華麗なる大円舞曲(ショパン)
華麗なる大円舞曲 変ホ長調 (作曲:フレデリック・ショパン)
野川雪(演:小泉今日子)が上京して、初めて東音楽大学を訪れた時、練習室で大津助教授(演:辰巳琢郎)が演奏していたのがこの曲です。雪と大津は、この時が初対面。大津の華麗な指さばきに見とれる雪ですが、最初は大津に邪魔者扱いされます。そのすぐ後に、東美津子(演:賀来千香子)とその取り巻きが登場。ここから、"雪と大津の関係に嫉妬する美津子" という構図が始まります。
トルコ行進曲(モーツァルト)
ピアノソナタ第11番 イ長調 第3楽章「トルコ行進曲」(作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト)
大津の提案で、東音楽大学に新設された特待生制度。その編入試験の課題曲となったのがこの曲です。自分は格が違うのよと言わんばかりに、美津子が候補生の目の前で本曲を演奏。その実力を目の当たりにし、雪も他の候補生も自信をなくしますが、大津に鼓舞されて練習に励みます。大津の特訓が奏功し、雪+5人が見事合格。晴れて、東音楽大学の特待生となります。
ワルツ第7番(ショパン)
ワルツ第7番 嬰ハ短調(作曲:フレデリック・ショパン)
ことごとく雪を目の敵にする美津子。美津子が雪に暴言を吐いたことで、特待生が怒り心頭に発し、美津子と取り巻き連中を引っぱたいてしまいます。雪は手を出さなかったものの、連帯責任で特待生全員が無期停学処分に。これには大津も反発し、自ら休職宣言します。そんな特待生と大津のいなくなった静かな授業で、美津子が弾いていたのがこの曲です。
ハンガリー舞曲第5番(ブラームス)
ハンガリー舞曲第5番 嬰ヘ短調(作曲:ヨハネス・ブラームス)
無期停学になった特待生と、休職宣言した大津。大津は大学の許可なく寮に乗り込んで、手弁当で特待生にレッスンを行います。その時のレッスン曲がこの曲です。大津は「この曲を弾きこなすには、まずブラームスが魅了された "ジプシーの踊り" を知らないとダメだ」と言って、特待生に踊りを指南します。その様子を見ていたのが美津子。ピアノ科の教授である父、東久之(演:長門裕之)と理事長である叔母、節子(演:辺見マリ)に告げ口します。
革命のエチュード(ショパン)
練習曲第12番 ハ短調「革命」(作曲:フレデリック・ショパン)
ドラマ前半のクライマックス、日本ピアノコンクールの予選。その課題曲となったのがこの曲「革命」です。ドラマを通して、最も多く演奏されました。雪が自分の父と信じる "東雪彦" が同じコンクールで優勝した時の課題曲でもあり、雪にとって最も思い入れのある曲です。
「革命」は、左手の高速なパッセージが特徴的で、雪はテンポやリズムがうまく取れず苦労します。また、東家の人間からの執拗ないじめで、家のピアノに鍵をかけられたり、病気の学長を一日中看病させられたり、思うように練習ができません。夜中の12時になれば、雪の正体を暴こうとする刑事(演:石立鉄男)がやってきて「薄汚ねぇシンデレラ」と言って邪魔される始末。しかし、大津の特訓、特待生の応援、謎の男(演:宇津井健)の支えのおかげで、なんとかコンクール予選に間に合わせます。
コンクール予選では、雪と美津子が同点の第1位。学長(演:松村達雄)は、本戦で雪が勝ったら東雪彦の娘 "東雪" と認める、美津子が勝ったら大津との結婚を許可する、と約束します。本戦は、二人の一騎打ちです。
結婚行進曲(ワーグナー)
オペラ「ローエングリン」より「結婚行進曲」(作曲:リヒャルト・ワーグナー)
特待生たちは、学長が「美津子と雪でコンクールに勝った方を大津と結婚させる」と言っていたという話を聞きつけ、勝手に大盛り上がり。特待生の一人がピアノでこの曲を演奏し、残りが雪に髪飾りをつけて歌って祝福します。しかし、最後は大津にたしなめられて終了。普段の練習に戻ります。
軍隊行進曲(シューベルト)
軍隊行進曲第1番 ニ長調(作曲:フランツ・シューベルト)
連弾のレッスンで、一般学生の代表と特待生の代表が一緒に連弾することになります。弾いたのはもちろん、美津子と雪。そのレッスン用の題材となったのが、この有名なピアノ連弾曲です。
ところが、二人が弾き始めると、美津子の弾く低音側にカミソリの刃を発見!その刃を買ったのが雪という目撃証言があり、雪は警察に連行されます。実はこれは美津子の父、久之の仕掛けたワナで、カミソリの刃は久之の依頼で雪が買ったものでした。そのやり取りを見ていた美津子になんとか証言してもらい、事なきを得ます。
熱情(ベートーヴェン)
ピアノソナタ第23番 ヘ短調「熱情」(作曲:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン)
最終決着の舞台、日本ピアノコンクール本選。その課題曲となったのがこの曲「熱情」です。実は「熱情」は、美津子にとって最も得意な曲。反対に、雪にとってはベートーヴェンのソナタで最も苦手な曲で、体力も指の力も全然足りません。早くも差をつけられる雪。しかし、大津の懸命の特訓と雪の根性の練習で、力をつけていきます。
雪の敵は、美津子だけではありません。東家と刑事の執拗ないじめと追求は続き、本選当日には、刑事と久之から "雪が雪彦の実娘でない証拠" を突きつけられます。ショックで演奏意欲を失う雪。しかし、大津から「お前は俺が育て上げた本物のピアニストだ!俺のためにコンクールに出てくれ!」と熱い思いを伝えられ、演奏する力を得ます。
そして、決着の舞台へ。雪と美津子、勝ったのは。。。雪は果たして、東雪彦の本当の娘なのか?最終回の最後の最後で、すべてが明らかになります。
生れくる我が子に捧ぐ(東雪彦)
ドラマオリジナル「生れくる我が子に捧ぐ」(作曲:東雪彦)
雪が母・文子のお腹の中にいた頃、父・雪彦がまだ見ぬ雪のために作った曲です。雪彦は、雪が生まれる前に亡くなりますが、そんな父のことを思い、雪は子供の頃からずっとこの曲を弾き続けてきました。上京後も、事あるごとにこの曲を演奏します。ドラマオリジナルですが、「革命」に非常によく似た曲です。
