『おいら女蛮』とは?
可愛い女子生徒とイチャイチャしたり、学園に巣食う不良たちとの対決をお色気たっぷりに描いていて、ある意味、永井豪さんとダイナミックプロらしいといえる作品です。
そして、ご自身や他作家のコンテンツのパロディといった要素もふんだんに盛り込んでいるのも大きな特徴といえるでしょう。原作コミックでは、本編の舞台となっている女尊学園は『キューティーハニー』に登場する国際犯罪結社『パンサークロー』に属する組織という設定も明かされています。
今回の記事では、原作コミックを忠実に映像化したOVA版『おいら女蛮』を中心にご紹介させていただきます。
OVA版『おいら女蛮』のあらすじ
学校では喧嘩騒ぎを起こしてばかり、その度に転校を繰り返している男性中学生・女蛮子。またしても学校に居られなくなるほどの騒動を起こしてしまい、新たに女尊学園に転入するはめになりました。しかし、名前のせいで女子生徒と間違われて手続きが進んでしまい、セーラー服で登校しなければならない事態になってしまいます。
どうせすぐに転校することになるだろうと開き直った女蛮子は、そのまま女子生徒の姿のままで学園生活を送ることにしました。波乱に満ちた女装姿の男子中学生・女蛮子の学園生活はこうして幕を開けるのでした…
OVA版『おいら女蛮』の本編動画
OVA版『おいら女蛮』の魅力とは?
1980年代の古き良きギャグテイスト
手違いでセーラー服を用意されてしまい、仕方なく、それを着て登校するといったノリが昭和時代のギャグテイストだと感じさせます。何事にも寛容だった当時の時代背景においても、現実にはないであろうという奇想天外なシチュエーションを描いていて、ツッコミ要素が満載なところが『おいら女蛮』の魅力なのだといえるでしょう。
現実離れした世界観は、どことなく『天才バカボン』『おそ松くん』『ひみつのアッコちゃん』といった赤塚不二夫さんの作品に見られるテイストに近い気がします。
主人公は意外と健全な男の子
セーラー服を着て、女装姿のままで学園生活を過ごす主人公・女蛮子。名前・外見の印象とは違い、中身は至って健全で男の子らしいキャラクターだという点も、奇想天外な世界観に拍車をかけていると思います。
女蛮子が女子生徒にちょっかいを出していても、女子同士のコミュニケーションの延長といった構図になっていて、やりたい放題の女蛮子の行動が羨ましくなってきますね。
そして、別の捉え方をするなら、女子のような名前・外見の主人公なのに、中身は男の子そのままだというキャラクター性は、それぞれの印象のギャップによる面白さを演出しているのではないでしょうか。
少年向けレベルのちょいエロ要素
永井豪さんとダイナミックプロの組み合せといえば、エロい要素は欠かせないポイント。『マジンガーZ』『デビルマン』といった硬派なコンテンツも有名ですが、『ハレンチ学園』『キューティーハニー』『けっこう仮面』というようにエロ要素を盛り込んだコンテンツを思い浮かべるミドルエッジ世代も多いはずです。
コンテンツごとにエロ要素の強弱は随分と違いますが、OVA版『おいら女蛮』のエロ要素は控えめで、あくまで少年誌向けといった内容となっており、下ネタを嫌うユーザー層であっても受け入れられる範疇といえるでしょう。
『おいら女蛮』の関連コンテンツ
原作コミックからOVAというかたちで映像化を実現した『おいら女蛮』。その後、オリジナルビデオや劇場公開作品として、2つの実写版が制作されていますので、こちらについても紹介していきたいと思います。
『おいら女蛮 決戦!パンス党』
内容&あらすじ
『おいら女蛮』
内容&あらすじ
OAV版『おいら女蛮』まとめ
原作コミックはエロい要素の強いコンテンツですが、OAV版『おいら女蛮』は物語の序盤のみを映像化しているので、ちょいエロといった範疇に抑えられています。
実写化された2つの作品はエロ要素が強めで、そういった意味では原作コミックのテイストを色濃く反映したものといえるのかもしれません。原作コミックを含め、『おいら女蛮』のユニークな世界観を楽したいのなら、OVA版はエロ要素が控えめで、間口の広いコンテンツといえるでしょう。
一般的にはあまり知られていない永井豪さんとダイナミックプロによる作品『おいら女蛮』。隠れた名作といえるコンテンツなので、この機会にぜひご覧になってみてくださいね。