川原由美子さんといえば!


ですね!
今回クローズ・アップしたい作品はこちら!
ばいばいストロベリーデイズ

吟遊詩人の街

高校生からのお付き合いしてるカップルの哲(さとる)と琴(こと)。
哲は夢を追いかけ、フュージョンのギタリストへ。琴も哲を追いかけて上京するが……。
同棲生活に、つきものは経済ですね(´;ω;`)
夢だけでは食っていけない。
琴だって、“あたしは哲クンの音楽が好きなんだもン!有名になんかならなくたっていいのよ”と昔は言えたはずなのに、ちゃんとした定職についてほしいというのが乙女心。
マネージャーさんから売れているバンドの誘いを断ったということを聞き、
その上、生活も盤石とはいえないのに仲間に飲み代をおごってしまったという。
更に火を注ぐのが男のばかなところで。
「来月からアメリカ行くから…」
というセリフに思わず家を出ちゃう琴。いや一発、も殴ってもいいと思う( ノД`)
とぼとぼ夜道をさまよった後で家に帰る琴の元に彼の本音を聞いて……。
このケースは今後どうなるかわからないですが、ひたむきに初心を忘れずに思いを大事にだいじに培ってほしいなと応援したくなる内容でした。
まぁとりあえず哲くんはもっと琴ちゃんと話し合おうね!
ミッドナイトモーション

こちらもバンド漫画。レコード会社の社長令嬢をひっかけてコネをつくろうとするところから物語は始まります。逆に主人公のマコトは令嬢のミミが憧れていた辻井の気をひくためにダシに使われます。
ダシに使われた事に気づいた生真面目なマコトは怒りますが、
「ふざけてないわ あたし真面目だったのよ あたし真面目よ ばかばかばかあ」
と泣かれてしまい……。わけを聞くと
「妬いてほしくてあなた(マコト)のこと恋人よっていってみたり……」
と内なる本音を聞いたのちそれがきっかけでなにとなしにミミはマコトのバンドにたびたび出入りするようになります。
マコトはミミの明るく無邪気な人柄に惹かれていきますが、そんな時にミミの想い人・辻井が現れます。話してみると、なんと辻井もミミを想っていることが発覚し、両思いなのだと知ったマコトは――。
「優勝したらキスしてくれる?」
とミミの反応を見て決断したマコトは漢気を見せます。
“おとなになったあの子がまぶしくて 心をかくしたばかな男さ”
“だからさあ意地をはるのはもうおやめ ほんとのきみをぶつけてごらん”
“ぼくはピエロでいいさ”
「ほんとは君たち両思いなのさ」とメッセージを載せて歌いきる。
かっくいいですね……!(*´Д`)
オータムプリンセス

秋の文化祭に向けてそれぞれ“おばけ屋敷”や“劇・シンデレラ”の準備真っ最中!
演劇部を訪れる度のヒロイン・実紀(みのり)と恭弘(やすひろ)のやりとりに少し淋しげな表情を見せる友人の園美(そのみ)。園美のかわいさを見比べ、女らしくないことに実紀はコンプレックスを感じる。園美の恭弘に対する想いを気づいてしまった実紀は、そして気づいた自分の想いを打ち消しつつ、恭弘を園美に譲る決心をし、それを知った園美の行動は…。
なぜだか知らんですが好きな人ができると、女らしくなりたくなる乙女心。
筆者にもありました。ありました。でもたぶんそんな健気に可愛いように映るのは少女漫画だけだと思う。うん。(※えっ)
そのもやもやもやが苦しくも辛く切なくもあった、そんな感情は懐かしいですね。しみじみ。
ばいばいストロベリー

比都美(ひとみ)は同性の憧れの幼馴染、杳子(ようこ)ちゃんが好き。
もう一人の腐れ縁の男子高生の学(まなぶ)と共に賑やかな毎日を送っているが。
今日も杳子ちゃんからのラブレターに対してジェラシーする比都美ちゃんは可愛いこと可愛い。
(*´ω`*)
「だめっ許さないっあたしに杳子ちゃんに横恋慕するなんてっ」
筆者にも身の覚えがあるんですが、非常にうざかった。笑
彼氏ができるともやもやしたり、他の友達と仲良くしているところを見ているともやもやもやしたり、秘密の打ち明け話を他の友達から聞いたときは怒髪天をついたりなんかしてましたね。もうこれは友だちとか親友とかいうより、ただの恋焦がれてる男そのもののような。笑
誰彼も、ちょっとは身に覚えがあるんではないんでしょうか。友だちに対してふしぎな感情を持つ、羨望や嫉視。仲良くしたいんだけど、それらが混ざって複雑で居心地の悪い思いをするその感情。あれはいったい何だったんでしょう。
“比都美 杳子ちゃんより好きな人なんてほしくないよ……!”
はもうなんなんでしょうね。切ない気持ちになると同時に、「あー懐かしいなぁ!」って思ってしまう。人の気持ちは移ろいやすいもの。変わらないものなんてないもの。
でもけっこう“変わる”ことも楽しいんだよね。小さな頃から健気に“好き”を杳子ちゃんに変わらずに伝え続ける比都美ちゃんはほんっとかわいい。
終わりに…

この作品集たちは、けっこう郷愁をこもった内容となっています。
ほんとに読んでて、「あー懐かしいぃぃ」ってこんなことあんなこと感じていたね。
といろいろいろな“未知な感情”がそれはもう痛くてしんどかったけれど、
過ぎ去ってしまえばすべて美しい珠玉を放っていたんだな、と思わせてくれる作品です。
読んだ後は「いい思い出だったなぁ」と爽快を呼び起こしてくれます!ぜったいに。