SF界の巨頭、アイザック・アシモフとは??
原作者のアイザック・アシモフ(1920年1月2日-1992年4月6日)は、アメリカの作家、生化学者(ボストン大学教授)です。
彼が扱うテーマは科学、言語、歴史、聖書など多岐にわたり、デューイ十進分類法の10ある主要カテゴリのうち9つに該当し、その著作は500冊以上を数えます。
その中でも、特にSF、一般向け科学解説書、推理小説によってよく知られています。
アシモフのロボット三原則!!
有名なロボット工学三原則が示され、アシモフの初期のロボット物SF短編をまとめた『われはロボット』で、アシモフはロボットSFの第一人者としての地位を確立することになります。
ロボットが従うべきとして示された原則であり、ロボット三原則とも言われています。
アシモフの小説に登場するロボットは常にこの原則に従おうとしますが、各原則の優先順位や解釈によって一見不合理な行動をとり、その謎解きが作品の主題となっています。
なお、本原則は後の作品に影響を与えたのに加え、単なるSFの小道具にとどまらず現実のロボット工学にも影響を与えました。
〔第1条〕
ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。(人間への安全性)
〔第2条〕
ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。ただし、与えられた命令が、第1条に反する場合は、この限りでない。(命令への服従)
〔第3条〕
ロボットは、前掲第1条および第2条に反する恐れのない限り、自己を守らなければならない。(自己防衛)
『われはロボット』より
名キャストが揃い踏み
大胆でハイテンションな、『ロビン・ウィリアムズ』が登場
1998年『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』でアカデミー助演男優賞を授与されたアメリカ・イリノイ州出身の俳優、コメディアンのロビン・ウィリアムズ(Robin Williams, 1951年7月21日 - 2014年8月11日)が、人間になることを夢見て奔走するロボットの姿を熱演しています。
2014年8月11日にカリフォルニア州の自宅にて63歳で縊死しました。
検視の結果、「自殺」と断定されました。
関係者によると、ウィリアムズは数か月に渡ってうつ状態にあり、アルコール依存症専門のリハビリセンターに入院したこともあったといいます。
冒険ものには欠かせない名優登場
家事全般ロボットのアンドリューを人間として扱い、アンドリューの創造性をいち早く見抜いた理解力ある主人のリチャード・マーティン役を1993年『ジュラシック・パーク』出演の北アイルランド生まれ、ニュージーランドの映画俳優、サム・ニール(Sam Neill、本名: Nigel John Dermot Neill, DCNZM, OBE、1947年9月14日生)が演じました。
人間とアンドロイド、その狭間に生きる主人公!!
近未来、妻と2人の娘を家族に持つリチャード・マーティンは、ノーザム・ロボティックス社製の人型家事ロボット「NDR114」を購入しました。
NDR114がマーティン家へとやって来た日、次女アマンダが「アンドロイド」を「アンドリュー」と聞き違えたことから、NDR114はアンドリューと命名され歓迎されます。
しかしアンドリューに反感を持つ長女グレースが、2階の窓から飛び降りるように命令します。
アンドリューは素直に飛び降りて半壊しながら、大丈夫と応えます。リチャードはアンドリューを人間として扱うことを家族に約束させます。
アンドリューの思わぬ才能
ある日、アマンダとグレースと共に浜辺を散歩していたアンドリューは、誤ってアマンダの宝物である小さなガラスの馬を落として壊してしまい、アマンダから絶交を言い渡されました。
アンドリューは、浜辺の流木から小さな木彫りの馬を作ってアマンダにプレゼントし、彼女の許しを得ます。
リチャードはその馬を見てアンドリューの創造性にますます興味を覚え、技術や人間、ジョークについて教え学ばせます。
月日は流れ、リチャードは老い、アンドリューに密かに想いを寄せていたアマンダも成長し、結婚しました。
アンドリューは表情を作れるようにアップグレードを受け、アマンダの結婚を祝いましたが、ロボット然とした外見には変わりがありません。
やがて、リチャードが死の床につき、最後の別れを交わしたアンドリューは、自分と同じNDR型ロボットを探す旅に出ます。
長い放浪の旅の末に…
数十年の放浪の末、アンドリューは遂に女性型NDRのガラテアと、その主人でアンドロイドの研究者ルパート・バーンズと出会います。
バーンズはアンドロイドに人間のような外見をさせるための研究をしていましたが、その研究はロボット業界から見向きもされませんでした。
アンドリューは研究資金と、実験台としての自身の体や人工臓器の設計アイデアをバーンズに提供し、人間そっくりのボディを手に入れます。
マーティン家に帰還した彼は、かつてのアマンダそっくりの孫娘ポーシャと年老いたアマンダに出会います。
やがてアマンダの死に目に会い、孤独になったアンドリューはポーシャとの対話を求めます。
アンドリューはポーシャの不信と反感を解かし、やがて2人は愛し合うようになりますが、人類法廷は2人の結婚を法的に認めてはくれませんでした。
老いる事は良いのか悪いのか??
さらに月日は流れポーシャは老いましたが、お互いに愛する者が側にいる穏やかな生活を送っていました。
一方、バーンズはアンドリューのおかげもあって成功し、今やロボットのみならず人間の体でも使える人工臓器の分野における第一人者となっていました。
アンドリューは「なぜ自分が人間でないのか」と改めて人類法廷に問いますが、法廷はアンドリューの問いや訴えを否定しました。
「死」は人間の最終行動なのか!?
長い人生に疲れていたポーシャは、長寿をもたらす遺伝子活性剤を飲むのを止めて自らの死を決意します。
そんな中、アンドリューは「人間」として認められるために不死でなくなることを決意し、バーンズの協力を得て自分の体に人間の血液を輸血しました。
血液の影響で老化の進んだ外観となったアンドリューは、人類法廷に出廷し「あなたのどこが人間なのか」という反問に、自分の胸を指して「ここです」と答えました。
判決の下る日、アンドリューとポーシャはベッドに横になってテレビ画面を見ながら判決を待ちました。
人類法廷がアンドリューを「史上初めて200年生きたことが確かな人間である」と認めた時、アンドリューは活動を永遠に停止しました。
ポーシャは傍らに看護婦として付き添っていた、人間の姿を得たガラテアに、自分の生命維持装置を停止するように求めました。
ガラテアは頼みに従い生命維持装置のスイッチを切り、「偉大なアンドリューならきっとこう言ったでしょう。『お役に立てて、光栄です』」とアンドリューへ抱いていた自らの尊敬の思いを込めて語りました。
ポーシャはアンドリューの手をとり、死を迎えるのでした。
200年かけた問い…
アンドリューは200年かけて「人間とは何か」を見つけました。それは人間そっくりの形や機能を持ことではなく、限られた時間の中で生きるということです。
主題歌「ゼン・ユー・ルック・アット・ミー」は世界の歌姫が担当
カナダ人女性歌手のディオンの音楽は、ロックやR&Bからゴスペルやクラシックに至るまでの様々なジャンルに影響を受けてきました。
歌の言語については、過去にスペイン語、イタリア語、ドイツ語、ラテン語、日本語、中国語で歌ったことがありますが、それ以外はもっぱらフランス語と英語を日常的に使用しています。
彼女が曲を発売するたび、その圧倒的な声量と技術的に卓越した歌唱力が主に評価される対象となっています。
「FALLING INTO YOU」で最優秀アルバム賞、「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン(タイタニック愛のテーマ)」で最優秀レコード賞など計5回のグラミー賞を受賞しています。
ロボット作品といいますと、他にも『ターミネーター』や『アイ'ロボット』などCGを駆使し派手なものもあります。
しかし、低予算で制作されており、どこか古臭く人間チックなヒューマニズムに富んでいる作品として、お薦めの一本だと思います。