雅夢とは

雅夢は中川敏一さんと三浦和人さんのフォークデュオであり、中川敏一さんは吉田拓郎さんの「結婚しようよ」、三浦和人さんはかぐや姫の「神田川」を聴いて、フォークソングにのめり込んでいったそうです。
中京大学在学中、同じ名古屋市のライブハウスで歌うようになり、お二人はデュオを組む様になりました。この時からオリジナル曲しかやらないと決めていたとか。
ちなみに雅夢という名前は三浦和人さんの行きつけの喫茶店の名前だそうです。
僅か4年という短い活動期間ではありましたが、「愛はかげろう」という名曲を残しています。
今回はこの曲を中心に振り返ってみたいと思います。
ヒット曲「愛はかげろう」

1980年5月に開催された「第19回ヤマハポピュラーソングコンテスト」のつま恋本選会で優秀曲賞を受賞したこの曲は、1981年に入ってから、オリコンチャート週間3位まで上昇、61.9万枚を売上げ、1981年度の年間ランキングは13位となりました。
三浦和人さんはインタビューでこの曲について聞かれた際、「男言葉では力強い歌詞になってしまうために、あえて女言葉で女々しい表現にした」「神様に音楽家としてのチャンスをもらえた曲」「サビが出来たとき、ヒットする手応えがあった」と答えています。
「愛はかげろう」の歌詞

作詞・作曲した三浦和人さんが「失恋の痛みから抜け出すために書いた曲」という様に、全体的に想いを寄せている人に対して歌っているのが判ります。別れのタイミングで想う人の心情がとても美しく表現されていると思います。
"別れはいつも 背中合わせに 人の心を ゆらして"
サビの最後のこの部分が素晴らしいなぁと思いました。
美しい詩がメロディーにのって違和感なく身体に浸透する様な感覚がありました。
編曲:青木望
東京都出身の青木望さんは、少年時代から音楽に親しんでおり、ヴァイオリンを得意としていたそうです。
学生時代に知人に誘われてバンド活動を始めた青木望さんは、プロになるため学校を退学します。
プロになってからは主に編曲を手掛けており、フォークソング系の作品やアニメーションや特撮ドラマの主題歌などの編曲作品も多いのが特徴です。
雅夢 その他の曲
雅夢と聞くとどうしても「愛はかげろう」を思い浮かべてしまいますが、それ以外にも名曲を残しています。
さっそく確認してみましょう。
悲しくて

1981年2月にリリースされたこの曲は、雅夢のセカンドシングルでした。
還らぬ人となった想い人を独り暮らしの寒い部屋で凍えながら回想している情景が名に浮かびます。
曲の仕上がりも素晴らしく、個人的には「愛はかげろう」にも劣らぬ名曲だと思いました。
季節が秋から冬に移り変わる頃に聴きたい名曲です。
秋時雨

1981年10月にリリースされたこの曲は、雅夢の4枚目のシングルです。
昔好きだった人をふと思い出して涙を流すという歌詞は感傷的にも受けとれますが、人の心模様が上手に表現されており、大変共感出来る内容でした。
それにしても、曲の構成が素晴らしいと思います。
上手に曲を作るなぁと思いました。
雅夢を聴き直してみて
雅夢を聴き直してみていかがだったでしょうか?
「愛はかげろう」は確かに名曲なのですが、その他の曲も素晴らしいなぁと思いました。
とにかくサビが大変上手だなぁという印象です。
全体的に美しい作りとなっており、80年代のフォークを彩った名曲を残していると思います。
僅か4年という活動期間ではありましたが、素晴らしい作品が多かったですね。
これを機に、また80年代のフォークを聴き直してみるのも良いかもしれません。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。