結成~メジャーデビューまで
AMBIENCE は1990年ボーカルの倉田順一を中心に、ギターの遠藤修平、ベースの池谷徳成、ドラム兼リーダーの本郷隼人の4人で結成されました。
ボーカルの倉田順一はジャニーズ Jr.出身で、88年当時ジャニー喜多川に対する告発運動を展開していた元フォーリーブスの北公次の下で同じジャニーズ Jr.脱退組と共に「新・フォーリーブス(のちに新・光 GENJI、さらにSHADOW)」を結成したという経歴を持っています。 (元ジャニーズ Jr.による SHADOW に関してはこれまた 1 本記事が書けそうなので割合します…悪しからず苦笑)
しかしその後倉田とドラム兼リーダーの本郷がまさかの脱退。残ったメンバー(ギターとベース)は新しく北川浩(ボーカル)と篠根晃彦(ドラム)を加入させました。
こうして北川(ボーカル)、遠藤(ギター)、池谷(ベース)、篠根(ドラム)というメジャーデビュー時のラインナップが揃いました。
メジャーデビュー曲「最後の約束 -See you again-」
この曲はフジテレビの水曜劇場のドラマ「もう涙は見せない」(ゴクミこと後藤久美子主演)の主題歌としてタイアップ。ドラマ自体の人気もあって売り上げ枚数は約27万枚、オリコン最高位で10位内に入るなど大ヒットしました。

1993年11月3日、シングル「最後の約束 -See you again-」でメジャーデビュー。
物寂しいイントロから始まりいきなりサビに突入する美しいバラード…
あれ?
この曲のサビ、どこかで聞いたことありませんか? そう、サザンオールスターズの「TSUNAMI」のサビにそっくりなんです!
検証してみますと「TSUNAMI」は 2000年1月26日発売、「最後の約束」の発売は前述の通り1993年11月3日。サザンよりもAMBIENCEの方が7年先にリリースしていますね。
これは偶然の一致なのか、どっちも元ネタがあってそれが同じ曲だったのか、それともサザンが後輩のバンドの曲をパクってしまったのか。そんなイメージは持ちづらいですね。ただ、真相は闇の中です…。 (TSUNAMI がヒットしていた当時、 AMBIENCE のメンバーも少し遺憾の意を示していたという話もあるとかないとか…)
さて、「最後の約束」リリースから約 1 ヶ月後、ファーストアルバム「AMBIENCE」をリリースしました。

:AMBIENCE のファーストアルバム。(セルフタイトル)
次の項目では同アルバム収録曲「RISING」について語ります。
文字通り視聴者に SHOCK を与えた X-MEN 主題歌「RISING」
1994 年 4 月、テレビ東京系列にて放映された「X-MEN」アニメ版にてオープニング・テーマ、エンディング・テーマを担当。 ここでオープニングに前述した「RISING」が採用されるワケですが…
テレ東木曜6時半台(前期の放映時間帯)のアニメからゴリゴリのパワーメタル風の曲調と「X( 現 X・JAPAN)かよ!」とツッコミたくなるような歌詞。 アニメを見ていたお茶の間の子供達、そして当時のアメコミマニアに衝撃、いや文字通りの「SHOOOCK!!!!」を与えました。
この衝撃的なイントロのリフはイングヴェイ・マルムスティーンの「Rising Force」が元ネタと思われるのですが、実際に聴き比べるととても似ている印象を受けます。タイトルはそのままで大丈夫なのか?と少し気になるほどです。
この元ネタを隠さない姿勢、サビらしいサビが無い平坦な曲展開などからみても分かるように元々お遊びで作った曲で本来はアルバムに収録するつもりはなかったそうです。(実際アルバムはバラード・ロックが中心でこの曲だけ浮いている印象があります。)
それにしても何故「X-MEN」がこの曲とタイアップしたのでしょうか?
これは私の持論なのですが、「最初は X 繋がりで X(JAPAN)に主題歌を依頼していた」
↓
「諸事情でお流れになってしまった」
↓
「X みたいな曲(要はメタルっぽい曲ですね)を探したら、AMBIENCEのRISINGに白羽の矢が立った」なのではないかと推理しています。
しかしまあ…イングウェイをパクった人達もまさか数年後には自分がパクられる側になるとは思わなかったでしょう…(苦笑)
ちなみにED や後期OPも担当していますが、こちらは普通のポップ・ハードロックになっています。
解散してから現在
その後 AMBIENCE は自然消滅のような形で解散、唯一のアルバムCDも廃盤になってしまいました。しかし 2012年10月、itunesやAmazon Musicなどインターネットによるダウンロード配信によって再発。
近年は定期的に再結成して過去の曲や新曲を披露したり、メンバー公認のアカウントから当時の PV や最近のライブ映像などが配信されています。
前述の通り現在はダウンロード配信による販売がありますので気になる方は是非聴いてみてください。