【同性愛がテーマ】奥浩哉さんのデビュー作・「変」シリーズって覚えている?

【同性愛がテーマ】奥浩哉さんのデビュー作・「変」シリーズって覚えている?

「変」「へん」「HEN」とは、のちにGANTZで有名になる奥浩哉さんのデビュー作。GANTZとは全く違う恋愛を軸にした漫画ですがこちらも面白かったですよね。


「変」シリーズとは?

奥浩哉さんの代表作といえばやはり「GANTZ」なのですが、「変」シリーズもヒットしているのでこちらで名前を知ったという人も多いでしょう。

「変」は3種類あり、1988年に青年漫画大賞で準入選した「変」はのちに「へん」というタイトルでリメイクされ、短期集中されてています。男子高校生がウイルスに感染して女性になってしまうというラブコメです。いずれも奥浩哉短編集『黒』に収録されているので今でも読むことができますよ。

「変[HEN]」は「変」を軸にした作品ではあるのですが、また少し違います。奥浩哉短編集『赤』収録の「嫌(いや)」という作品が元になっています。(こちらの作品も同じ、「変」のコミックスに収録されています)1992年から週刊ヤングジャンプで連載されていました。単行本は全13巻。「変[HEN]」を連載していた時は久遠矢広というペンネームでした。

「HEN」は「変[HEN]」の続編で1996年から週刊ヤングジャンプで連載されていました。短編「好」のリメイクです。主人公は変わりますが、変[HEN]に出演していたキャラクターも登場します。単行本は全8巻です。

読みは同じ「ヘン」なのでわかりにくいですが、大きく分けて3種類の作品がありますよ。全部の「ヘン」を読んでいましたか?

変[HEN]のあらすじ

佐藤ゆうきは白薔薇高校の2年生。普通の男子高校生なのですが、女性のようなルックスで何度も男性に告白されたことがあるという経験の持ち主。

鈴木 一郎もその1人で電車の中で出会った佐藤に一目ぼれしてしまいます。そしてそれだけでは終わらず、黒薔薇高校から白薔薇高校へ佐藤を追いかけて転校してくるのでした。「俺の彼女になれ」と佐藤を追いかける日々が始まります。

鈴木は身長2mで喧嘩では無敵の不良。ですが顔は整っている美少年。今までは喧嘩ばかりの日々でしたが、佐藤に恋をしてからだんだんと変わっていきます。

同じく佐藤を好きになる冴木貴仁と漫画やバスケットボールなどで対決することも。

元々ゲイだったわけでもないのに男が男を好きになる。それには実は理由があり、前世で佐藤は盲目の少女で鈴木と恋人同士だったという可能性が浮上してきます。

佐藤は夢で盲目になるというお告げがあり、実際に目が見えなくなってしまいます。鈴木と佐藤は夢に出てくる木馬を探し、木馬が見つかると佐藤の目は治ります。

そして、鈴木の彼女になることを受け入れるのでした。

佐藤は実は男装した女性なのではないかという描写も多々あるのですが、作品内で解明されていません。ただし、作者は「佐藤は女の子っぽい男の子」と話しています。

そして、「変[HEN]」には作者と同じ奥浩哉という登場人物も。佐藤の親友で漫画家志望の目立たない少年という役どころですが、自分と同姓同名の登場人物を出すなんて珍しいですよね。

HENのあらすじ

こちらは女性同士の恋愛を描いた物語。

桃百合高校の新任教師の唐沢寿明は1年生の吉田ちずるに似た人物がCMに出演していることから、学校に内緒で芸能生活をしているのではないかと怪しみます。ちずるに何度も問い詰めたところ、CMの少女と同一人物だということが判明。同時に、ちずるは家に帰らず男性の家に住みながら、自力で生活費を稼いでいることを知ります。唐沢はちずるに好意を持つようになります。

ちずるはヒロユキの家にいつも泊まっていたのですがヒロユキが浮気をしたことが判明。別れ話をしているときに、同じアパートの山田あずみに出会い、彼女のことが気になるようになります。

ちずるは背が高くスタイルもいいいわゆるモデル体型、あずみは小柄で小学生にも間違えられるような容姿です。

ちずるはあずみに告白するのですが、冗談だと撤回。友人として付き合うことになるのですが距離が近すぎるちずるを不思議に思うのでした。

その後、あずみは映画研究部に入り小林龍一に出会います。そして2人はひかれあっていくのでした。ちずるは2人の気持ちに気が付きながらもあずみを悲しませたくないという思いで二人の仲を引き裂くのをやめます。

やがて隆一の転校が決まりま。2人は両思いとわかるのですが離れ離れに。一方、ちずるはあずみに告白。周囲にも同性愛者だと告白します。あずみは龍一が好きだと断りますがそれからちずるは学校に来られなくなってしまいます。

ちずるの思いには答えられないと思っていたあずみですが、だんだんちずるにも惹かれるようになるのですが・・・というストーリー。

後半からは前作の佐藤と鈴木も登場しますが、2人はまだ付き合っていません。2人のその後が分かるという感じではないですね。

ドラマ・アニメのメディアミックスも!

「変 [HEN]」とHENは1996年にテレビ朝日系列の「ウイークエンドドラマ」第一作としてドラマ化されています。

「変 [HEN] Vol.1 鈴木くんと佐藤くん 」、「HEN Vol.2 ちずるちゃんとあずみちゃん」合わせて1クールの作品です。

佐藤役はなんと佐藤藍子さんで女性が演じました。vol2の1話にもゲスト出演されています。
鈴木役は青木伸輔さんなのですが、vol.2ではヒロユキ役として出演されています。なんだか変な感じですね。

1997年にVHS化、2006年にDVD化されています。VHSはお色気シーンをプラスした「オリジナル ハード・バージョン」でした。(DVDは本放送と同じもの)

HENは1997年にOVAとしてアニメ化もされています。

また奥さんの作品である「GANTZ」、「め〜てるの気持ち」にもゲスト出演されているので是非探してみてください。

関連するキーワード


へん HEN 奥浩哉

関連する投稿


外国映画に描かれた間違った日本

外国映画に描かれた間違った日本

外国映画では間違った日本が多い(憤り)。 と言いたくなるような間違った日本。俺は忍者じゃねぇ。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。