『ちゅらさん』とは

『ちゅらさん』は2001年度上半期にNHKで放送された全156回の連続テレビ小説(通称:朝ドラ)です。脚本はドラマ『イグアナの娘』や『ビーチボーイズ』など数多くのヒット作を手掛ける岡田惠和さんが担当しました。沖縄県(小浜島)と東京を舞台にヒロインの成長や家族との絆、そして友情など様々な人間模様を描いた群像劇で、朝ドラ史上初のパート4まで制作された心に残る名作です。沖縄ブームの火付け役となったドラマでもあり、番組から「ゴーヤーマン」というマスコットキャラクターも誕生しました。Kiroro(キロロ)が歌う主題歌「Best Friend」も名曲です。
国仲涼子(くになか・りょうこ)

当時まだ新人だった国仲涼子さんは本作でヒロイン古波蔵恵里(こはぐら・えり)を天真爛漫に演じ、大ブレイクしました!これが当たり役となりゴールデン・アロー賞放送新人賞、エランドール賞新人賞を受賞。一躍人気女優の仲間入りを果たします。その後もドラマ『夢のカリフォルニア』や『探偵家族』『ブラックジャックによろしく』『みんな昔は子供だった』『ブラザー☆ビート』『結婚できない男』『ホタルノヒカリ』『風のガーデン』『デート〜恋とはどんなものかしら〜』など数多くの作品に出演。私生活では2014年にドラマ『ハングリー!』で共演した俳優の向井理さんと結婚し、現在二児の母となっています。
堺正章(さかい・まさあき)

頼りないが温かいヒロインの父・古波蔵恵文(こはぐら・けいぶん)を懐深く好演した堺正章さん。2008年にフジテレビで放送されたドラマ『無理な恋愛』では再び『ちゅらさん』の脚本家・岡田惠和さんとタッグを組み、担当した主題歌『忘れもの』は久々にスマッシュヒットを記録しています。また同番組ではグループ・サウンズ時代に同じ「ザ・スパイダース」のメンバーだったムッシュこと、かまやつひろしさんとの嬉しい共演もありました。その他、料理バラエティー『チューボーですよ!』や『新春かくし芸大会』でもお馴染みでしたよね。現在も歌手・俳優・司会業など幅広く活躍し、最新作は大河ドラマ『麒麟がくる』です。
田中好子(たなか・よしこ)

しっかり者のヒロインの母・古波蔵勝子(こはぐら・かつこ)を愛情たっぷりに好演した田中好子さん。家族のシーンではよくツッコミを担当していましたよね。伝説のアイドルグループ「キャンディーズ」のメンバーとして知られ、「スーちゃん」の愛称で親しまれました。「ちゅらさん」シリーズ終了後も数多くの映画やテレビドラマに出演し活躍していましたが、2011年に死去。55歳でした。あまりにも早い突然の別れに日本中が涙しました。
平良とみ(たいら・とみ)

ヒロインの祖母・古波蔵ハナ(こはぐら・はな)を表現豊かに温かく好演した平良とみさん。番組ではナレーションも担当しました。1999年公開の映画『ナビィの恋』でヒロインの祖母ナビィ役を演じて以降「おばぁ」というキャラクターが定着。そして「ちゅらさん」シリーズでヒロイン国仲涼子さんと共に大ブレイクを果たすのです。その後も映画『ホテル・ハイビスカス』や『涙そうそう』『恋しくて』ドラマ『スシ王子!』、BS時代劇 『テンペスト』など2015年に87歳でこの世を去るまで多数の作品に出演し、その唯一無二の存在感で物語に深みをもたらしました。2014年には旭日双光章を受賞しています。
山田孝之(やまだ・たかゆき)

恵里の弟、古波蔵恵達(こはぐら・けいたつ)を等身大の姿で真っすぐに演じた山田孝之さんはその後、ドラマ初主演を務めた『WATER BOYS』をはじめ『世界の中心で、愛をさけぶ』『白夜行』『タイヨウのうた』「闇金ウシジマくん」シリーズ、「闇金ウシジマくん」シリーズ、「勇者ヨシヒコ」シリーズ、『信長協奏曲』、映画『電車男』『手紙』「クローズZERO」シリーズなど数々のヒット作に恵まれた大人気俳優です。近年は俳優業以外にも映画監督やプロデュース業と多方面で活躍中。2019年よりNetflixで全世界190カ国に配信されたドラマ『全裸監督』も話題です!
ゴリ(ガレッジセール)

恵里と恵達の異父兄、古波蔵恵尚(こはぐら けいしょう)を明るくコミカルに演じたお笑いコンビ・ガレッジセールのゴリさん。一家のムードメーカー的な存在で、劇中ではマスコット人形「ゴーヤーマン」の生みの親でもありましたよね。相方の川田広樹さんも恵尚の間の悪い幼馴染・島袋正一(しまぶくろ・しょういち)役で出演しました。その後もドラマ『鬼嫁日記』やコントバラエティー『ワンナイR&R』から誕生した人気キャラクター・ゴリエに扮し、CDデビューやファッション誌の表紙、紅白歌合戦出場など多方面で活躍。近年は映画監督としてもその才能を開花させています。
小橋賢児(こはし・けんじ)
恵里の初恋相手でのちに夫となる上村文也(うえむら・ふみや)を爽やかに演じた小橋さんは、その後も映画やドラマなど多方面で活躍していましたが、2007年に8才でデビューして以来第一線で活躍してきた芸能活動を休止し一時アメリカへ。世界最大級の音楽イベント『ULTRA』を日本に上陸させた牽引役の1人としても知られ、現在は職業という枠にとらわれないクリエイティブな活動を行なっている模様です。
余貴美子(よ・きみこ)
恵里と同じ「一風館」で暮らす住人であり、何かと姉のように面倒を見る池端容子(いけはた・ようこ)を豪快に演じた余さんは、その後もドラマ『ヤンキー母校に帰る』や『いま、会いにゆきます』『白夜行』「家政夫のミタゾノ」シリーズ、映画『ホテル・ハイビスカス』『おくりびと』『ディア・ドクター』『あなたへ』『武士の献立』など数多くの作品に出演する名バイプレーヤーです。2019年には「紫綬褒章」を受賞しました。
菅野美穂(かんの・みほ)
「一風館」の住人でメルヘン小説家の城ノ内真理亜(じょうのうち・まりあ)を繊細に演じた菅野さん。毒舌で皮肉屋だけど、本当は誰よりも人想いな真理亜さんにキュンとした人も多かったことでしょう。いつも恵里や容子さんに振り回されている姿は笑えましたよね。『イグアナの娘』ですでに知名度が高かった彼女。その後もドラマ『愛し君へ』や『ギルティ 悪魔と契約した女』『結婚しない』『砂の塔〜知りすぎた隣人』『ひよっこ』など様々な作品で活躍する人気女優です。私生活では2013年に映画『大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』で共演した俳優の堺雅人さんと結婚し、現在二児の母となっています。
村田雄浩(むらた・たけひろ)
「一風館」の住人で典型的ないい人、柴田幸造(しばた・こうぞう)を個性豊かに演じた村田さん。その後も2時間ドラマをはじめ映画や舞台など幅広く活躍する実力派俳優です。近年はドラマ「渡る世間は鬼ばかり」シリーズに出演し、五月(泉ピン子)夫婦の長女・愛の夫、田口誠役でもお馴染みですよね。
佐藤藍子(さとう・あいこ)
恵里の看護婦の先輩でのちに恵尚の妻となる佐々木奈々子(ささき・ななこ)を演じ、そのコメディエンヌっぷりを再び発揮した佐藤さん。1996年の大ヒットドラマ『イタズラなKiss』で演じた相原琴子役に次ぐはまり役となりました。その後もジャンルを問わず様々な作品に出演し、またフジテレビで放送中のドキュメンタリーバラエティ『奇跡体験!アンビリバボー』の初代スタジオMCとしてもお馴染みです。
藤木勇人(ふじき・はやと)
沖縄から上京してきた恵里の最初のアルバイト先であり、次第に「一風館」住人のたまり場となっていく沖縄料理屋「ゆがふ」の店長、兼城昌秀(かねしろ・まさひで)を好演した藤木さん。
最新作は沖縄が誇る喜劇の女王、仲田幸子さんが初めて主演する映画『なんくるないさぁ 劇場版~生きてるかぎり死なないさぁ~』です!
まとめ
放送終了後もそれぞれの道で活躍している出演者たち。私たちはきっと忘れないでしょう、あの時『ちゅらさん』が教えてくれた大切な何かを!