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本稿をベースに動画を製作しました。知られざる芸能人の苦悩や赤裸々なエピソードをまとめています。下記より、どうぞご覧ください!
長門裕之「洋子へ ー 長門裕之の愛の落書集」
まずご紹介するのは、昭和を代表する俳優・長門裕之が1985年10月に発売した書籍「洋子へ ー 長門裕之の愛の落書集」。これは長門の妻・南田洋子への告白という形を取り、長門へのインタビュー形式でプライベートを赤裸々に語った書籍であり、南田との結婚生活に関する話題の傍ら、自身の奔放な女性関係などが明らかとなりました。

長門裕之「洋子へ ー 長門裕之の愛の落書集」
「洋子へ」の気になる内容ですが、女優・Iを名指しして「僕は彼女の中で激情した」と告白したり、アイドル・Mに対して「歌は聴くに耐えない」などと酷評、女優・Kに対しても「男ぐせの悪い尻軽女」とこれまた酷評するなど、その豪快過ぎる内容がすぐにワイドショーの格好の的となりました。
そして実名を挙げられた女優たちから「事実と異なる」などと抗議が行われた結果、本は回収され、訂正を余儀なくされる事態に。その後、謝罪会見を開いた長門は「本はゴーストライターによる口述筆記だったので真意が伝わらなかった」などと弁明を行いましたが、結局妻の南田とともに全ての出演番組とCMを降板、一時的に謹慎せざるを得ない状況となってしまいました。

≪その後の長門裕之≫
この騒動の後の長門ですが、翌1986年には映画への出演を再開。その後も1995年のNHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」やテレビ朝日系の刑事ドラマ「相棒」シリーズへ出演するなど、大物俳優として活躍しました。またプライベートでは、認知症となった南田の介護に取り組む姿が話題に。そして2009年に南田が死去した2年後の2011年5月、77歳で死去しました。また最近の情報としては、お笑い芸人・宮川大輔と縁戚関係にあることが明らかとなっています。
郷ひろみ「ダディ」
郷ひろみが1998年4月に発売した「ダディ」。これは当時の妻・二谷友里恵との離婚発表と同じタイミングで出版された暴露本であり、「(離婚について)すべては本を見てくれればわかる」と、離婚会見の代わりとして発表されました。

郷ひろみ「ダディ」
1987年6月、東京・新高輪プリンスホテルで結婚披露宴を挙げた二人。その模様は「おめでとう郷ひろみ・二谷友里恵結婚披露宴」としてテレビで生中継され、瞬間最大視聴率58.5%、平均視聴率47.6%を記録するなど日本中がお祭り騒ぎとなりました。その後長女・次女にも恵まれ、1990年3月には、二谷が郷との出会いから現在までを綴った「愛される理由」を発表。同著では、郷のことを自慢の夫として描いていました。

二谷友里恵「愛される理由」
しかし、「愛される理由」から8年後に二人は離婚。「ダディ」では、離婚に至った理由として「僕の数人の女性との浮気」と冒頭で明かしています。しかしその一方で、二谷の恐妻ぶりを伺わせる人物描写や、後に二谷と結婚することとなる「家庭教師のトライ」の創業者・平田修が登場し、親友関係であることが明かされるなど、物議を醸す内容が散見され「離婚の理由は二谷側にもあるのでは?」と、当時のワイドショーが二谷へのバッシングに動くこともありました。

二谷友里恵「楯」
そして「ダディ」騒動が冷めやらぬ2000年11月には、郷が投資家・大根田勝美の娘でアルマーニショップ店員の大根田名美と再婚。その一方で、二谷も同年8月に前述の平田と再婚していました。再婚が重なった結果、再び「ダディ」騒動が蒸し返されそうになった2001年5月、二谷は離婚の真実を告白した「楯」を発表。これは離婚について基本的に沈黙を守っていた二谷が、郷との過去と訣別するために書いた暴露本であり、郷の人間性などについて赤裸々に綴っていました。
≪その後の郷ひろみ≫
「ダディ」騒動以降の郷ですが、1999年にはリッキー・マーティン「Livin' La Vida Loca」をカバーした「GOLDFINGER '99」がスマッシュヒット。しかしながら、同曲のプロモーションで行った渋谷スクランブル交差点でのゲリラライブが道路交通法に抵触し、現場監督者らが書類送検される騒動となりました。また2000年9月には、かつて交際していた松田聖子とのデュエット曲「True Love Story/さよならのKISSを忘れない」を発表。さらに同年11月にエッセイ「若気の至り」を発表し、自身の奔放な人生について等身大で語っています。

郷ひろみ「若気の至り」
また前述の通り2000年11月に再婚を果たしましたが、2005年には再び離婚しています。その間、二谷と娘2人の養育費を巡って訴訟を行うなどの裁判沙汰も。その一方で2012年3月には、元タレントの徳武利奈と3度目の結婚。徳武とは2014年に双子の男児を設けており、2021年現在は公私ともに充実している模様です。
石原真理子「ふぞろいな秘密」
石原真理子が2006年12月に発表した自叙伝「ふぞろいな秘密」。石原は80年代にテレビドラマ「ふぞろいの林檎たち」などで人気を博した清純派女優であり、数多くの芸能人と交際してきたことで有名な人物でもあります。そんな自身の恋愛遍歴を「ふぞろいな秘密」で赤裸々に告白し、当時大きな話題となりました。

石原真理子「ふぞろいな秘密」
「ふぞろいな秘密」では、中井貴一、時任三郎、田原俊彦、玉置浩二、明石家さんま、石黒賢、郷ひろみ、木村一八、吉川晃司の9名が実名で記載され、さらに石原軍団から2名、F1レーサー、そしてイニシャルKという人物も石原の交際相手として登場。その真偽については、当時様々な憶測が巡りました。また同著の発売時に、石原は外国特派員協会において全編英語の記者会見を開催。その英語力を披露するとともに、型にとらわれない・揺るがないその生き方に力強さを感じる人々が続出しました。

映画「ふぞろいな秘密」のフライヤー
「ふぞろいな秘密」ですが、当時書籍としてベストセラーになったほか、翌2007年には石原自身が監督を務める形で映画化もされています。この映画では、石原の芸能界入りから、かつて交際していたとされる玉置浩二(作中では山置洋二)との破局までが描かれていました。
なお、多くの著名人を巻き込んだ「ふぞろいな秘密」ですが、その内容に関しては実名を挙げられた人の多くは否定も肯定もしておらず、また出版社と石原の間でも意見の食い違いが生まれたりと、内容の真偽についてはうやむやとなり現在も明らかとなっていません。
≪その後の石原真理子≫
「ふぞろいな秘密」以後の石原ですが、同著で名前を挙げていた玉置浩二と2009年2月に婚約したものの、アメリカ人の前夫との婚姻関係が解消されていなかったことから婚姻届が受理されず、その後玉置とは破局しました。また同時期に「石原真理」へと芸名を変更しています。その後2017年には、「石原真理子」と元の芸名へと戻す旨を発表しています。
TOSHI「洗脳 地獄の12年からの生還」
2014年7月にX JAPANのボーカリスト・Toshlが発表した「洗脳 地獄の12年からの生還」。これは90年代後半に世間を騒がせた「Toshlの洗脳報道」に関する告白本であり、ホームオブハートの主宰者・MASAYAとToshlの元妻・守谷香により12年にわたるマインドコントロール及び暴力支配が行われ、その間に10億円もの資産を奪われたとする内容でした。

TOSHI「洗脳 地獄の12年からの生還」
かつてはホームオブハートの広告塔として活動をしていたToshl。2010年1月、ToshlはMASAYAとの決別会見を行いました。そして元妻との離婚調停、自己破産を経てホームオブハートと完全に縁を切ることに成功。名前も「TOSHI」から「Toshl」に変更し、心機一転X JAPANのボーカリストとして完全復活することとなりました。

写真集「EARTH IN THE DARK」
≪その後のTOSHI≫
洗脳状態に自ら終止符を打ったToshlですが、その後は洗脳からの解放までを語った「洗脳 地獄の12年からの生還」の発表のほか、テレビ番組や講演会などで洗脳の危険性について啓蒙を行っています。また歌手として歌番組のほか、バラエティ番組でも本気の歌声を披露するなど、大物感を匂わせない気さくな雰囲気で人気者となっています。さらに「花王アタック」や「Y!mobile」などのCMに出演するなど、身近な存在として幅広い世代に知られるようになりました。

2018年頃のToshl
ASKA「700番」
CHAGE and ASKAでの活動で一世を風靡したASKA。2013年頃から彼に対する薬物疑惑がスポーツ新聞等で騒がれ始めました。その際、ASKAは自ら覚せい剤の使用を否定しています。一方、音楽関係者を名乗る暴力団員との金銭トラブルが露呈。さらに事務所に無断でインタビューを受けていた事実などが重なり、活動自粛の処置が取られました。そういった背景から、2013年公開の日中合作映画「101回目のプロポーズ 〜SAY YES〜」日本版主題歌に決定していたCHAGE and ASKAの「SAY YES」が、公開直前に中国語バージョンへと差し替えられるといった騒動も発生しました。

映画「101回目のプロポーズ ~SAY YES~」
その翌年の2014年5月、ASKAは覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕されました。そして2016年1月、自身のブログにて1年強の沈黙を破り約12万字にも及ぶ長文を公開。そこには、薬物事件の経緯に加え、自身の音楽人生や盗聴・盗撮被害についても綴られていました。この長文に、加筆修正を加え2017年3月に発売されたのが「700番 第一巻」です。

ASKA「700番」
「僕のカラダで薬物が生活を始めてしまった」と、薬物に対する悔いと苦悩が記されていた「700番 第一巻」は大ヒットを記録。また「第一巻」より前の2017年2月に発売された、第一巻に相当する長文を公開してから強制入院・退院までを記した「第二巻」と、2016年11月の二度目の逮捕から不起訴になるまでを語った「第三巻」をまとめた「700番 第二巻/第三巻」も同様に話題を呼び、薬物の恐ろしさがASKAの口から赤裸々に語られることとなりました。
≪その後のASKA≫
2017年に活動を再開したASKAですが、以降は楽曲制作のみならず、詩集の発売など多岐にわたる活動を展開。多くのメディアに出演しており、インターネットテレビ・AbemaTVのトークドキュメンタリー「逆指名インタビュー」に、第一回目のゲストとして出演しています。その際のインタビュアーはASKAが逆指名した吉田豪と亀田興毅で、一度は引退も考えていたことや今後の活動のことなどをインタビューに答える形で語っています。

「ASKA 書きおろし詩集」
また、2019年11月には待望のシングル「歌になりたい/Breath of Bless〜すべてのアスリートたちへ」を発売し、翌2020年には「テレ東音楽祭2020秋」に初出演。新曲に加え音楽番組への復帰を果たすなど、歌手として着実に復活を遂げています。

シングル「歌になりたい/Breath of Bless〜すべてのアスリートたちへ」
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まとめ
今回ご紹介した「暴露本」は以上となりますが、これら以外にも、浜崎あゆみの半生を題材にしたノンフィクション小説「M 愛すべき人がいて」、なべおさみ「やくざと芸能と」、河野景子「こころの真実 23年のすべて」、元NEWSの手越祐也によるフォトエッセイ「AVALANCHE〜雪崩」など、特筆すべき書籍は多数存在します。いずれも、著者の本音が赤裸々に語られている名著と呼べる仕上がりとなっており、「華やかな別世界にいる」という芸能人のイメージを、より身近なものにしてくれることでしょう。

河野景子「こころの真実 23年のすべて」