かるーく「ごっつええ感じ」についての復習
1991年12月から1997年11月にかけてに、ダウンタウンをメインに、今田耕治・東野幸治・130R(板尾創路・ほんこん)・YOU・篠原涼子をレギュラーにフジテレビで放送された、コント中心のバラエティ番組です。
主に松本人志を中心にコントが制作され、現在活躍する芸人にも大きな影響を与えました。
又、当時驚異の人気を誇った裏番組「天才たけしの元気が出るテレビ」をも、1996年に終了に追い込むほどの人気番組となりました。
しかしながら、一般的にタブーとされる内容を扱う挑戦的なコントも多く、また、無断で番組を野球放送に変更した事で、お笑い軽視ととらえた松本人志が収録をボイコットし、そのまま番組終了となった、色々な意味でいわくつきの番組でもありました。
いずれにせよ、それまでのバラエティ番組からは一線を画すコントが多く、イキきっているけど憎めない、切なさを感じさせるキャラクター設定は、見るものの頭になぜかこびりつきます。
そんなたくさんのコントの中から、リズムや音楽に特化して、一人でこっそりマネして口ずさめば、なぜか笑ってしまいそうなものを集めてみました。電車の中で動画見ている方、一人でにやけて周囲から不審がられるので注意です!
ガタンゴトン
「ごっつええ感じ」の中でも、かなり初期に放送され、まだ定着したキャラクターなどもないころの単発コントです。
「ごっつええ感じ」の中には、グロイネタも数多くありますが、個人的には、松本人志の言葉選びのセンスとリズム感が大好きで、これぞリズムネタの真骨頂だと思っています。
最後、なぜか困って逆ギレっぽく終わるのがタマラナイデス。
兄貴
ヤクザの兄貴(松本)と子分のマサ(今田)がうらびれた工務店の社長(浜田)に借金の取り立てに行くという設定の「兄貴シリーズ」。
アホな上に不条理な質問や行動を繰り返し相手を巻き込み、「この二人アホやな~」とトホホ顔になりながらほっこり見てしまうこのコントは、レギュラー化され、20回以上放送されました。
実業団選手権大会
謎すぎる実業団選手権大会。
どうやらテンポよく試合は行われているのだが、見ている側(おそらく本人たちも)ちんぷんかんぷんのまますすんでいる様子です。
挑戦者
こちらも単発で放送されたコントです。
「ガタンゴトン」同様、画面に動きが少ない分、相手国歌の特異性がより浮彫になっています。
そしてこの国歌、メロディーラインの起伏はあまりないですが、ベースラインもしっかりしていて、さらになぜか構成がいくつかに分かれているあたり、もうこれはクラシックです。
ヒーロー見参!
喫茶店でシフト勤務のヒーロー、ミラクルエースの登場です。
こちらはシリーズ化されており、いじめられっこのまさおくん(浜田)をいじめから救い出し、強いオトコに育てようと尽力するキャラクターなんですが・・・。
一般的なヒーローといえば、世界平和の為にヒーローになる傍ら、その素性がばれないために、別の任務に就いているっていうのが常ですが、このミラクルエースは全く逆で、フリーターとして喫茶店でメインスタッフとして働きながら(水曜日は、早番遅番オールで働いていると本人が申告)、片手間でヒーローをしています。
・・・ゆるすぎる。
紹介するのは、中でも景気づけで歌うと勇気が湧いてくる、ミラクルエースのテーマ曲を、ミラクルエースからまさおくんに伝授する回です。特に2番をマネすると、勇気と笑いが手に入ります。
松本人志の、懐かしくでダサいフレーズと、従順なまさおくん(浜田)に注目!!
新手の桃太郎?
何の前触れもなく、「ごっつええ感じ」のテーマ曲として突如流れ、後にCD化、ライブまで行われたのが、この「エキセントリック少年ボウイ」です。
特撮ヒーローの設定ですが、特にコント的な内容はなく、ただただ曲として流すあたり、歌詞の内容もエキセントリックだった分、その扱いもひっくるめてコントだったのかもしれないですね。
登場するヒーロー、エキセントリック少年ボウイ(浜田)・犬ドッグ(板尾)・鳥バード(今田)・エテモンキー(ほんこん)・ニーハオ(東野)・カーボウイ(松本)それぞれのキャラクターにテーマ曲が設けられ、ライブにて披露されました。
特に松本演じる「カーボウイのテーマ」の歌詞は、ライブ当日松本により即興で作られました。
数ある「ベタ」の破壊力は見てきたけど
【今日パーティー行かなあかんねん】松本・今田の絶妙なコンビネーション「Mr.BATER」に爆笑!! - Middle Edge(ミドルエッジ)
関西出身の私にとって、「ベタ」芸のトップに君臨するのは、やっぱり横山ホットブラザーズなんです。
はい、ここでアコーディオンで「北酒場」歌って、どつかれて、のこぎり演奏入って、ほんでもって渾身の「お~ま~え~は~あ~ほ~か~」!っていう、「くるぞくるぞ」のわくわく感は、ベタ芸の楽しみ方の一つです。
このシリーズ化された「ミスターベーター」も、お決まりのフレーズと小道具と歌で、「きたきた」感が満喫できるコントです。
しかしながら、それまでの「ベタ」芸と違うのは、入口は毎度同じですが、出口が毎度変わるところも楽しみの一つですし、外国人のあなたがそれを出してくる?というアンバランス感も満載です。
関西弁達者なミスターベーターが、毎度パーティーに行くために必要なものを買いに行くお店の店主として今田耕司が演じますが、今田の方は毎度一言も発さず、リアクションだけで感情を表現しするあたりも、秀逸です。
やっぱりおもしろいわー
やっぱり、「ごっつええ感じ」に出てくる音楽系のコントは、言葉の選び方やリズム感がすごいなぁと感心します。
松本人志の作るものというのは、今のバラエティにありがちな、ただただ面白いものを詰め込むだけ、自分の手は汚さず、人の失敗を見て笑ううだけというものはないんです。
静と動、陰と陽、対比が笑いを産むというルールを底に敷くことで、ちゃんと哀愁や滑稽さが際だつというのを、わかったうえで私達は踊らされているのではないかと、散々笑った後に思いつきました。
また「ごっつええ感じ」復活しないかなぁ。