サウンド・オブ・ミュージックで流れる曲はすべてが名作

サウンド・オブ・ミュージックで流れる曲はすべてが名作

世界的な大ヒット映画となった「サウンド・オブ・ミュージック」。映画の中で流れるさまざまな曲は、全てが印象的で素敵なものばかりです。世界中の子供たちが歌った「ドレミの歌」やイージリスニングでも定番となった「私のお気に入り」など、映画から飛び出して有名になった曲も多いんですよ。そして、実話でもある「サウンド・オブ・ミュージック」、史実との比較も面白いですよ。


世界的な大ヒット映画、サウンド・オブ・ミュージック

ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」は、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン二世の強力タッグによって作られ、1959年11月にブロードウェイで初演となり大当たりしました。

映画「サウンド・オブ・ミュージック」は、ミュージカル版を原作として制作されたミュージカル映画で、1965年には世界的な大ヒットを記録します。翌年には、「風と共に去りぬ」が持つ歴代興行収入世界記録を更新して、1位の座を獲得したのでした。

「サウンド・オブ・ミュージック」は、第38回アカデミー賞においても、作品賞・監督賞(ロバート・ワイズ)・編集賞(ウィリアム・H・レイノルズ)・編曲賞(アーウィン・コスタル)・録音賞(ジェームズ・P・コーコランとフレッド・ハインズ)の5部門で受賞を受けています。

実はサウンドオブミュージックは実話だった

ミュージカルとして人気を博した「サウンドオブミュージック」、このストーリーはオリジナルではなく、原作があったのです。それも実はだったというから驚きですね。アメリカに亡命したトラップ一家は、ファミリー合唱団としてアメリカで興行し、成功を収めました。妻マリアが書いた自叙伝「トラップ・ファミリー合唱団物語」はベストセラーとなり、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の原作となったのです。

知っている人にとっては常識でしょうが、知らなかったという人も多いと思います。マリアもトラップ大佐も、実在した人物で名前もそのままです。一家で合唱団を構成して人気を得たのも、ナチスに抵抗して亡命したのも、全てが事実だったんです。というか、まさに事実は小説より奇なりと言われるように、実際のマリア一家の生涯は、映画とは比較にならないほどの波瀾万丈でした。

サウンドオブミュージックのモデルとなったトラップ一家の物語は、1911年にゲオルグ・フォン・トラップが最初の妻アガーテと結婚することから始まり、7人の子宝に恵まれます。映画は、1926年にマリアが家庭教師としてトラップ家に行くことからの展開。実際のところは、事実と映画では少し違っているところもありますが、それは映画の構成上仕方がないこと。ただ、トラップ家の描かれ方に反発のあった実際のご家族は、映画に否定的なイメージもあったようです。

映画と史実の違いが面白い

映画では、トラップ大佐(実際は少佐)とマリアが結婚直後に、ナチスに従うのを拒んで、徒歩でアルプス越えをして亡命するところで終わります。史実の方での亡命は、結婚の11年後となる1938年にドイツがオーストリアを併合したため。そして、実際には歩いてアルプスを越えるというような無謀なことはしないで、汽車で脱出したのでした。

その他、マリアの家庭教師はおてんばが原因で修道院から送られたのではなく、修道院暮らしで体調を崩し、修道院を辞めた後に紹介されたそうです。そして、映画のような7人全員の家庭教師ではなく、体が弱くて満足に学校に行けなかった次女と幼い四女のためでした。更には、映画の前半でトラップ大佐は相当な厳格者として描かれていますが、実際はとても優しい人だったそうですよ。

ミュージカル映画ということもあり、物語内で素敵な楽曲がたくさん流れるのですが、実在のマリアもやはり歌が大好きだったそうで、子供たちとは歌や遊びを通じて仲良くなりました。そして、映画内でも重要なイベントになっているザルツブルク音楽祭、世界的に有名で権威のある音楽祭なのですが、ここでの優勝はフィクションではありません。1935年のザルツブルグ音楽祭で本当に優勝しています。すごいですよね。ただ、ここで歌ったのはマリアと子供たちで、トラップ大佐は歌っていませんでした。

物語内で流れる曲は、どれもが名作

1959年にブロードウェイで開幕した後、映画としても上映され、大ヒットを記録した「サウンド・オブ・ミュージック」。ナチスドイツ占領下のオーストリアを背景に、大勢の人々を心温まる歌で励まし続けた「トラップ・ファミリー合唱団」の実話に基づいて制作された映画です。劇中で流れる音楽はよく知られ、世界中で長く愛され続けています。

ミュージカルファンなら、きっとお気に入りの曲も多いことでしょう。この後は、「サウンド・オブ・ミュージック」に登場する曲の中から、特に人気の曲をチョイスしてご案内しましょう。

My Favorite Things(私のお気に入り)

厳しくしつけられ、遊びも歌うことも忘れていたトラップ家の子供たち。信心深いマリアは、子供たちと優しく向き合い歌を通して心を繋げていきます。そのきっかけになったのが、この曲が流れる時。マリアが家庭教師としてトラップ家にやってきた夜のこと、外は嵐になっていました。雷を怖がってマリアの部屋に集まった子供たちに、自分のお気に入りを思い浮かべると嵐も怖くなくなると歌って聴かせます。それが「My Favorite Things(私のお気に入り)」。最初は雷を怖がっていた子供たちですが、マリアの歌が功を奏して笑顔に戻っていくのです。

Do-Re-Mi(ドレミ)

ある日のこと、マリアと子供たちは山にピクニックに出かけます。音楽の基礎を教えたいマリアが、歌詞を工夫して作った歌が「Do-Re-Mi(ドレミ)」です。最初は簡単な音階練習から、子供たちも参加してメロディのある歌になり、更に活気のある行進曲風に発展していきます。このシーンで移るアルプスの美しさや、ザルツブルグの素晴らしい街並みにも目を奪われますね。この歌は、世界中の子供たちが歌った曲で、日本でも「ドレミの歌」として有名になりました。

Edelweiss(エーデルワイス)

「Edelweiss(エーデルワイス)」は、学校で習った方も多いのではないでしょうか。トラップ大佐がこの曲をギターの弾き語りで、長女と一緒に歌うシーンに感動した方もいるでしょう。マリアや子供たちに対して厳しく接していたトラップ大佐、一気に皆と心から打ち解けるきっかけになったシーンにでしたね。そして、ザルツブルク音楽祭で優勝した時にも歌った一曲でもあります。祖国オーストリアを思う歌詞と繊細で美しいメロディは、会場の皆さんをも巻き込んだ素晴らしい場面でした。物語の重要な場面で登場する、貴重な曲になりました。

So Long, Farewell(さようなら、ごきげんよう)

劇中、トラップ家でパーティーが開かれるシーンがありました。その時のイベントとして歌われたのが「So Long, Farewell(さようなら、ごきげんよう)」です。可愛い動きで踊りながら、子供たち1人ずつ順番に「おやすみなさい」のあいさつをして部屋に戻っていきます。最後の末っ子グレーテルが、階段で眠くなる仕草はとても可愛く、ゲストもほっこり。長女のリーズルがパーティーに残りたいけどいいという呼びかけに「NO」と大佐が応える瞬間もあり、とてもコミカルで楽しかったですね。

The Lonely Goatherd(ひとりぼっちの山羊飼い)

「The Lonely Goatherd(ひとりぼっちの山羊飼い)」は、マリアと子供たちが。お父さんのトラップ大佐と婚約者の伯爵夫人、そして二人の共通の友人であるマックスに人形劇を披露するシーンで登場します。ポルカ風のリズムに合せたヨーデルが、とてもリズミカルでユーモラスな楽曲になっています。映画では、観覧者の3人も大喜びで、見ている私たちも観客の一人になって見入ってしまいます。出演している人形のキャラクターが多い上に動きも複雑、かなり高度な人形劇になっていましたが、軽快なリズムで歌いながら楽しく操るチームワークは、さすがといったところですね。

まだまだ数多くの曲が

映画の中では、まだまだたくさんの感動的な場面や素晴らしい曲を、見て聞くことができます。今だ色褪せない素敵な映画ですので、未だ見てない方は是非ご覧になってください。そして見たことのある方なら、もう一度鑑賞してみてはいかでしょう。きっと、新たな感動に浸ることができますよ。最後の添付動画は、マリアとトラップ大佐の結婚式のシーンです。実はロケ地となったこの教会、大きな教会のようですが、ザルツカンマングートにある湖のほとりに建つ、美しい小さな教会なんです。

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