『一本包丁満太郎』とは?
『一本包丁満太郎』
今回の記事では、こちらのOVA版『一本包丁満太郎』の内容を中心に振り返っていきたいと思います。
OVA版『一本包丁満太郎』の本編動画・ストーリー
主人公・風味満太郎は東京下町にある銀平食堂の息子。料理には情熱を持っているものの、父親への反発から実家を継ぐのを嫌がり、ふらふらと遊び回る生活を送っていました。
満太郎は半年ぶりに実家に帰ると、近所にファミレスチェーンが出店しており、銀平食堂はすっかり客を奪われている有り様でした。
味には絶対的な自信を持ちますが、メニューにはカツ丼しかない銀平食堂。それに比べて、豊富な料理のラインナップを誇るファミレス。一般客がどちらを選ぶかは明白な状況といえます。満太郎はそのことを父親に指摘しますが、父親は本当の美味しさを覚えている客はいずれ戻ってくると言い、父親は満太郎の話に聞く耳を持ちません。
ある日、ファミレスチェーンの会長・郷原が客として銀平食堂に来店。しかし、調理担当の父親は出掛けてしまっていて、その場に居合わせた満太郎が調理することに。手際良くカツ丼を仕上げてテーブルに運びますが、郷原は満太郎が調理したカツには口をつけず、父親が炊いた白米だけを食べて帰ってしまいます。
そのことで自尊心を傷つけられた満太郎は、そのことをきっかけにして料理の道で生きていくことを決意します。そして、ファミレスチェーンの調理がどんなものなのかと、近所のファミレスにコックとして就職しようと面接に訪れるのでした…
OVA版『一本包丁満太郎』の魅力とは?
グルメ・料理対決の草分け的な存在
このジャンルで有名な作品といえば、
などのコンテンツが挙げられると思います。
『ミスター味っ子』の連載が始まったのが1986年、『美味しんぼ』の連載が始まったのは1983年のこと。『一本包丁満太郎』の連載は1985年からスタートしていますので、時系列的には『美味しんぼ』が最も早く、次に『一本包丁満太郎』、三番目に『ミスター味っ子』という順序で連載が始まっているのです。
『美味しんぼ』も当初は東西新聞に掲載する”究極のメニュー”作りといったものを全面に押し出し、食を通じて人々の悩みを解決していくといったストーリーでした。海原雄山が登場してバトル展開を見せるようなったのは、その少し後のタイミングになります。
グルメ・料理を題材にしながら、対決というような展開を見せたのは『一本包丁満太郎』が初めてのはず。シチュエーション的には、下町食堂を
舞台にしていることで『ミスター味っ子』と類似する部分もありますが、『一本包丁満太郎』のほうが早いというところにも注目したいですね。連載そのものも『ミスター味っ子』より『一本包丁満太郎』のほうが長く続いていて、知名度では『ミスター味っ子』のほうが上かもしれませんが、『一本包丁満太郎』の面白さは『ミスター味っ子』にも劣らない奥深さがあります。