみは、元々は森田めぐみという芸名でドラマ出演をしていました。芸名・五十嵐めぐみとしてのデビュー作が『さかなちゃん』です。ポーラテレビ小説では明治、大正、昭和初期を時代設定としたドラマが多くありましたが、本作は現代(昭和40〜50年代)を扱っています。"さかなちゃん" とは、主人公の愛称です。
因みに、次作『おゆき』で主演した名取裕子とは、『法医学教室の事件ファイル』シリーズで20年近くにわたって共演しています。
藤真利子
出演ドラマ:『文子とはつ』
放送期間:1977年10月3日〜1978年3月31日
藤真利子は、香野百合子とのW主演で『文子とはつ』の主人公に抜擢され、女優デビューを果たします。姉妹のように育てられ、その後激動の人生を送る二人の女性が主人公で、香野が文子、藤がはつを演じました。
山本みどり
出演ドラマ:『夫婦ようそろ』
放送期間:1978年4月3日〜1978年9月29日
山本みどりは、『夫婦ようそろ』のヒロイン募集で主人公の志乃に抜擢され、女優デビューを果たします。実は、樋口可南子も最終選考まで残っていましたが、高身長のため時代劇に合わず、次作で主演することになります。
ドラマは、妻の内助の功を描いた作品で、相手役は柴俊夫です。
樋口可南子
出演ドラマ:『こおろぎ橋』
放送期間:1978年10月2日〜1979年3月30日
樋口可南子は、前作『夫婦ようそろ』のヒロイン募集で最終選考まで残り、本作『こおろぎ橋』の方で主人公に抜擢され、女優デビューを果たします。こおろぎ橋とは、石川県加賀市山中温泉にある実在する橋で、主人公の北出佐和子が、実家の温泉旅館を必死に守る波乱の半生を描いたドラマです。
かとうかずこ(現:かとうかず子)
出演ドラマ:『マリーの桜』
放送期間:1980年3月31日〜1980年10月3日
かとうかずこ(現:かとうかず子)は、すでにつかこうへいの舞台でデビューをしていましたが、本格的な女優デビューとなったのが、1980年に放送された『マリーの桜』です。日本人の母とアメリカ人の父の間に生まれたハーフの主人公・マリを演じ、太平洋戦争前後の混乱期を強く明るく生き抜く女性を演じました。
宮崎美子
出演ドラマ:『元気です!』
放送期間:1980年10月6日〜1981年4月3日
宮崎美子のデビューはご存知、ミノルタ(現:コニカミノルタ)の「X7」のCMで、TシャツとGパンを脱いで水着姿になる映像は、大いに話題になりました。
その後は、メディアに引っ張りだこで、ドラマ出演は固辞し続けていましたが、ついに本作『元気です!』で女優デビューを果たします。直後には、同じくTBSの『2年B組仙八先生』、さらには、クイズ番組の『クイズダービー』にレギュラー出演するようになり、モデル→女優→タレントと一気に人気を獲得していきました。
賀来千香子
出演ドラマ:『白き牡丹に』
放送期間:1982年10月4日〜1983年4月1日
賀来千香子は、元々はモデルとして活躍していましたが、女優デビュー作となったのが、1982〜1983年に放送された『白き牡丹に』です。ポーラテレビ小説信濃三部作の三作目で、主人公のなほを演じました。その後、『少女に何が起ったか』、『男女7人夏物語』、『ずっとあなたが好きだった』と人気ドラマに出演していったのは周知の通りです。
浜尾朱美
出演ドラマ:『おゆう』
放送期間:1983年4月4日〜1983年9月30日
浜尾朱美というと、『ニュース23』のキャスターとしての顔があまりにも有名ですが、キャスターに転身する前は、女優としても活躍していました。早稲田大学在学中にTBSのアナウンサー試験を受けた際、プロデューサーの目に留まり、本作『おゆう』でまさかの女優デビューを果たすことになります。その後は、同じくTBSの『青が散る』にも出演しました。
他には・・・
他には、
高橋彩夏(当時は高橋恵子名義)が『発車オーライ』(1981年4月6日〜1981年10月2日)、
沖直未(当時は沖直美名義)が『愛をひとつまみ』(1981年10月5日〜1982年4月2日)、
根本りつ子(当時は根本律子)が『女・かけこみ寺』(1982年4月5日〜1982年10月1日)、
田中理佐(現在は石原伸晃夫人)が『朝の夢』(1986年1月6日〜1986年3月28日)
も、ポーラテレビ小説からデビューを果たしています。