はじめに
1963年から放送が始まったNHK大河ドラマですが、1990年代までの38作品放送されました。その中で、主人公として一度ならず二度以上出演した俳優に注目し紹介していきたいと思います。
主演「石坂浩二」
NHK大河ドラマ常連俳優の一人で、計11回の出演をしている石坂浩二。3作品で主演しています。
初主演は「天と地と(1960年)」の上杉謙信役です。この作品は大河ドラマカラー作品の第一作でした。2回目の主演は「元禄太平記(1975年)」の柳沢吉保役を演じました。さらに3回目の主演が「草燃える(1979年)」で源頼朝を演じ、北条政子を演じた岩下志麻とともに主演を務めています。
その他出演作品は、
花の生涯(1963年) NHK大河ドラマ第1作品に役無しで出演
赤穂浪士(1964年) 役無し
太閤記(1965年) 石田三成役
天と地と(1969年) 主演 上杉謙信役
元禄太平記(1975年)主演 柳沢吉保役
草燃える(1979年) 主演 源頼朝役
徳川家康(1983年) 納屋蕉庵役
八代将軍吉宗(1995年)間部詮房役
元禄繚乱(1999年) 吉良義央役
新選組!(2004年) 佐久間象山役
江〜姫たちの戦国〜(2011年)千利休役
主演「緒形拳」
「太閤記(1965年)」の主役に抜擢された緒形拳。
この作品がNHK大河ドラマ初出演・初主演で、新国劇のホープであったため、新国劇の活動を兼務しながらの出演でした。さらに翌1966年の「源義経」で弁慶役で出演し、2作品続けて役付きで出演するのは稀なことでした。2度目の主演は「峠の群像(1982年)」の大石内蔵助役でした。
出演作品は、
太閤記(1965年) 主演 豊臣秀吉役(初出演・初主演)
源義経(1966年) 武蔵坊弁慶役
新・平家物語(1972年) 阿部麻鳥役
風と雲と虹と(1976年) 藤原純友役
黄金の日日(1978年) 豊臣秀吉役
峠の群像(1982年) 主演 大石内蔵助役
太平記(1991年) 足利貞氏役
毛利元就(1997年) 尼子経久役
風林火山(2007年) 宇佐美定満役
主演「加藤剛」
大河ドラマには2度の出演ですが、2度とも主演だった加藤剛。
TBSテレビの「大岡越前」は長年(36年間)に渡る当たり役でした。初の大河ドラマは、加藤清正を主人公とした話になる予定でしたがとん挫し、主演に決まっていた加藤剛が「平将門を演じたい」と話したことからドラマの内容が決まったそうです。2度目の大河ドラマは、菅原文太とダブル主演でした。
出演作品は
風と雲と虹と(1976年) 主演 平将門役
獅子の時代(1980年) 主演 苅谷嘉顕役
主演「西田敏行」
NHK大河ドラマに数多く出演する常連俳優の西田敏行。
初出演は「新・平家物語(1972年)」で、近年では「鎌倉殿の13人(2022年)」にも出演しています。初主演は、「山河燃ゆ(1984年)」で、松本幸四郎とのダブル主演でした。その後「翔ぶが如く(1990年)」、「八代将軍吉宗(1995年)」、「葵 徳川三代(2000年)」の4作品で主演を務め、大河ドラマで最多主演となっています。また、三英傑のうち二人以上演じたのは西田敏行だけです。
出演作品は
新・平家物語(1972年) 北条義時、横山相模介役
国盗り物語(1973年) 弥八役
花神(1977年) 山県狂介役
おんな太閤記(1981年) 豊臣秀吉役
山河燃ゆ(1984年) 主演 天羽忠役
武田信玄(1988年) 山本勘助役
翔ぶが如く(1990年) 主演 西郷隆盛役
八代将軍吉宗(1995年) 主演 徳川吉宗役
葵 徳川三代(2000年) 主演 徳川秀忠役
武蔵 MUSASHI(2003年) 内山半兵衛役
功名が辻(2006年) 徳川家康役
八重の桜(2013年) 西郷頼母役
西郷どん(2018年) ナレーション、西郷菊次郎役
鎌倉殿の13人(2022年) 後白河法皇役
お詫び:あまりの出演回数と主演回数の多さに、ついつい1990年代に区切っていたことを忘れていました。
主演「平幹二郎」
「樅ノ木は残った(1970年)」で大河ドラマ初出演にして初主演を果たした平幹二郎。
大河ドラマには計7回出演しており、「国盗り物語(1973年)」では前半の主人公の斎藤道三を演じました。
出演作品は
樅ノ木は残った(1970年) 主演 原田甲斐役
国盗り物語(1973年) 主演 斎藤道三役
武田信玄(1988年) 武田信虎役
信長 KING OF ZIPANGU(1992年) 加納随天役
北条時宗(2001年) 北条重時役
義経(2005年) 後白河法皇役
篤姫(2008年) 調所広郷役
主演「三田佳子」
「太閤記(1965年)」から大河ドラマには出演していた三田佳子。
1984年に「Wの悲劇」で女優が女優の役をやるという難しい役柄ながら、女の意地を見せる見事な演技が高く評価され、彼女の演技力を以前から評価していた橋田壽賀子の強い希望で「いのち(1986年)」の大河初主演となりました。複数回した唯一の女優となっています。
出演作品は
太閤記(1965年) 茶々役
竜馬がゆく(1968年) お田鶴役
国盗り物語(1973年) 深芳野役
いのち(1986年) 主演 岩田(旧姓:高原)未希役
花の乱(1994年) 主演 日野富子役・ナレーション兼任
花燃ゆ(2015年) 阿久沢せい役
主演「渡辺謙」
「山河燃ゆ(1984年)」以来、2度目の大河ドラマ出演となり、主演となった「独眼竜政宗(1987年)」の渡辺謙。
あまりのはまり役となった独眼竜政宗は、渡辺謙=独眼竜政宗というイメージが固定されてしまったほどです。
出演作品は
山河燃ゆ(1984年) 楠田武役
独眼竜政宗(1987年) 主演 伊達政宗役
炎立つ(1993年) 主演 藤原経清・藤原泰衡役
北条時宗(2001年) 北条時頼役
西郷どん(2018年) 島津斉彬役
おしまいに
複数の作品で主演を演じた方をみていきましたが、「この俳優は、この作品が良かったな」などと作品の印象の違いがあるでしょう。初めて主演を演じた役柄が印象に残りすぎているという方もいますし、どれもはまっていたという方もいますね。あなたは「これだ!」という作品はどれだったでしょうか。