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『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』（The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun）は、2021年公開のアメリカのコメディ映画です。
監督および脚本は「グランド・ブダペスト・ホテル」を撮ったウェス・アンダーソン。20世紀のフランスの架空の都市で発行されたアメリカの雑誌「フレンチ・ディスパッチ」の最終号に掲載されたとされるストーリーを、オムニバス形式で描いた作品です。
出演は「チェ」でチェ・ゲバラを演じたベニチオ・デル・トロ、ビル・マーレイなど。ビル・マーレイが演じる編集長は「ザ・ニューヨーカー」の創始者ハロルド・ロスがモデルであり、今作品の架空の雑誌および編集者の設定は、実在する雑誌『ザ・ニューヨーカー』からインスパイアされています。
2021年に開催された第74回カンヌ国際映画祭で初上映された作品です。

20世紀フランスのとある街には、雑誌「フレンチ・ディスパッチ」の編集部があり、個性的な人々が集まっていた。国際問題はもとより、アートやファッション、美食などのユニークな記事で雑誌は人気があった。だが、ある日仕事中に編集長が急死し、彼の遺言により、フレンチ・ディスパッチ誌の廃刊が決定したため、編集者や記者たちは最終号を発行する。

オムニバス形式のストーリーは、確かに「雑誌をパラパラめくって読む」ような印象と重なります。フランスの架空の「アンニュイ=シュール=ブラゼ（倦怠感=不条理=無関心）」というふざけた名前の町にある架空の雑誌編集部。そこに載せられた奇妙な記事や事件は妙な形でつながり、つながりが見えるとなんとなくすとんと納得でき、そして「あれはどういう意味だったのか」ともう一度見返したくなる映画です。DVDのタイトル画像からもわかるようにとてもポップでおしゃれ、中身はアメリカだけど装丁はフランスという、それもまた視聴者を煙に巻くような、一筋縄ではいかない映画かもしれません。

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