今年は夏よりも秋の方がホラー・スリラー映画が多いような気がします。たかなし亜妖です。
この季節外れのホラー、たまりませんね。以前紹介したシャイニングの続編「ドクター・スリープ」も来月末に公開!楽しみでなりません~。
ビックリ系よりもじわじわくる方が好きなので、嬉しいもんですね。ただここだけの話、実は和モノが超苦手なんですわ。
じわじわ感は好きなんだけど、和製ホラーの恨み&つらみ&呪いがたっぷり詰まった執念深さが苦手。呪怨のとしおくんとか未だに怖いんですよね。
なのでこのコラムで、和製ホラーが紹介されることは多分ほっとんど無いでしょう。2X歳なんですけど、未だに貞子でチビっちゃいますから。プリーズ、パンパース!
少女椿
検索しちゃいけないワードらしい

今回は漫画「少女椿」を紹介致します。
検索してはいけない言葉に入っているらしいのだけど、そんなに大騒ぎするようなエグさはないと思います。でもあくまでね、ワタクシ個人の意見ですからね。
ホラー・スリラー・オカルトマニアの言うことなんで素直に信じない方がいいかもしれません。
1983年に発表された作品ですが、時代設定は昭和13年のためかなり古め。ちなみにまたガロ系ですいませんね。またガロ系かよって自分でも思いましたよ、ええ。
未成年の少女がアレやコレされちゃったり、グロも少々、とにかく社会的にアレな描写が多いため、読む人を選びます。
超アングラ系なのですが、世界観に美しささえ感じさせられるのが不思議なポイント。決して胸がすっきりするような話ではありませんが、丸尾末広先生の世界を存分に味わえる、そんな作品です。
ちなみに丸尾末広先生と聞いてん?と思ったあなた!
ちびまる子ちゃんのパクリではありません。むしろさくらももこ先生が丸尾先生の名前を頂戴しているのですよ~。しかしエログロ系作家さんから名前を頂戴するとは、さくらももこ先生もすごいですな……。
少女みどりちゃん、おりぼんが似合う女の子

貧しい家庭に生まれた少女・みどり。病弱な母親と暮らしており、生活費を稼ぐために毎晩花売りをしていました。
すると仕事中、「困った時はいつでも私を訪ねておいで」というおじさんに出会うのです。おじさんは余った花をみどりから全て買い、「早く家へ帰りなさい」と帰宅を促します。
花が売れたみどりは帰宅後、今度の遠足へ行けるかもしれないと喜んでいます。しかし母は、この時点ですでに亡くなっていたのです。
実に悲惨な姿なのですが、ネズミに性器を喰い破られた状態で……。
(漫画改訂版では上記のくだりは収録されていないのでご注意を!)
行く当てもなくなったみどりは、あの夜出会ったおじさんに教えて貰った場所を訪ねたのでした。
すると、そこは見世物小屋・赤猫座。
奇妙奇天烈・摩訶不思議な面々に嫌味ったらしく迎え入れられ、あのおじさんが見世物小屋の主人であることを知ります。
そしてあれよあれよという間に、下働きとしてコキ使われるハメに……。
まだうら若き乙女には痛い仕打ち、メンバーからこれでもかというくらいいじめられてしまいます。
見世物小屋に慣れず、嫌悪感を示すみどり。

とりあえず吐瀉物はモザイクかけました。改訂版でも吐瀉物は改訂されていないようです。
寒い中洗濯板で洗い物をするみどりちゃん。儚げな姿にすこしホロリ。

……するかと思いきや。
とある日のお昼ご飯はうどん。しかし散々働いたみどりちゃんの分はありません。「お前の分はないよ」ときつーく言われる始末。
ただされるがまま、言われるがままの少女かな?と不安になるのですが……

結構強いですな。これだけ言われたらあげざるを得ません。確かにイヤな子だ。
ただか弱いだけではない少女、それがみどりちゃんです。魅力的な主人公(?)かも。
しかし彼女の悲劇はそれだけでは終わりません。

腕のない男、鞭棄(むちすて)も日夜みどりちゃんをイジメるメンバーの一人。突如寝込みを襲い、処女を奪ってしまうのです。
毛糸のパンツというフレーズは有名……じゃなくて、深刻なシーンなのに毛糸のパンツでちょっと和やかな感じになっちゃってます。普通に大問題なシーンなんですけどねぇ……。
彼女の前に現れる、王子様
そんなある日、赤猫座に新メンバーが加入します。

ボトルに入った体を〜

ひねり出す!!!
名前はワンダー正光という芸人さん。手品を得意とする。小人症の不思議な人物です。
今まで赤猫座は全く繁盛しておらず、赤字が続いていたのですが、彼の登場により観客も次第に集まるようになりました。
そして何より、ワンダー正光はみどりちゃんをいじめたりしません。とても優しい男性であり、二人は互いに惹かれていきます。

この図も現代だと問題がありそうですが……でもほら、純愛だし……。
ワンダー正光が舞台に上がり、みどりちゃんも助手を務め、一座の売り上げは好調。どんどん赤猫座での立場を確立していくのですが


だんだん彼女も横暴になってきているような。元々強い子ですからね。それにしても「うちの人」って……。少女ですが、すっかりベテランの嫁さん気分です。
いじめる周りももちろん悪いのですが、みどりもみどりだなって部分、結構あるんですよ。これが。
愛する人もできて、一座での立場も確立、ずっとずっとどん底だった彼女に、やっと日の光が差し始めたのです。
ですが、なんだか雲行きの怪しいカットが一枚。

そう、鞭棄がみどりちゃんに迫っているのです。彼はずっと、彼女に恋心を抱いていたのだとか。今までいじめていたのも、素直になれなかったためということでしょうか。
しかしワンダー正光は黙っていません。この眼差しの意味するものとは……?
タブー満載のアングラ劇
知っていても、なかなか手に取る勇気がなかった人もいるでしょう。
改訂版の漫画に、そこまで過激な描写はありません。かなり表現・描写が抑えられているため、「なんだ、こんなもんか?」と拍子抜けしてしまう人も多いはず。
ですが過去のアニメ版・初代漫画版はかなりの恐ろしさ!規制がかかったのも頷けるほどのエログロワールドです。
漫画版は現在入手困難ですが、過去のアニメ版はインターネット上で閲覧することができます。ぜひ、少女椿ワールドを楽しみたい方はそちらをご覧くださいね!