【はじめの一歩】熱かった数々の試合を振り返る!木村達也VS間柴了

【はじめの一歩】熱かった数々の試合を振り返る!木村達也VS間柴了

人気コミックで現在も連載中の「はじめの一歩」。ミドルエッジ読者の中にも連載当初からのファンは多いのではないでしょうか。今回は、多くの試合でも特に人気が高い木村達也と間柴了が対決した日本タイトルマッチに注目して、その展開や試合内容を振り返っていきます。


『はじめの一歩』とは?

はじめの一歩

木村達也VS間柴了

はじめの一歩の中でも脇役の立ち位置となる木村達也にスポットが当たり、この時ばかりは主人公となって、木村を中心に物語が展開されていくストーリー。
対戦相手の間柴了は、かつて一歩と新人王戦で対戦した経験があり、その試合では辛うじて一歩が勝利したものの苦戦を強いられたボクサーです。一歩との試合後、間柴は減量苦のために階級を上げており、ひとつ上のジュニアライト級で日本チャンピオンとして君臨する存在です。
確かな実力に加えて凶暴な性格のイメージが強く、ランキング上位の相手が次々に挑戦を尻込みするなか、ランキング上位のベテランでありながらも、これまでチャンスに恵まれなかった木村に日本タイトルの挑戦権が回ってきたのでした。

木村達也の意気込み

ようやく回ってきた日本タイトルに挑戦するチャンスではありますが、対戦相手の間柴了は確かな実力に加え、凶暴な性格で知られる恐るべきチャンピオン。その怪物・間柴から日本タイトルを奪うべく、かつてないほどの練習量と訓練を重ねて試合に臨むのでした。

宮田への弟子入り

間柴との対戦経験があり、間柴の得意技であるフリッカージャブを完璧に防いでいた宮田に頭を下げて弟子入りするのでした。弟子入りして練習を重ねるうちに、同じアウトボクサー型である間柴に勝つには、それ以上の実力を身につけることが必要ということに気づいて、ファイタースタイルに変更して戦うための練習をしていきます。

ドラゴンフィッシュブロー

木村には必殺技と呼べるパンチはなく、対戦相手にしてみれば怖さを感じることがないと宮田に指摘されます。そのことで悩んでいると、飼っている熱帯魚がエサを食べるため、水面から驚くほどの高さにジャンプする光景からヒントを得て、必殺ブローの開発に着手するのでした。

間柴了の強さ

間柴は一歩との敗戦をバネにして、さらに強くなり、ついには日本タイトルを獲得するまでに至ります。そして、世界チャンピオンとなって、妹の久美が、世界一の兄貴だと自慢できる存在になることを夢にしています。

減量苦からの開放

身長が高い間柴は、階級を上げて無理な減量苦から開放されたことで、パンチは力強くなり、試合終盤でスタミナ切れも起こさなくなりました。一歩や宮田と対戦したときから、驚異的な強さを誇っていましたが、木村との試合では確実にそれ以上の強さを発揮することでしょう。

2つの得意なパンチ

ひとつはフリッカージャブで、間柴の長い腕を活かした攻撃。肘を曲げて振り子のように左右に揺れる独特のヒットマンスタイルから生まれるジャブは、軌道がしなるような曲線を描くため、見切りづらく、さらには手首のスナップを利かせるように打つことでジャブとは思えない殺傷能力を備えるものです。
ふたつ目はチョッピングライトと呼ばれるもので、打ち下ろすように放たれる右の主砲となります。こちらも身長の高い間柴の体型を活かした攻撃で、体重が拳に乗ることで絶大な破壊力を生むのです。

木村VS間柴の試合展開

一歩と千堂の試合のキャッチフレーズは「ララパルーザ」で、地鳴りがするほどのパンチの応酬という意味をもつ言葉でした。木村と間柴の試合でも「死刑執行」というキャッチフレーズが付けられ、死神の異名をもつ間柴に木村が処刑されることをイメージしたものとなっています。

死刑執行か逆転無罪か

1ラウンド終了のゴングと共に交わされた二人の言葉が印象的です。

間柴
「3分か…よく粘ったじゃねぇか。」

木村
「たったの3分なんて屁でもねぇよ。なんたって、こちとら5年も粘ってきたんだ。」

ボロボロの木村

これまで木村はひたすらボディーブローにこだわり、顔面への攻撃はしていませんでした。間柴は、木村はしつこくボディーブローを仕掛けてきて、体力を奪う作戦を立てていると考えていました。しかし、これも木村の知略で、必殺のドラゴンフィッシュブローを打ち込むための下準備を進めていたのです。
第8ラウンド、木村の思惑通りに間柴の意識はボディーの防御にいって、顔面のガードが疎かになっていきました。全ての準備が整ったところで、ついに木村はドラゴンフィッシュブローを打ち込み、その拳は顔面を捉えて間柴からダウンを奪うのでした。
しかし、間柴はギリギリで意識をつなぎとめていて、ダウンから立ち上がり、試合は継続されます。間柴はもらったパンチの感触から、上からのパンチをもらったことは理解していたため、顔面のガードを固めます。しかし、木村は再びしつこくボディー攻撃をすることで、間柴の意識をボディーに向けようとします。
ボディーを叩かれ続けた間柴は、堪らず顔面のガードを下げてしまい、その隙を見逃さなかった木村は二度目のドラゴンフィッシュブローを間柴に叩き込むのでした。
しかし、間柴はチャンピオンの体裁を捨て、木村の体にしがみついてダウンを拒否します。

クライマックス

木村は深刻なダメージを受けてダウン。セコンドはタオルを投げて試合を止めようとしますが、驚くことに木村は再び立ち上がって試合は継続されるのでした。
木村が立ち上がったことで間柴はパニック状態になり、「こいつは何度倒しても立ち上がってくる…息の根を止めないかぎりは向かってくる」と一直線に木村に向かっていきます。
向かってくる間柴に対して、木村もパンチを出そうとしますが、レフリーが間柴を静止して試合を止めるのでした。どうしてレフリーが試合を止めるのか、その瞬間は誰も理解できませんでしたが、木村は出したパンチを打ち切ることなく意識を失っていたのです。
こうして試合は木村の負けというかたちで幕を下ろし、試合後にパンチを打ち切っていたら当たっていたであろう3cmの根性が足りなかったことを悔やむのでした。

木村達也VS間柴了 戦のまとめ

試合冒頭はテクニカル・知略という要素の印象が強かったですが、そういった引き出しが全て開放された後にはお互いの気持ちの激しいぶつかり合いが描かれていて、強烈に心に響くものがあります。
この試合では「思わず涙した」という口コミも多く、本編に惹きつけられるような魅力をもっています。ぜひこの機会に原作コミックやアニメ版を見て、胸に熱くこみ上げてくるものを感じてくださいね。

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