ゴリラーマンとは
週刊ヤングマガジンで1988年から連載されていた大ヒット漫画ゴリラーマン。
作者のハロルド作石さんはこの漫画で第14回講談社漫画賞一般部門を受賞しています。

ゴリラーマンと呼ばれる池戸定治を中心に、不良仲間である藤本や中島などとの日常を描いており、ギャグのセンスが抜群だった漫画です。一方で、不良学生の暗く乾いた内面も絶妙に表現されており、当時学生だった我々に、強くインパクトを与えた作品でもありました。
ストーリー
白武(しらたけ)高校に転校してきた池戸定治は、不良グループと仲良くなり、藤本らからゴリラーマンと呼ばれる様になります。
物語の前半は白武高校の不良達を中心に日常を描かれた内容で、後半では他校との抗争がメインとなってきます。
人気があったのは前半と言われていますが、後半もかなり面白い内容になっていました。
前半
この作品は特に前半と後半が別れていたわけではないのですが、あえて別けるとすると前半は不良たちの日常を描いていたと思います。
謎の男ゴリラーマンを中心に描かれたその日常は大人と子供の狭間である高校生の不安定な状況を絶妙に描写しており、笑いありシリアスな場面ありと、大変楽しめる内容でした。
後半
後半になると生徒会が始まりました。
ここでもゴリラーマンを中心とした学生生活が描かれていましたが、なかなか気骨のある校長先生や新たなるヒロインも現れて、物語に変化が生まれます。
そして、堂上商業高校との抗争が進むにつれて、ゴリラーマンの謎が解き明かされていきます。
上手にゴリラーマンという作品が締めくくられていました。
登場人物

池戸定治
タイトルにもなった主人公のゴリラーマン。
白武高校に転校生として入学してきた時に、藤本からゴリラーマンと命名されたのがきっかけで藤本達と仲良くなっていきます。
しかし、この物語の特徴である【ゴリラーマンはしゃべらない】という設定から、終始無言でいますが、喧嘩は誰よりも強く、頼りになる男でした。
恐れられている反面、仲間たちからは愛されているキャラでしたね(^^)/
藤本修二
見方を変えるとこの作品の主人公的な立場だった藤本。
まぐれとはいえ一度ゴリラーマンに勝っているし、堂上商業高校との抗争の時に起こったタイマンでも活躍していたので、喧嘩は強かったと思います。
ゴリラーマンの強さに嫉妬し、認めない姿勢を最後まで貫いていましたが、ゴリラーマンの一番の理解者だった様に思います。
藤瀬
藤本のライバル的存在ではあるものの、実際は藤本より強かったと思われる藤瀬。
後半でなかなか出てこなかったので、少し残念ではありましたが、堂上商業高校との抗争ではしっかりと活躍してくれたので、大変嬉しかったです。
尚、藤瀬の弟も強かったですよね。また、藤瀬の弟の同級生であるミヤーンもキャラとしては好きでした(^^)/
片桐純哉
最強最悪の堂上商業高校を束ねる男で、恐怖政治の様なものをひいていた片桐。
ゴリラーマンとのタイマンでは、その強さを遺憾なく発揮しました。
池戸道場の黒帯であり、まさに最後のラスボス的な存在だったと思います。
2人のヒロイン
北村香織

この作品のメインヒロインだった香織ちゃんは、工藤静香さんがモデルでした。
まさにヒロインといった存在で、ゴリラーマンの理解者であった香織ちゃん。
作中の描写をみていると、明らかにゴリラーマンに好意を抱いているのがわかります。
途中、生徒会の話になった頃には、少し影が薄くなりましたが、やはり最後は香織ちゃんだなぁと思える締めくくりでした。
松田あおい
ゴリラーマンが生徒会長になった時の副会長で、香織ちゃんとは性格の違うタイプでした。
明るくて活発で積極的で、ゴリラーマンのサポートを賢明しており、実質あおいちゃんが生徒会長の役割を果たしていたと思われます。
ちなみに、この作品以降のハロルド先生の作品では、あおいちゃんがベースとなったと思われるヒロインが多く登場します。
未収録のはなし
実は単行本に収録されなかった回が存在しています。
どういう経緯で収録しなかったのかは判りませんが、その回では藤本のお母さんが自殺をしたという内容でした。
ゴリラーマンの作風で、少し重かった内容なので収録されなかったのかもしれません。
ゴリラーマンを読み返してみて
皆様はゴリラーマンを読みましたか?
ハロルド作石先生の若者の心理描写を絶妙に捉えてるあたりは、まさに名作と言って良いのではないかと思います。
青春時代にこの作品に熱中された方も、もう一度読み直してみてはいかがでしょうか?
きっと懐かしい思い出も同時に蘇ってくると思いますよ(^^)/