ジュリエット・ルイスとは

ジュリエット・ルイス(Juliette Lewis)は、1973年6月21日生まれ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身の女優・歌手です。父親はクリント・イーストウッド出演作品の常連俳優として知られるジェフリー・ルイス。14歳でテレビドラマに出演すると、いきなり「ヤング・アーティスト・アワード」にノミネートされるなど、頭角を現し始めました。その後本格的に女優業に専念するため高校を中退。スクリーンデビューは1988年公開の映画『花嫁はエイリアン』でした。
ケープ・フィアー

そんなジュリエット・ルイスがさらに注目を集めたのはマーティン・スコセッシ監督のスリラー映画『ケープ・フィアー』(1991年)。ロバート・デ・ニーロ、ジェシカ・ラングら錚々たる名優たちと共演したこの作品で彼女はニック・ノルティ演じる弁護士の娘ダニエル役を好演し、アカデミー助演女優賞にノミネートされました。ちなみにジュリエットが演じた娘役のオーディションにはドリュー・バリモアやリース・ウィザースプーンらもエントリーしていたという。
ブラット・ピットとの交際
そして個性的な魅力を放つ彼女は次第に演技だけでなく、そのプライベートにも注目が集まっていくのです。90年代初期のジュリエット・ルイスの交際相手といえば、何と言ってもブラッド・ピットですよね!2人の出会いはテレビ映画『トゥルー・ブルース』(1989年)。彼らがお互いにまだブレイクする前の下積み時代に共演した作品です。撮影当時ジュリエットは17歳。ブラッドは彼女よりも10歳年上の年の差カップルでした。

この共演をきっかけに交際へと発展し同棲がスタート。真剣な交際は4年ほど続いたといいます。そんな駆け出しの頃に付き合い始めた2人ですが、1991年に『ケープ・フィアー』でジュリエットがアカデミー賞にノミネートされると、同年ブラッドもまたロードムービー『テルマ&ルイーズ』での演技が高く評価され一躍注目の的に!お互いに切磋琢磨しながら順調にハリウッドスターへの階段を駆け上がっている途中の、若いカップルでしたね。知名度は上がったとはいえ、まだ今ほど顔が知られていなかった2人は、パパラッチを気にすることもなく、自由なデートを楽しんでいたのだとか。

1993年には映画『カリフォルニア』でカップルでありながら再共演も果たしましたが、その後はお互いに多忙を極めるようになり、破局を迎えます。下積み時代を共に過ごした2人。今では一緒にいたあの頃が良い思い出になっているようで、何とも微笑ましいですね。
ジュリエット・ルイスの主な代表作

本国アメリカではすでに『ケープ・フィアー』で注目を集める存在となっていたジュリエット・ルイスですが、世界的にその名が知られるようになったのはジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオと共演した秀作映画『ギルバート・グレイプ』(1993年)からでしょう!父親が自殺し家族を支えるために自分の人生を諦めていたギルバート(演:デップ)が、ジュリエット演じる自由に生きるベッキーと出会ったことで、自らの生活を見つめ直していく物語……知的障害があるギルバートの弟アーニーを演じたレオナルド・ディカプリオの繊細な演技にも魅了されましたよね。

その後もオリバー・ストーンが監督を務め、クエンティン・タランティーノが原案を書いた『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1994年)やジョージ・クルーニー、クエンティン・タランティーノ、ハーヴェイ・カイテルらと共演した『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(1996年)、名作『愛と追憶の日々』の続編『夕べの星』など、出演作に恵まれたジュリエット・ルイス。そんな彼女が主演した数少ない作品の1つに『カーラの結婚宣言』(1999年)があります。これは軽度の知的障害を持つカーラ・テイトが、母親(演:ダイアン・キートン)の反対に遭いながらも、独立し、結婚に向けて奮闘する物語。まさにジュリエットの演技力が光る1作です。

歌手で女優のジェニファー・ロペスが主演し話題を呼んだ映画『イナフ』(2002年)では、ドメスティックバイオレンスを題材にした本作で、ヒロインの親友でありながらも、彼女の夫と交際を進め、事件のきっかけを作ってしまった人物を演じたのが印象的でした。
歌手として・・

こうして着実に演技派女優としての地位を確立してきたジュリエット・ルイスですが、実はお芝居だけでなく歌手としての一面もあるんです!
パンクバンド「ジュリエット&ザ・リックス」を結成し、2004年に発売されたアルバム「…Like a Bolt of Lightning」でCDデビューを果たすと、ボーカルを務めるジュリエットの激しいパフォーマンスとその独特な世界観は一定数のファンを獲得しており、フジロック・フェスティバルにも2度出演しています。
ジュリエット・ルイスはいま何してる?

そんなジュリエット・ルイスは現在も女優兼歌手として精力的に活動しています。2009年に一旦「ジュリエット&ザ・リックス」が解散し、新たなバンド「ジュリエット&ザ・ニュー・ロマンティクス」を結成。それまでとは違う表現方法でパフォーマンスを行なっていましたが、2015年からは再び「ジュリエット&ザ・リックス」の活動に戻り、ライブやツアーを行なうなど活発な動きを見せている模様です。
女優業も相変わらず順調で、『スタスキー&ハッチ』や『ローラーガールズ・ダイアリー』といったコメディから『ディア・ブラザー』『マー -サイコパスの狂気の地下室-』などのシリアスものまで幅広いジャンルの作品に出演しており、またその活躍の場は映画界だけにとどまらず近年ではテレビ界にも進出。
『THE FIRM ザ・ファーム 法律事務所』や日本でもAmazonプライム・ビデオのスターチャンネルEXで配信された『ある家族の肖像/アイ・ノウ・ディス・マッチ・イズ・トゥルー』(2020年)ではメインキャストの1人として登場し、また現在は今年度のエミー賞作品賞にノミネートされた秀作ドラマ『イエロージャケッツ』(2021年)にただいま絶賛レギュラー出演中!
さらには『Immigrant(原題)』という米Huluのリミテッドシリーズにも取り組んでいるとの情報があり、配信日は未定ですが、こちらの作品にも注目が集まりそうですね。今後もますます活躍が期待できる実力派女優です。私生活では、1999年にスケートボーダーのスティーブ・ベラと結婚しましたが、2003年には離婚を発表しました。