THE 虎舞竜(ザ・トラ・ブリュー)

1993年、恋人を突然の交通事故で亡くした男性の哀しみを歌った実話を元に制作されたという楽曲「ロード」が220万枚を売り上げる大ヒットを記録し、ブレイクを果たした高橋ジョージさん率いるロックバンド「THE 虎舞竜(ザ・トラ・ブリュー)」。この曲で日本レコード大賞「ヒットシングル賞」をはじめとするさまざまな賞に輝きました。「ロード」はその後もシリーズを重ね、現在でも新たな章が描かれ続けている模様。
そんな「ロード」のイメージが強烈なTHE 虎舞竜ですが、ほかにも「ロード」のカップリング曲「祈り」やテレビ朝日系『新やじうまワイド』のエンディングテーマに起用された「道化師(ピエロ)」、そして「それぞれのロード」など隠れた名曲が多数存在しますので、ぜひ聴いてみてください。
小野正利

デビュー当時から4オクターブの音域とされるハイトーンボイスで注目された小野正利さん。3枚目のシングル「You're the Only…」(1992年)がドラマ『君のためにできること』の主題歌に抜擢され大ヒットを記録したことでお馴染みですよね。同曲はミリオンセラーを達成し、その年のレコード大賞では「最優秀新人賞」を受賞し、『NHK紅白歌合戦』にも出場しました。

どうしても一発屋のイメージが強い小野正利さんですが、実は「You're the Only…」以降もコンスタントに楽曲を発表し続けており、94年にリリースした「もう一度 君が欲しい」も切ない名バラードの1つですよね。また日本航空「JAL SKI '93」のCMソングに起用された「Fly Away」をはじめ、その多くがドラマやCMなどのタイアップ曲となっています。アサヒビール「エール6」のCMソングに起用された爽やかなナンバー「Keep on Shining」やテレビ朝日系ドラマ『ホテルドクター』の主題歌「Forever My Love」、フジテレビ系ドラマ『ジルドラ・ラブ』の主題歌「Believe」などほか多数。

またアニメの主題歌に起用されることも多く、テレビアニメ『ママはぽよぽよザウルスがお好き』ではエンディングテーマ曲として「いつのまにか君を(アコースティック・バージョン)」が、大人気アニメ『HUNTER×HUNTER』には「Departure!」がオープニングテーマ曲としてそれぞれ起用されています。
そして2023年、NetFlixアニメ『終末のワルキューレ Ⅱ』のエンディングテーマ「祈」を配信シングルとしてリリース。2010年からはボイストレーナーとして後進の指導にも当たっています。また近年では音楽系のバラエティー番組への出演も多く、今もなお幅広い分野で活躍中!
猿岩石

今や多くの冠番組を持つ司会者・ピン芸人として確固たる地位を築いている有吉弘行さん。そんな彼が森脇和成さんと共に活動していたお笑いコンビ「猿岩石(さるがんせき)」時代に大ヒットさせたのが作詞:藤井フミヤさん、作曲:藤井尚之さんによる楽曲「白い雲のように」でした。当時大人気だったバラエティー番組『進め!電波少年』でのユーラシア大陸横断ヒッチハイク企画終了後に歌手デビューし、その後アイドル的な人気を誇りましたよね。ミリオンセラーを達成したこの曲で1997年の『第39回日本レコード大賞』新人賞を受賞しています。

そんな彼らには「白い雲のように」ほどの盛り上がりにはなりませんでしたが、CMソングとしても起用された「ツキ」「コンビニ」「オエオエオ!」などのスマッシュヒット曲があります。そして猿岩石の楽曲にはデビュー曲を提供した藤井フミヤさん、藤井尚之さんをはじめ秋元康さん、佐野元春さん、広瀬香美さん、河村隆一さんなどカップリング曲も含め、錚々たる一流アーティストたちが携わっていました。当時音楽番組にも積極的に出演していた2人ですから記憶に残っている曲もあるのではないでしょうか。猿岩石は2004年に解散しそれぞれの道へ。そして2023年、有吉弘行さんは夢の大舞台『第74回NHK紅白歌合戦』の司会を務めます!
Something ELse (サムシングエルス)

Something ELse (サムシングエルス)、略称「サムエル」は大久保伸隆さん、伊藤大介さん、今井千尋さんからなるストリートミュージシャン出身のバンドでした。レコード会社、所属事務所ともに契約切れ寸前の「崖っぷちバンド」だった彼らが『雷波少年』の企画に抜擢され、次のシングルがオリコン初登場20位以内に入らなければバンドを解散し、音楽以外の道に進まなければならないという厳しい条件の元、完成させたのが秀作「ラストチャンス」(1998年)です。この曲は初登場2位となっただけでなく、サムエルを第41回日本レコード大賞の優秀作品賞、そして第50回NHK紅白歌合戦へと導きました。3人で共同生活をしながら、曲が生み出されるまでに起こるさまざまな人間模様に、当時心打たれた人も多かったことでしょう。

そんな彼らにはロングヒットを記録した「ラストチャンス」のほかにも、こちらも雷波少年内で作成され、シングル候補曲の1つだった「さよならじゃない」や「あいのうた」、そしてメロウなメロディーが印象的な「ウソツキ」など様々な楽曲があります。いずれも大ヒットには繋がりませんでしたが、タイアップ曲として使われていたことから記憶に残っている方もいるのではないでしょうか。しかし残念ながらSomething ELseは2006年10月に解散しています。
松本英子
1999年に歌手で俳優の福山雅治さんプロデュース楽曲「Squall」(スコール)が40万枚のロングヒットとなり話題を呼んだ松本英子(まつもと・えいこ)さん。この曲は福山さん主演の月9ドラマ『パーフェクトラブ!』の挿入歌として使用され、福山さんが描いた女性目線の歌詞にも大きな注目が集まりましたよね。

そんな松本さんは「Squall」以降も精力的にアーティスト活動を行なっており、2000年にはディズニーオリジナル長編アニメーション『リトルマーメイドⅡ』の日本語版エンディング曲「Someone」をはじめ、森田剛さん主演『ドラマDモード・君を見上げて』の主題歌「君に会いたい」(2002年)、親友の篠原ともえさんと結成したユニット「ZuTTO(ずっと)」では、シングル「明日に続く空」や「恋につづく街」といったポップソングも制作しました。2人のハーモニーが何とも爽やかな楽曲ですね。そして近年では自身のアーティスト活動とともに、福山雅治さんのコーラスとしても活躍されている模様。ちなみに松本さんの旦那様は元Something ELseの今井千尋さんです。