こんにちは、たかなし亜妖です。
今回は1996年の青春映画「トレインスポッティング」をご紹介致します。
カテゴリーが「青春映画」なんですけど、青春というか何というか……爽やかな感じの“青春感”は面白いくらいありません。
間違った方向へ走った若者たちの奔走を描いた、胸が痛い作品です。
こう書くと鑑賞に躊躇する人も多そうですが、確かに【閲覧注意】の注意をはらいたい映画だとワタクシは思っています。笑
なぜ閲覧注意なのか?肝心のストーリーは?それも含めてお話していきますね~!
トレインスポッティング

まずは簡単なあらすじから
主人公のレントンはヘロイン中毒、ヘロ中です。いきなりパンチある紹介文ですね。
毎日毎日おクスリ中毒で、仲間とヘロインを注入する日々。まるで廃人のような生活を送っている若者です。
ですがある時、ふと我に返り「おクスリをやめるんだー!」と一念発起。

実は何度も辞める辞める詐欺をしているようで、プッシャーは呆れ返っていますが本人は中毒の脱出計画に必死。
早速準備を始めます。
ですが早速おクスリが欲しくなってしまい(この間、実に数分)またもプッシャーに声を掛けてしまうのです。簡単に中毒からは抜け出せませんね、
しかもプッシャーはヘロインではなく、アヘンの座薬しか持っていないとのこと。仕方なく彼から薬を購入し、早速座薬を入れてしまうのでした。
座薬を入れた後に腹痛に襲われ、トイレへ駆け込むレントン。トイレが汚すぎて、観ているだけて気絶しそう……。詳しい画像は下に貼りますね。
まだコラムが始まったばかりなので、いきなりあの画像を載せるのはショッキングすぎる。

ヘロイン絶ちは続いていますが、なんせ彼らは働いていません。不況のスコットランドでは仕事がないのです。面接へ行っても失態を犯し、あっさりと落ちました。
味気ない生活が続く中、ある日クラブへ。すると美しい女性・ダイアンと知り合いあっさりと一夜を共にします。
ちなみにダイアン、大人っぽいけどまだ女子高生です。完全に犯罪。
もう会わないと突っぱねるレントンですが、「じゃあ通報していい?」と小悪魔に返され……なんやかんや、関係は続いてしまいそうです。
でも枯渇した彼にとって、彼女の登場は目新しいものとなったでしょう。
じゃあそのまま生活もうまくいっちゃうか?と思うと、それは違うようで……。
仲間が彼女にフられ、悲しさ・寂しさを埋めるがごとくおクスリを再開してしまいます。
今までヘロインを吸っていなかった友人・トミーでさえ手を出し、あっという間に中毒者へ元通り。
レントン、そして仲間たちはいつまでもこのままなのでしょうか……?
下品・汚い・暗いの3コンボ
作品の見どころは、薬物に手を染めるレントンはどうなってしまうのか?という部分。
辞めては戻るをトコトン繰り返し、何度も視聴者を裏切ってきます。辞めたと思ったのに、またやっちゃうのか……という絶望を私達に与えてくれるので切ないです。
ヘロインに溺れる若者たち、廃人同然ですから全く綺麗には描かれていません。当たり前かもしれないけど( ;∀;)
言動も非常に下品で、昼間言ったら二度見されるようなフレーズがバンバン飛び出します。

彼らの自堕落さや虚ろな目が“絶望”を物語っていて、これ以外に縋るものがない虚無感が物語全体に溶け出ているんですよね。
ただ廃人だからと言って、血も涙もないというわけではなく。人道から外れている部分もあれば、赤ん坊を失くして涙を流したりと人間な一面もありつつ。
「ああ、彼らも人間なんだな」と思わせてくれるんです。
役者さんの演技にも大感動です。特にレントン演じるユアン・マクレガー氏(最近だとドクタースリープ、プーと大人になった僕に出てます)の、薬物がキマった時とそうでない時のお芝居がスゴイ。
「この人やったことあるのでは?」と疑ってしまうくらいのリアルさです。
情景描写もホント汚くて、トイレのシーンとか本気で血の気が引きますよ。

初見の時、全体が汚物だなって感想を抱きました。

こんな汚いトイレ、ある……( ;∀;)?
お尻から出たアヘン座薬を探すために便器に手を突っ込むシーンとか、普通じゃない。トイレの汚さと異常な行動、Wパンチで精神的にキました。
作品のイメージカラーは勝手な想像ですけど、薄茶色・黄土色な感じ、青空が似合わない作品ですね。
超がつくほどのエグいシーンもないし、エロシーンもまぁ普通なんですけど、じっくりと精神を追い詰めてくるので【閲覧注意】なのです。
観ていると生理的嫌悪感が掻き立てられるので、観ててゾワゾワします。別の意味でトラウマになる人もいるんじゃないのかな。
理解しがたい薬物中毒
とにかく辞める辞める詐欺なので、何度も何度もヘロインに手を出してしまいます。
悲しい・虚しいことがあれば全ておクスリで解決。しかしそんなレントンですが、友人のスパッドの刑務所行きを目の当たりにして、またもヘロイン絶ちをするんですよね。
そしてきちんと仕事を始め、ここから彼の顔つきがガラリと変わっていくんです。
仲間がエイズ発症や罪を犯す中、しっかりと働いて大人になっていくレントン。

周りとどんどん差がついて、彼自身も友人達の存在に疑問を抱き始めます。
まぁここまで行っても再び、視聴者を裏切ってくれるのですが。
やはり薬物中毒に陥ることや仲間達との縁が断ち切れない、断れない部分が心の弱さを露呈していましたね。
相変わらず馬鹿やってる友人ズが部屋に居座り始めた時、「何で追い出さないんだろう」という気持ちしか湧かなかった。笑
おクスリをやっていない私達には理解が難しい部分もありますが、必死にもがき、苦しむ若者たちを見てやるせない気持ちになるはず。
そして薬物はやめられないんだ、という恐ろしさを再認識させてくれます。
トレインスポッティングは続編があり、2ではキャストがそのまま、彼らのその後が描かれています。
1だけだとやや中途半端なポジションで終わっていたダイアンも、大人になって再登場。シリーズで通して観るのがおすすめです。
やや精神的にダメージを与えてくれる映画ですが、ラストの安心感はたまらないものがありますね。観て損は絶対にしない、そんな作品だと思います。

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マーク・レントンと彼の仲間はヘロイン中毒。ケンカが趣味のベグビー。気のいい小心者スパッド。女たらしのシック・ボーイ。そしてセックスもドラッグもOKの女子中学生ダイアン。窃盗、詐欺、万引きを繰り返し逮捕されたレントンは更生を決意。ロンドンへ出て就職する。だが強盗で手配されたベグビーとシック・ボーイが押しかけてきて会社はクビ。地元へ戻れば、待ち受けていたのはヤク漬けのまま死んだ友人の葬式だった。圧倒的な絶望感の中、レントンと仲間たちは人生を変える賭けに出る。売人から大量の麻薬を仕入れ、ロンドンでさばけば大儲けだ。大金と新しい人生。彼らはそれを手に入れる事ができるのか?(C)Channel Four Television Corporation MCMXCVC