【天使のたまご】あの宮崎駿監督も酷評?押井守が5年も業界から干された問題作アニメ!

【天使のたまご】あの宮崎駿監督も酷評?押井守が5年も業界から干された問題作アニメ!

独特の世界観で描かれたOVA作品『天使のたまご』。小説やマンガを原作とするものではなく、完全オリジナルのストーリーで制作されたコンテンツです。発売された当時、あまりに先鋭的すぎる内容は、宮崎駿監督や多くの業界関係者に酷評させたといいます。今回の記事では、そんな『天使のたまご』の内容を振り返っていきます。


『天使のたまご』とは?

発売当時は酷評が多かったものの、世間の評価は少しずつ上がり…
というより、世間やユーザーが『天使のたまご』の先進的な内容に追いついてきて、現在では高い評価を獲得しています。DVD版・Blu-ray版も発売され、多くのアニメファンから愛されているコンテンツです。

『天使のたまご』の本編動画・ストーリー

旧約聖書に登場するノアの方舟で、陸地が見つけられず滅んでしまったパラレルワールド。
廃墟の街で大きなたまごを抱きかかえながら暮らす少女は、いつものようにガラスの瓶を集めていました。ある日、無数の戦車が現れると、その中から大きな十字架のような武器を担いだ青年が降りてきます。
こうして出会った二人は、それから一緒に行動するようになりました。少女が大切にしているたまご、その中身を気にするような素振りを見せる青年。しかし、力ずくで取り上げることはせず、優しく青年は少女を見守っていました。
二人が廃墟の街を探索していると、無数の巨大魚の影と、それを追っている大勢の人間の影が現れます。どうやら人間の影たちは巨大魚の影を捕まえようとしているみたいです。しかし、実体がないため、人間たちの影たちは巨大魚の影を取り逃がしてしまい、その後は何事もなかったように廃墟の街は再び平穏を取り戻すのでした…
荒んだ街で同じ時間を過ごすうちに、少女と青年の関係性はどのように変化していくのでしょうか?そして、たまごの中身は?

『天使のたまご』の魅力とは?

押井守さん・天野喜孝さんによる異例のタッグ

二人の天才が中心となって制作に関わり、これまでのアニメの常識を覆すような完成度に仕上げられています。本編の独特の雰囲気は、現在の最新技術をもってしても、なかなか真似できるものではないでしょう。
芸術という観点で見ても、そのクオリティーは相当に高いと思います。

会話がほぼない本編

何も知らないと驚くかもしれませんが、こういった構成には、とことんムダなものを排除した先にある美しさがあるような気がします。一般的なアニメがセリフ中心に音声が構成されているのに対し、『天使のたまご』では水滴や風・物音などの効果音が中心になっているのも斬新さを感じさせるところです。

出演している声優陣もチェック

登場人物が二人なので、出演している声優もお二人。

そんなお二人が主演として『天使のたまご』に抜擢されているという事実は凄いですよね。
しかし、そこにも明確な狙いがあってのキャスティングだったのではないかと思います。有名な声優であれば、その声優さんの特徴的な声質や演技ぶりが個性として本編に反映されてしまうので、あえて未経験のキャストを起用することで、そういった要素が入るのを意図的に抑えたのではないでしょうか。

『天使のたまご』の口コミ・評価

本項では実際に『天使のたまご』を視聴したユーザーの口コミ・評価やレビューをピックアップしてみました。視聴前・視聴後の参考になると思いますので、ぜひそれぞれの評価や感想もチェックしてみてくださいね。

『天使のたまご』のまとめ

映像作りの天才・押井守さん、イラスト作りの天才・天野喜孝さん、お二人の異例の共演が実現した『天使のたまご』。物語の面白さというよりも芸術性を求めたところに、他作品にはない魅力があります。根津甚八さん・兵藤まこさんの奇演ぶりも見逃せないポイントといえるでしょう。
記事内には本編動画も掲載していますので、この機会にぜひご覧になってみてください。視聴するときには、画面・音声にしっかり集中できるよう事前に体制を整えておくことをオススメします。キリスト教や聖書の内容に詳しいユーザーなら、アニメ本編に秘められている様々な謎にも気づけて、さらに楽しめると思いますよ。

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