テーマは「火」!?ー『人類創世』
 
  	旧石器時代を舞台に、「火」を作り出す手段を持たない種族の青年たちが、失われた「火」探索の旅に出る物語です。1981年にジャン=ジャック・アノー監督によってフランス、カナダ合作で製作されました。 上映時間は100分で、アカデミーメイクアップ賞を受賞しました。
CM制作から監督業へ
監督には、デビュー作『ブラック・アンド・ホワイト・イン・カラー』でアカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞したフランス・ジュヴィシー=シュル=オルジュ出身のジャン=ジャック・アノー(Jean-Jacques Annaud、1943年10月1日生)が務めました。
その後、1986年にショーン・コネリー主演のミステリー「薔薇の名前」の成功によりメジャー監督としての地位を築き上げました。
 
  	後の世にそれぞれ大成していくキャスト達
美少女という言葉通りに偽りなし!!
人喰い人種カザム族に食糧として捕えられていて、その後に主人公たちと一緒に「火」探索の旅に出るイバカ族の美少女アイカ役をカナダ・アルバータ州エドモントン出身のレイ・ドーン・チョン(Rae Dawn Chong 1961年2月28日生)が演じています。
後に1985年、	アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「コマンドー」にも出演していました。
 
  	まさにこの映画にふさわしい?? 存在大なこの男が熱演!!
原始の人類ウラム族で、生き残りの三人の若者のうち、アムーカ役を後の2004年「ヘルボーイ」で有名なアメリカ・ニューヨーク州出身で俳優、声優のロン・パールマン(Ron Perlman, 本名: Ronald Francis Perlman, 1950年4月13日生)が演じています。
その風貌と190cmほどもある長身で、どの映画に出ても強烈な印象を残しています。
 
  	印象的な役柄をこなしてきたクールガイ
同じく、原始の人類ウラム族で生き残りの若者のうち、ナオ役にはアメリカ・フロリダ州マイアミビーチ出身で俳優のエヴェレット・マッギル(Everett McGill 1945年10月21日生)が演じています。
1986年にはクリント・イーストウッド主演・監督の戦争映画『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』において、グレナダ侵攻における少佐の役を演じました。
 
  	今でいうバイプレーヤー的な存在
同じく、原始の人類ウラム族で生き残りの若者のうち、ゴウ役にはトルコ・イスタンブール出身でイラク系アメリカ人俳優のナミール・エル・カディ(Nameer El-Kadi.:後のニコラス・カディ,Nicholas Kadi, 1952年9月22日生)が演じました。
後に1990年、チャーリー・シーン主演の「ネイビーシールズ」にも参加していました。
人類と火の結びつき
有史以前のお話です。
原始の人類ウラム族の人々はまだ火の利用方法を知らず、火は穴の奥に保存される神聖な宝として扱われていました。
そして誰もその火には近づく事ができずにいました。
彼らは、ある日、知能は未熟ですが肉体的には優れているネアンデルタール人の一群の攻撃を受け、仲間の殆どが打ちのめされてしまいます。
そして彼らは火をも失ってしまいます。
生き残りのうち、三人の若者ゴウ(ナミール・エル・カディ)、アムーカ(ロン・パールマン)、それにナオ(エヴァレット・マクギル)は火を求める旅に出たのです。
 
  	荒野を歩き続ける三人は、ある時、丘の上に煙が立ちのぼるのを発見しました。
それは人喰い人種カザム族が火を使った跡で、中には骨や肉が散乱していました。
近くにカザム族のキャンプを見つけた彼らは、一計を案じて見事火種を手に入れました。
混乱の最中に、食糧として捕えられていた美少女アイカ(レイ・ドーン・チョン)を助け、計四人は元の居住地へと向かいます。
 
  	しかし、途中で火種は消えてしまい、再び火を求めて旅に出る四人です。
途中ナオとアイカが愛し合うようになります。
そしてアイカの属する部族イバカ族と知り合い、彼らから弓の持ち方、さらには火の作り方を学ぶのです。
やっと彼らがウラム族の洞窟に戻ってきますが、その直後、せっかくの火種が水の中に落ちてしまいました……。
果たしてどうなるのでしょうか?
 
  	ディスコブームにあやかりニュートン・ファミリーの主題歌が付加
日本公開版の冒頭には前説的アニメーション、ハンガリーの有名なポップバンドグループ・ニュートン・ファミリーの主題歌が付加されていました。
ニュートン・ファミリーとは
ニュートン・ファミリー(Neoton Família、英語表記Newton Family)は、1977年から1990年にかけて活躍したハンガリーの有名なポップバンドグループです。
当時のメンバーの一部はその後も本国ハンガリーで音楽活動を続け、メンバー構成は当時とは若干異なりますが、2005年にはNeoton Família Sztárjaiという名前で再結成されました。
基本的には1965年から活動しているNEOTONというバンドに女性コーラスグループなどが加わり、ニュートン・ファミリーとしての活動期間中は何回かのメンバーチェンジを繰り返しながら総勢7~10名で活動していました。
日本での人気
日本でも1970年代後半のディスコブームに乗り、1980年発売のアルバム「サンタ・マリア」や「ドン・キホーテ」などが大ヒットしましたが、ハンガリーと日本や韓国以外ではそれほど知名度は高くありませんでした。
また、1983年の第14回世界歌謡祭では、『Time Goes By』(愛のゆくえ)がグランプリ賞に輝きました。
なお、1981年に制作された「Sound Of Summer」は1982年4月から1992年3月までの10年間に渡りKTVワイドニュースのオープニングテーマとしても使われていました。
おわりに
この映画を通じて、私達はいかに日頃から文明の力を利用しているかを伺い知る事ができました。
そして人類と火との関係は切っても切れないものがあると分かりました。
また、ここに出てくるキャスト達及び監督はこの映画の後、それぞれ有名になっていきます。
まだ初々しい演技をしておりますが、個々人が「火」とすれば、それが集まって「炎」のように華やかに演出されているように感じました。
 
  	 
     
    




