今だからこそ聞きたいクラシックなヴィジュアル系の名盤!Xのファーストアルバム「Vanishing Vision」!!

今だからこそ聞きたいクラシックなヴィジュアル系の名盤!Xのファーストアルバム「Vanishing Vision」!!

1988年4月に、YOSHIKI設立のエクスタシーレコードより発売されたのが、Xのファーストアルバム である「Vanishing Vision」です。 本作は、インディーズながらメジャーチャートにランクインするなど記録的なセールスをあげた名盤! そして、日本のロックシーンに金字塔を打ち立てたモンスターアルバムであります。 今回は、そんなXを語る上では欠かすことのできないアルバム「Vanishing Vision」をレビューしていきます。


Amazon | VANISHING VISION EXC-001 | X, X JAPAN, YOSHIKI, TOSHI | J-POP | ミュージック

01. DEAR LOSER 02. VANISHING LOVE 03. PHANTOM OF GUILT 04. SADISTIC DESIRE 05. GIVE ME THE PLEASURE 06. I’LL KILL YOU 07. ALIVE 08. KURENAI 09. UN-FINISHED

タブーとされる事をあえてやる! 他のバンドの逆を行く! それが本当のパンク精神!!

Xを語るうえにおいて"ヘヴィメタル"というカテゴライズが常についてまわります。
しかし、既存ジャンルの物差しでは、彼らの魅力の核心にまで迫る事は難しい。
既成文化にアイデンティティの拠り所を求める権威主義的な価値観は、Xの本質を
知るためには捨てるべき。

当時、型破りな音楽性とパフォーマンスで活動を続けていたXでしたが、彼らを受容する
土壌や形容する言葉はまだなく"ヘヴィメタル"として扱われていました。
しかし、YOSHIKIはヘヴィメタルとカテゴライズされる事を嫌っていたのです。

当時のXは評論家などから「イロモノバンドだ」「ロックとはこうあるべきだ」
「メタルとはこうあるべきだ」「歌謡メタルなんて邪道だ」といった批判を受けていました。
今や日本を代表するメタルバンドという評価を受け、批判的だった評論家も手のひらを返し
絶賛している状況。
当時を知らない人からすれば、にわかには信じがたい話かもしれないが本当の話。
そういった批判に対してYOSHIKIは「ロックは受験勉強か?タブーとされる事をやる、
それが本当のパンク精神だ」とアンチテーゼを唱えていました。

凝り固まった固定観念を持った当時の大人たちが、Xに対し否定的だったのも致し方ない
のかもしれません。
当時の音楽性について「TAIJIはアメリカンロックから影響を受けていて、僕はパンクスで
ハードコアに傾倒していた、そこにhideが不思議なセンスを持ち込んで、ごちゃ混ぜになったのが
Xなんです」とYOSHIKIが語るように、Xとはメタルとハードコアのクロスオーバーから生まれた
全く新しい存在だったのです。

Xのスタイルは唯一無二のメタルコアサウンド!!

1985年にリリースされたシングル「I'LL KILL YOU」の広告には"衝撃のメタルコア登場"と
記されていましたが、まさにその通りXのスタイルは、唯一無二のメタルコアサウンド!

メタルの構築美とハードコアの暴力性。
YOSHIKIのジャパコアをさらに過激にしたような激走ドラムスタイル。
クラシック要素・耽美世界。
これらを軸に、究極のバランスでVanishing Visionの世界は成り立っています。

HIDEはグラマラスなロックンロールセンスをXに持ち込み、80年代パンクシーンを
彷彿とさせる危うい雰囲気をXに与えました。
横須賀サーベルタイガーでは生肉を食いちぎり、マネキンを破壊するといった
パフォーマンスをおこなっていたのだとか…。
また、HIDEのシアトリカルかつサイケなパフォーマンスは、寺山修司的アングラ演劇世界を
展開していたオートモッド辺りの雰囲気も醸し出しています。
"Xの飛び道具"と称されていたのも頷けますよね!
そういった要素もサブカルチックにならずに消化しているのは、HIDEの絶妙なポップセンスの
なせるわざと言えます。
横須賀サーベルタイガー「SADISTIC EMOTION」をリメイクした、HIDE作曲
「SADISTIC DESIRE」はそういったHIDEのセンスが詰め込まれており、YOSHIKIの世界観を
より極彩色のものにしています。

フュージョンなどの要素も取り込んだ、TAIJIの天才的なプレイも全編を通し冴え渡り、
このアルバムのオープニングを飾るインスト曲「DEAR LOSER」では作曲TAIJIのセンスを
いかんなく発揮しています。
TAIJIは他のメンバーの非メタル宣言とは反し、Xは純粋なメタルだと発言しています。
しかし、そういったTAIJIの王道HR/HM要素はXをただの破天荒なバンドで終わらせず、
上質なロックサウンドとして成立させています。
またTAIJIは、YOSHIKIとHIDEに勝るとも劣らない強烈な存在感を放っていました。
バッドボーイズロッカー然とした、華やかでワイルドなスタイルに憧れた者は多いはず!

職人気質なPATAのプレイと存在はバンドに調和とバランスをもたらし、Toshlがもつ
天性の歌声と卓越したヴォーカリゼイションが、その世界を完璧に紡いでいます。

画家の西口司郎氏にによる衝撃的なジャケット、若さゆえの演奏の荒さと勢い、
当時のレコーディング技術による音質も、全てがプラスに作用し、このアルバムには
革命前夜ともいえるあの時代の空気感が、完全にパッケージングされているんですよ!

X - Vanishing Vision

01. DEAR LOSER

02. VANISHING LOVE

03. PHANTOM OF GUILT

04. SADISTIC DESIRE

05. GIVE ME THE PLEASURE

06. I’LL KILL YOU

07. ALIVE

関連する投稿


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

ジー・モードより、推理アドベンチャーゲーム『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の世界観を再現したオリジナルグッズが、北海道紋別市のふるさと納税返礼品として提供されます。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

ハイクオリティフィギュアの製造・販売で好評を博している株式会社SpiceSeed フィギュア事業部より、キン肉マンシリーズのフィギュア『ネメシス』が発売されます。


懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

藤子・F・不二雄による名作の数々を紹介する書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が、8月7日(木)より全国のフェア参加書店にて順次開催されます。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。