攻殻機動隊とは?
攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL
攻殻機動隊は士郎正宗原作のSF漫画です。
初出はヤングマガジン海賊版1989年5月号。
初出から約三ヶ月おきに連載され、1991年に大幅な修正・描き下ろしが加えられた単行本が発行されました。
21世紀、第3次核大戦、アジアが勝利した第4次非核大戦を経て「地球統一ブロック」となった世界、その中で科学技術が飛躍的に高度化した日本が舞台になります。マイクロマシン技術を使った電脳化技術やサイボーグ(擬体化)技術が発展普及し、多くの人間が電脳によってインターネットに直接アクセスできる時代が到来します。生身の人間、電脳化された人間、サイボーグ、アンドロイド、バイオロイド混在する社会の中で、テロや暗殺、汚職などの犯罪を事前に察知してその被害を最小限に防ぐ内務省直属の攻性公安警察組織「公安9課」(通称:攻殻機動隊)の活動を描いた物語。
攻殻機動隊の魅力
攻殻機動隊の魅力と言えば、独特の世界観と計算されたストーリーだと思います。近未来モノのアニメは数ありますが、ここまで独特の世界観を持ったものは少ないと思います。普通のTVアニメですとデザイン重視の二足歩行ロボットが必ずと言っていいほど出て来ますが、この作品には出て来ません。
※この後のシリーズ攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEXではアイドル的存在の多脚戦車(タチコマ)が出て来ますが、立ち位置は公安9課メンバーのサポート程度のものです。また2足歩行のアーマードスーツは出て来ますが巨大なモノでは無く未来の鎧のようなモノですね。
公安9課メンバーも草薙素子以外は強面のおっさん達というのも従来のアニメでは無かった事です。
そしてマイクロマシン技術を利用した電脳化という設定でネットワークとの繋がりを軸に物語を進ませるリアリティさも人気の出た要因だと思われます。また映像表現も素晴らしく美しく輝く近未来都市と混沌としたスラム街の対比も素晴らしものに仕上がっています。
日本では独特の世界観ゆえか大ヒットはしませんでしたが、アメリカではビルボード誌のビデオ週間売上げ1位になっています。
ジェームズ・キャメロン(タイタニックの監督)も絶賛していますし、後の、マトリックス(ウォシャウスキー兄弟が監督したアメリカ映画)この映画の制作は元々、ニューロマンサーの映画化企画からスタートしていますが、監督が本作からもインスパイアされたことから作中のギミックや映像手法などに色濃い影響が見られます。
実際、関係者に参考として攻殻機動隊を見せていたらしいです。
またクエンティ・タランティーノ監督も大ファンを公言しており、キルビル制作時に攻殻機動隊を制作したProduction I.Gにノーアポで訪れ、アニメパートの制作を依頼したのは有名な話です。
映画 GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊
GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊
キャスト
草薙素子:田中敦子
バトー:大塚明夫
トグサ:山寺宏一
その他のキャスト
イシカワ:仲野裕
荒巻大輔:大木民夫
中村公安6課部長:玄田哲章
ウィリス博士:生木政壽
外務大臣:山内雅人
外交官:小川真司
台田瑞穂:宮本充
清掃局員:山路和弘
清掃局員:千葉繁
検死官:家中宏
オッサン:松尾銀三
実行犯:松山鷹志
技師:小高三良
運転手:佐藤政道
オペレーター:林田篤子
狙撃手:亀山俊樹
指揮官:後藤敦
少女(草薙):坂本真綾
人形使い:家弓家正
ストーリー
用語解説
・公安9課
内務省所属の防諜機関(非公開組織)であり、内閣総理大臣に直属している。電脳化・義体化の普及により、凶悪化の一途を辿る犯罪に対応するため、9課には、憲法を超越する権力と戦闘能力が付与されている。通称攻殻機動隊。
・条約審議部
外務省条約審議部(通称・公安6課)。日本政府にとっての後ろ暗い仕事を、6課は“金と工作員”によって解決してきた。
・電脳化
脳にマイクロマシンなどを埋め込み、人間の脳とコンピュータネットワークを直接接続したバイオネットワーク技術。
脳そのものを機械に変えてしまうことも電脳化と呼び、制御ソフトを導入するタイプの高性能な義足・義手などはこの電脳化を施す必要がある模様。
・攻性防壁
外部からの有害な情報やハッキング行為を遮断、同時に相手に攻撃するセキュリティ機能。軍事または政府機関以外の使用は法律で禁止されている。これにより電脳を焼かれて死亡するケースもある。
・義体化
本作世界におけるサイボーグ技術。義手、義足、人工臓器の概念を全身に拡張、草薙のように、脳と基幹神経系だけを残してほぼ全身を人工物に置換したり(完全義体化)、逆に電脳化を行わず肉体だけ義体化することも可能。
・人工知能(AI)
劇中では暗号化技術のサポートや先述のロボットの頭脳、現代のスーパーコンピュータに相当する。
・ゴースト
あらゆる生命・物理・複雑系現象に内在する霊的な属性、現象、構造の総称であり、包括的な概念である。人間の肉体から生体組織を限りなく取り除く、あるいは機械で代行していった際に、自分が自分自身であるために最低限必要な物、又はその境界に存在する物こそゴーストであり、生命体の根源的な魂とも表現できる。
・ゴーストハック
ゴーストを活用したサイバー犯罪行為で、電脳乗っ取りなどと訳される。人間の脳をコンピュータ、もしくは、ネットワーク端末のように扱えるようにした電脳に対して、ハッキングあるいはクラッキングすること。
・光学迷彩
特殊な光学技術を応用して、使用者の姿を光学的及び熱領域レベルまで視覚的(一部電子情報的)にカモフラージュする事が可能な技術、及びそのシステムの総称。視覚的には透明であるが、当然使用しても実体はなくならないので、音や加圧(重量)で察知される事もある。