鬼才の人生
ここでやはり意外だったのは、劇団に加わり演技を学んでいたことだ。タランティーノといえばダメ出しにもジョークを混ぜ込み、ユーモラスなことで知られているがそういった俳優たちの愛情はここで培われたものと思われる。またそこで養われた演技技術はCMなどで目にすることができる。
映画オタクが映画監督に!?
実はこのタランティーノ、なぜか一目見たら分かってしまう方もおおいかと思われるが、映画オタクである。
そんな映画オタクは自分で「レザボアドッグス」を撮影しようと企んでいたところ、脚本が映画関係者の目に止まり映画監督としてデビューを果たすこととなる。
これは日本で言うとこの「萌え〜萌え〜」とか言いながら絵を狂ったように書いていたら漫画編集者の目に止まった。くらい奇跡的なことである。
そうして見るとさすがタランティーノである。
レザボアドッグス〜パルプ・フィクション
今でこそただのパクリと言われるレザボアドッグスだがスタイリッシュさ、クールさなどが同居する映画と言われ、音楽や演出にも高い評価がついている。また、この時の人物描写の浅いという批判から一気にパルプフィクションでは深い人間描写を撮ることとなり、アカデミー賞を受賞。また、カンヌ国際映画祭ではパルム・ドールを受賞する。その他にも多くの賞を奪取することとなる。
梶芽衣子の大ファン!?
なんとタランティーノは、梶芽衣子の大ファンだと公言しており「彼女の作品を初めて見て恋に落ちた。 偉大な女優でアイコン的な存在!」とまで。
前日のキルビルの舞台挨拶の際には、来日の条件として映画会社に「梶芽衣子と2人で会える時間を設ける」ことを要求していた。
ちなみに梶芽衣子側の、許可も取らずにオーケーしてしまったためいちどはNGをだされたものの最終的に会うことができた。
日本との関わり、そしてキルビル
日本の映画監督といえば?
といわれても多くの巨匠が思い浮かぶ深作欣二監督に影響を受けていると語っている。脚本を担当した映画『トゥルー・ロマンス』でも、主人公のサブカルチャー・ショップの店員が「Sonny chibaの空手映画のファン」という設定にし、またパルプフィクションではブルースウイルスに日本刀で殺陣をやらせたりと日本びいきの面が見える。
日本からの影響を全面的に表した映画といえばみんなご存知のキルビルだ!
2連続作品あるが『Vol.1 』の舞台はアメリカと沖縄・東京である。またオマージュは映画中に数多く存在している。
今後の活動は?
七人の侍のリメイク作品と言われるThe Hateful Eightもうつくろうという矢先になんと脚本が流出してしまい、いったん白紙に戻すも作り直す意向を明らかにしている。
またその作品のリメイク作品であるので、どういった形であれ日本へのオマージュが織り込まれると期待される。
90年代を変えた映画監督と、彼は評価されるが今もなお映画に対するマニアックさ、愛情などは加熱する一方である。