カルルク・エイホン
アミルの夫。物語開始時点では12歳。思いやり溢れる、穏やかな性格の少年。エイホン家の末子で跡継ぎ。
8歳という歳の差のためか、体調を崩した時などアミルから過保護な扱いを受けることがあるが、いざとなれば妻を護ろうと体を張る男気にも満ちている。族長となったアゼルの元で修業を始める。
パリヤ
エイホン家の近所に住む、年頃の少女。アミルにとって、嫁ぎ先の街で初めて出来た友人。
正義感が強く、物事をはっきり言う性格。しかし口下手な上、感情が顔に出やすいのが悪い方向に作用し、他人から不機嫌、怒っているなど誤解されるために友人が少ない。さらに同じ年頃の少年に対しては人見知りして、ついそっけない態度や厳しい発言をとってしまい、後で自己嫌悪に落ち込むこともしばしば。
パンに細かな模様をつけて綺麗に仕上げるのが得意であり、センスがないわけでも不器用なわけでもないが、刺繍だけはいらいらしてしまい上手くできない。
アゼル
アミルの兄。寡黙で生真面目だが、やや血の気が多い。一族の事情により、アミルを実家へ連れ帰るよう、族長でもある父ベルクワトの命令をうけてエイホン家を訪れた。しかし自身の本意ではなかったためにあっさりと引き下がっている。また、バダン族と手を組むことにも反対していたが、族長の権威が強力である遊牧民の風習から、やはり父には逆らえずにいた。バダンの裏切りが判明した際には、大暴れしてバダン族を蹴散らした。
父の死後はその実力から新たな族長となり、一族を率いてロシアとの国境近くの土地へ移り住んでいる。
ヘンリー・スミス
本作の語り部であるイギリス人青年。彼の旅先で暮らす乙嫁たちの物語が展開されるという、狂言回しの役割を担っている。 物語当初ではエイホン家に居候していた。物語の舞台であるユーラシアの民族・文化に強い興味を持つ旅行家。
紋章入りの金無垢の懐中時計を結納金がわりにぽんと出すなど、かなりの資産家の出。家督は長男である兄が継いでいるため、自身は好きなことをさせてもらっていると語っている。
押しに弱くお人好しだが、ロシアの脅威が迫り、命の危機が懸念される中でも記録を残すべく旅を続ける、強い信念の持ち主でもある。
当初の目的だったアンカラへと向かう途中、カラザの町でタラスと出会い恋心を抱くが、風習に引き裂かれて別離を余儀なくされる。また文化の違いから、親しい人々に心中を理解してもらうこともできず、複雑な思いを胸に抱えたまま旅立つこととなった。
しかし、次に訪れたムナクの村でも、自分を医者として頼る人々を見捨てられず、結婚式への興味を口実に滞在を引き延ばすなど、持ち前の優しい性格は変わらない。
アンカラで友人ホーキンズの元に辿り着くが、そこで再婚相手の男性に送られて来たタラスと再会、改めて婚約を交わした。
タラス
アンカラへ向かうスミスが、途中のカラザの町で出会った美女。カラカルパク人。
5人の夫に次々に先立たれ、姑と二人、町から外れた草原でひっそりと暮らしていた。町でスミスと出会い、それがきっかけで盗まれた亡夫の形見の馬、チュバルを取り戻せたことから、感謝の気持ちとしてスミスを自宅へと招待した。
一緒に過ごすうち、スミスに惹かれるようになっていたが、旅の途中である彼を気遣って気持ちは告げず、チュバルを与えて旅立たせた。しかしスミスが義叔父の策略で捕えられたと聞き、救いに駆け付けたことで互いの気持ちが抑えきれなくなり、愛情を確認しあい、婚約する。
ところが折悪く、義母と互いの行動が行き違いとなり、義叔父が義父となったことで、スミスとの縁は叶わぬものとなってしまった。
その後は義父の用意した見合いに従って再婚するが、事情を聞いて同情した新郎に廟参りという形でアンカラに送り届けられ、スミスとの再会を果たすことができた。
マンガ「乙嫁語り」の見どころ
「エマ」や「シャーリー」の時も描き込みのボリュームがものすごく、イギリスの上流階級の様子が美しく描かれていましたが、今作の中央アジア・ユーラシアの民族衣装や生活用品の描き込みはそれを凌駕します。本当に「微に入り細を穿つ」という言葉がガチに当てはまる半端なさ。森薫はまさに「これが描きたかったんだ!」と、執念にも感じるくらいのディテールを、微細に丁寧にスケッチし、その描写がこの遊牧・定住民族のスタイルときれいにマッチしています。
もちろんディテールの細かさだけでなく、各民族ならではの生活様式や、嫁入りの儀式や、それぞれの他との見識の違い、立場の違いなど、おそらく膨大な資料をもとに構築したであろう設定のリアリティも感じられます。そこに立っての人間のドラマは、大陸をまたぐ舞台の壮大さにふさわしいものから、日常の何気ない会話に始まり会話に終わるものまでさまざま。「乙嫁」というテーマで語られる、それぞれの民族の物語を堪能してほしいと思います。
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