きんぴか
最初に登場したのは1992年のこと。以下、改題などをしつつ三部作が1冊になったりメディアミックスされたりしている。

きんぴか
きんぴか | 浅田 次郎 |本 | 通販 | Amazon
ピスケン、軍曹、ヒデさん。一見ワルだが、根は硬派の3人が世の不正を糺す、悪漢小説。かつてノベルズ版として刊行された3冊のシリーズを合本し、さらにチューン・アップを施したノーカット完全収録版。
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浅田次郎と言えば〝人情話で泣かせる人〟というのがよく聞く評価なのだが、一方で〝アウトローを描く人〟という一面もある。
元自衛隊という浅田の経歴を考慮すると、この題材は妥当と言えるのか否か、なかなか考えさせられるモチーフである。
プリズンホテル
《夏》《秋》《冬》《春》からなる四部作。

プリズンホテル 1 夏
プリズンホテル 1 夏 (集英社文庫) | 浅田 次郎 |本 | 通販 | Amazon
プリズンホテル 1 夏 (集英社文庫) | 浅田 次郎 |本 | 通販 | Amazon
「作家の値うち」に紹介されている浅田次郎作品のなかで最も高い点数をとっているのが「プリズンホテル」である。
文章の良さとはなんだろうか?
芸術性があり、既存の文章の美学を破壊していれば良いというものでもないだろう。
言語、文章は伝わってなんぼである、とする界隈も存在している。
ただ、あまりにも全てがわかりやすく伝わってしまう、解説書のような文章を小説に求めているかと言われると、そういうわけでもない気がする。
地下鉄に乗って
1995年、第16回吉川英治文学新人賞受賞作品。

地下鉄に乗って
地下鉄に乗って (講談社文庫) | 浅田 次郎 |本 | 通販 | Amazon
地下鉄に乗って (講談社文庫) | 浅田 次郎 |本 | 通販 | Amazon
タイムスリップというとSF漫画やアニメの十八番のように思えるが、実は小説の世界でもちらほらと見かける。
その場合、《なぜ、どのようにタイムスリップしたのか》《誰のせいでタイムスリップしたのか》よりも《タイムスリップしたことによって何を見たか/体験したか》のほうが重視される印象がある。
作品のなかに謎があったとしても、解決せずに作品を成立させられることができるのは、小説の醍醐味のひとつであろう。
もっともその場合、謎とその解決以上の魅力が用意されてないといけないのだが、もちろん浅田次郎はそのあたりを得意とする作家のひとりであろう。

地下鉄に乗って
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鉄道員
「ぽっぽや」とルビがふってある。
第16回日本冒険小説協会大賞特別賞、第117回直木三十五賞受賞作品。

鉄道員
鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫) | 浅田 次郎 |本 | 通販 | Amazon
娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた―。心を揺さぶる“やさしい奇蹟"の物語…表題作はじめ、「ラブ・レター」「角筈にて」など8編収録。第117回直木賞受賞作。
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大人気ロングセラー作品なので何パターンかの文庫本が出ている。よって収録作品数が6本だったり8本だったりブレがある。
さて福田和也「作家の値打ち」は結構な辛口本である。
ずばずば言っているので引用は避けたが、まとめると「よくできた作品群だが、同じ仕掛けが多用されている。どうかと思う」というようなことが書かれている。
むずかしい問題であると思う。
世間は浅田次郎という作家に何を求めているのか?
浅田次郎は世間に対してどうアプローチしようとしているのか?
そしてこれらの関係は成功しているのか、失敗しているのか。
そういう繊細な問題を孕んでいる。
それを踏まえた上で福田和也はあえて辛口的な評をしていると思うのだが、浅田次郎がより技巧的に、より過激になっていったらそれはもう浅田次郎ではなくなってしまうのではないか。
それが良いことなのか悪いことなのかもまたむずかしい問題であると思っている。