『NORA』とは?
1977年、ビッグコミックオリジナルにて『ノーラの箱船』というタイトルの短編マンガが掲載され、その後も、1978年には月刊マンガ少年に『NORA-硫化海流-』、漫画アクションに『ノーラの流れ星』と、掲載誌を変えながら不定期に発表されている『NORA』シリーズ。
1985年にはOVA化も実現しており、原作者の御厨さと美さん自らが監督を務めています。
OVA版『NORA』
OVA版『Twinkle NORA Rock me』
今回の記事では、こちら2つのOVA版『NORA』の内容を紹介させていただきます。
OVA版『NORA』シリーズの本編動画・ストーリー
OVA版『NORA』 ※第一作目
人類が宇宙進出を果たした遠い未来―――。母なる大地を離れ、多くの人たちは宇宙空間に浮かぶスペースコロニーで生活するようになっていました。
あまりに頻発する機械トラブルに違和感を覚えるザカライアセン博士。その原因を追究するも、コンピュータ分野やメカに長けるザカライアセン博士も特定できないでいました。調査を進めていると、コンピュータと会話しているノーラの姿を見て、ザカライアセン博士は唖然とします。スペースコロニーを管理するスーパーコンピュータが自我をもっており、『アーティフィーンド』なる名前を名乗っていたのです。
最初はイタズラのようだった機械の誤作動は、次第に過激さを増し、住民を抹殺するかのようなレベルになっていきます。
そんな矢先、二人は避難先でザカライアセン博士と肩を並べるコンピュータ分野の権威・ドハティ教授の姿を見付けました。ドハティ教授から事情を聞いたノーラとザカライアセン博士は、三人でスーパーコンピュータ『アーティフィーンド』の暴走を食い止めるため、『アーティフィーンド』のコアがあるコロニー中枢部に向かうのでした…
OVA版『Twinkle NORA Rock me』 ※第二作目
前作の背景・設定から一転し、超能力に目覚めた美少女ノーラは凄腕の賞金稼ぎとして活躍するストーリーです。
酒場でボーイをしていたマックスは、フーチェロの隠れ家を知っている様子でした。最初は報復されるのが怖いと、マックスは口を閉ざしていましたが、ノーラと話しているうちに次第に打ち解けていきます。こうしてマックスの道案内のもと、いよいよノーラはフーチェロの住み家に向かうのでした…
OVA版『NORA』シリーズの魅力とは?
主人公のキャラクターデザインが秀逸
軍服・制服を着た金髪少女というキャラクター設定が斬新なノーラ。この特徴に類似した例を挙げるとするなら、
セイラ・マス /『機動戦士ガンダム』
こちらのキャラクターがいますよね。
同じ年代のコンテンツでありながら、スペースコロニーという世界観でも類似しているOVA版『NORA』と『機動戦士ガンダム』。原作者である御厨さと美さんは、『機動戦士ガンダム』の影響を強く受けていたのかもしれませんね。
しかし、外見でいえば、髪型は違いますし、制服もノーラが着ているものはクラシカルな印象があります。内面においても、冷静でお嬢様口調なセイラ、天真爛漫さを売りとするノーラ、両者を比較してみると明らかに別物であることも伺えます。
ただ、堅い軍服に対しての金髪の組み合わせは、不思議となにか惹きつけられるものがありますよね。
世代は違いますし、コスチュームも異なりますが、こういった類似例も挙げられますよね。
一貫性のないストーリー性
一作目と二作目に繋がりがないと理解するまで、少し時間がかかると思います。このような構成は、視聴者によって好き嫌いが分かれることでしょう。
逆にシリーズを通して一貫されているのはノーラの性格で、天真爛漫さを売りにしているところは変わっていません。あまり固定概念に捕らわれずに制作されており、そういったテイストも原作コミックのニュアンスを受け継いでいます。
故・永井一郎さんのご活躍ぶり
一作目『NORA』では自我をもつスーパーコンピュータ『アーティフィーンド』の声を担当し、二作目『Twinkle NORA Rock me』では魔術師フーチェロを演じているのです。
それぞれの演じ分けという部分で注目しても面白いですが、ここで取り上げたいのは永井一郎さんが悪役をしておられるという部分。永井一郎さんの長いキャリアの中でも、悪役を演じたというケースは希少なので、どのような演技をされているのかという部分もチェックしてみてください。
OVA版『NORA』シリーズのまとめ
主人公ノーラの可愛さや活躍ぶりが魅力的なOVA版『NORA』シリーズ。その声を担当しているのは山本百合子さんで、『北斗の拳』ではヒロイン・ユリア、『聖闘士星矢』では主人公の師・魔鈴、『魔法使いサリー』では主人公サリーも演じたレジェンド級の声優です。
そういったところもOVA版『NORA』シリーズの主人公ノーラの可愛らしさに繋がっているのかもしれませんね。
一貫性のないパラレルワールド的な展開や、永井一郎さんのご活躍ぶりも見逃せないポイントです。現在のアニメと比較すると映像という観点では厳しいかもしれませんが、シナリオ・声優という部分ではそこを補うに充分なものがあります。この機械に、ぜひ記事内に掲載しているOVA版『NORA』シリーズの本編動画をご覧になってみてくださいね。