概要
『モンスターファーム』パッケージ
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育成するモンスターはプレイヤーの手持ちのCDやDVDなどから再生させることで入手が可能となります。これは当時としてはかなり斬新なシステムでした。
ゲームディスクを市販の様々な種類のCDと入れ替え、読み込んだデータを下にモンスターを誕生させる、プレイステーションのディスク入れ替え機能を活かした新機軸のシステムで人気を呼んだモンスター育成・対戦ゲームの第1作です。
当時、友達の家に育成したモンスターを持ち寄って対戦させる、などという事がよく行われました。初代が発売してから10年以上経過しているにも関わらず、未だに根強い人気を誇っている名作です。
あらすじ
古代、人はモンスターと共に平和に暮らしていた。
しかし、モンスターの強大な力を悪用した人間同士で戦争が勃発し、多くの命が失われてしまった。神はこれを嘆き、モンスターを封印し、人と関わらせないようにした。
人々は平和を取り戻し、大陸の地形が変わるほどの時が過ぎた。
現代。
古代の遺跡を発掘していると、ごく稀に「円盤石」が見つかる事がある。この円盤石こそ神がモンスターの封印に使った媒体である。
円盤石の封を解く技術は既に確立されており、人は取り出したモンスターの力を借りながら、かつてのように共に暮らすようになった。そうするうちに、いつのころからかモンスター同士を戦わせる競技が誕生した。「モンスターバトル」である。
この娯楽は人々を熱狂させ、大会のためにモンスターを鍛える人、通称「ブリーダー」と呼ばれる人たちも現れだした。モンスターバトルは大陸中に広まり、ブリーダーを目指す者もあれよあれよという間に増えていき、ついにはこの世界で一番人気の娯楽・職業にまでなっていった。
そして今。円盤石を手にブリーダーとして歩みだそうとする者がいた・・・
ゲームの流れ
本当はシステムやその他も紹介したかったのですが、長くなるので流れだけ
プレイヤーはまずモンスターを入手しなければなりません。前述のように音楽CDなどからモンスターを誕生させるのが基本となります。ただし一部のモンスターは一定の条件をクリアするまでディスクから取り出すことができません。ほかにもモンスター市場で無料でモンスターをもらうこともでき(ただし市場で入手できるのはディノ、ライガー、スエゾーという3種類モンスターだけ)、すでに育てたモンスター同士を合体させて新しいモンスターをつくり出すこともできます。
モンスターを入手したらモンスターを連れてファームに行き、そこで仕事や修行をして能力値を上げ、モンスターを育てていきます。仕事や修行をさせ続けているとモンスターに疲労やストレスが蓄積されていくのでときどき休養させることも必要です。
モンスターの寿命は限られているので(通常は4年程度)、普通に育成していれば全ての能力値を最大まで上げることはできません。そこで、どの能力を優先的に伸ばしてやるかを計画しながら育成しなければなりません。
四大大会制覇がこのゲームの一応の目的ですが、1体のモンスターで四大大会の全てを制覇する必要はなく、例えば4体のモンスターで1大会ずつを制してもエンディングとなります。
プレイ動画
特徴と評価点
『モンスターファーム』パッケージ裏
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本作最大の特徴「円盤石再生」システム
これは、プレステにCD等(PSのゲームだけでなく、音楽CD、セガサターンやPCエンジンのソフト、パソコン雑誌の付属ディスクなどCD-ROM規格ディスクなら広く読み込めます。)を読み込ませ、その情報からモンスターを再生させるというものでした。もちろんCD毎に生まれるモンスターや能力値は違います。
また、合体で生み出せず、特定のCDからしか出てこない「レアモン」と呼ばれるものも存在します。このゲームにも所謂「ポケモン図鑑」のようなものがあり、図鑑を完成させてもメリットは特にありませんが、やりこみ要素としてはかなりのボリュームでした。
ちなみに続編の2で本作のディスクを再生するとレアモンが誕生します。しかもわかる人ならニヤリとくるネタモンスターです。
モンスターがとても個性的
ゴーレム、ピクシー、ナーガ、ドラゴンなどの他のゲームでも聞いたことがあるぐらいメジャーなものから、恐竜のディノ、動物型モンスターのライガー(名前に反して狼型)、植物型モンスターのプラント等はともかく、黄色い体に大きな目玉としっぽが1本というこのゲームの看板モンスターである「スエゾー」を筆頭に……
パッと見可愛らしいウサギだが、硬派なマーシャルアーツの達人「ハム」
見た目からは想像できないバランスの取れた戦闘力、羽化イベント等様々な要素で優遇されたイモムシの「ワーム」
太陽の塔のような仮面とマント(と時折出る白い本体)だけの「ガリ」
ただの黒い板(と度々浮き上がる顔らしきもの)だけの「モノリス」
その上記2体の謎を解くと登場する隠しモンスターなのにパッと見バスケ選手にしか見えない人型モンスターの「マジン」
アイテム集めに謎解き等、再生条件は厳しいもののそれに見合う実力と見た目のインパクトを持つ変形ギミック持ち古代ロボの「ヘンガー」
テクモの別ゲームキャラが元ネタの「ラクガキ」
継ぎ目などが嫌な意味でリアルな猫のぬいぐるみがそのまま動きだしたようなモンスターの「ニャー」
どう見ても円盤石そのものだが、本体は中のトカゲの「ディスク」
やったことがない人は一見「なんだこれ」と思うようなモンスター達ですが、仕草に愛嬌があり、育てていくうちになんだか愛着がわいてきます、そういう不思議な魅力がありました。イモムシだってかわいいものです。
王道モンスター代表のゴーレムですら、今シリーズでは象徴的な攻撃技がでこぴん。当時のテクモスタッフのセンスを感じられますね。
モンスターといっしょに探検
このゲームで対戦以外の大きなイベントとしては、探検が挙げられます。これはモンスターと一緒に未開の地へ行き、その遺跡を探索していろいろなアイテムを手に入れるというものです。
隠しモンスターの出現条件になっているため、全モンスターを育てるには必須の作業です。そうでなくても、探検限定のアイテムがあったりお金稼ぎに使えたりと何かとお世話になります。
修行と同じくらいの疲労がたまるので、探検の前の週は休養を忘れずに。
余談ですが、探検に誘ってくれるおじいさんは実はとっても凄い人。
クリア難易度は適度なバランス
育成するモンスターが一体目や二体目ではクリアは厳しいですが、それを合体させて次世代のモンスターにして育てて行けば着実に能力は上がるため、ゲームが上手くない人でもクリアできるはずです。
それなりにゲームを進めると「トロカチンEX」というパラメーターを劇的に成長させるアイテムがショップで販売されるため、これを利用すればクリア難易度は大きく下がります。
ピクシー種はしっかり揺れる
何がって?これテクモのゲームですよ?
難点
修行や探検でモンスターが迷子になってしまう
本作ではありがちなことです。
オール999のモンスターを作るときや金稼ぎの作業をするときは、いつでもリセットできるよう心の準備を忘れずに。
続編の2では迷子そのものにならなくなり、修行では失敗した時に時々ケガをするようになっていたりと色々改善されています。
隠しモンスターの解禁方法が面倒なものばかり
解禁が簡単なドラゴンですら「チャレンジ杯(春)」に優勝→モンスターをAランクにして7月に「協会特別招待試合」の挑戦状を貰いボスに勝利という手順を踏むことで解禁用アイテムを手に入れることができます。…が、問題はこのあとで、ディノパープル(ディノ×ナーガ)とスティンガー(ナーガ×ディノ)に先程のアイテムを使いながら合体というややこしい合体が必要になってきます。
マジン・ヘンガーもドラゴンと同じく、「大会に勝利・アイテム・特定レシピでの合体」が必要になり、非常に面倒です。
一応1度でも合体した後でならCDから再生可能ですが、今作における解禁が必須なモンスターは正規の方法で登場するCDの種類が非常に少ないため、何度も育成するのであればその特定のCDを用意する必要があります。
隠しモンスターのうち、ニャーのみ「ショップで売られるアイテムを合体に使うだけ(特定レシピの必要がない)」と解禁条件自体は簡単ですが、アイテム入手までゲーム内時間で25年間プレイする必要があるため、結局遠いことには変わりないです。
ディスク(モンスター名)は隠しモンスターという扱いではあるものの、解禁条件は無くCDを再生させるだけで大丈夫です。問題はそのCDがPCエンジンの超激レアゲームソフト『テクモワールドカップスーパーサッカー』と、地味にマイナーで流通数が少ないと言われる『レイジレーサー』の2本のみ。『ウイイレ』や『リッジレーサー』で妥協してほしかったです…。
明確な「ラスボス」が存在しない
一応四大大会のみに出場している「四天王」扱いのレアモンスターはいるのですが、全体的に他のSランク敵に毛の生えたような程度の能力でした。
続編以降は「レジェンド杯」という明確なラスボス戦が登場します。
総評
第一作目ゆえの粗さはありますが、『モンスターファームシリーズ』の基盤となった作品だけあり、今なお評価する声のある良作です。
中でもCDからモンスターを再生するという独特で斬新なシステムは好評を博し、大きな話題を生み、後のシリーズにも代々受け継がれていきました。
テクモはそれまでもいろいろな作品を出してきましたが、『モンスターファームシリーズ』はそれらにも負けない新たな看板タイトルになりました。
このゲームはもちろん対人戦も出来るのですが、それの全国大会である「モンスター甲子園」が開催されるほどの人気っぷりでした。
余談
このゲームは1000年4月1週(月に関係無く4週で1月経過)から始まり、やりこんでいる人は2000年を突破しているらしいです。軽く1000年は経過しても姿が全く変わらないホリィさんやその他のキャラの事はいろいろとネタにされまくっています。
しかも、ホリィさんは10年経過時と100年経過時にお祝いメッセージを言ってくれます。100年…。
本作の話題性は実際かなり大きかったようで、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』で本作を題材とした話が作られた程でした。作中では両津勘吉が本作をプレイしている様子も描かれています。その話、「CDモンスター!!の巻」は単行本107巻に収録されているので、興味があればぜひ。
本稿で記載しております情報は、ゲームカタログ@wikiから引用させていただきました。
出典元はコチラです。
モンスターファーム - ゲームカタログ@Wiki ~クソゲーから名作まで~ - アットウィキ