クセが強すぎる!個性的だったプロ野球のバッターの打法

クセが強すぎる!個性的だったプロ野球のバッターの打法

スポーツには理想的な身体の使い方というのがあります。野球にしても同じで、美しい模範的なフォームを習得すれば、速い球が投げられるし、的確な打球を飛ばせるものです。しかし、中には変則的なフォームを独自開発し、プロの世界で一定の成果を挙げる個性派なプレイヤーも。今回はそんな個性的なバッティングスタイルで活躍したプロ野球の選手たちをピックアップし、紹介していきます。


天秤打法(近藤和彦)

大洋ホエールズなどで活躍した近藤和彦は、新人年のキャンプ時に、左肘の痛みのため、速球の対応がうまくできずに悩んでいました。試行錯誤のすえにたどり着いたのが、「剣道の構えを真似てみたらどうか」という着想。

右手でグリップエンドを握り、痛めた肘の負担を減らすべく左手はバットの中ほどに添え、頭上に寝かせて構える…。そんな独自の打法「天秤打法」を編み出した近藤は1年目からレギュラーを獲得し、打率.270、本塁打13本と大活躍。肘の痛みがすっかり治ったあともこの独自の打法を継続し、長らく大洋のクリーンナップとして活躍しました。

木俣達彦(マサカリ打法)

18年の現役生活を中日一筋で貫いた捕手・木俣達彦。若手時代の彼は典型的なパワーヒッター。セ・リーグの捕手では史上初となる30本塁打以上を2年連続でマークするなど実績を残しましたが、打撃にアラが多く、それゆえに打率を残せずにいました。

そこで彼が編み出したのは、グリップを極端に下げてからトップの位置に持ってくる打法。これが「マサカリ打法」と呼ばれるようになり、以後、彼の代名詞になります。課題だった打撃技術も改善し、上からボールをぶつけるスタイルでヒットを量産。打法確立後は現役引退までに4度3割超えをマークしています。

梨田昌孝(こんにゃく打法)

2016年から東北楽天ゴールデンイーグルスの監督をつとめている梨田昌孝。彼はもともと強肩がウリの捕手であり、高校卒業後、1971年にドラフト2位で近鉄バファローズへ入団すると、2年目にしてベテランの辻佳紀からレギュラーを奪取します。しかし、すぐに1年後輩の有田修三に正捕手の座を奪われてしまいました。梨田の課題は打撃。なんとか打撃力を向上させないと、レギュラーには返り咲けない…。

そんな苦難の果てに案出したのが、打席でバットを正面にコンパクトに構えながら、プルプルと身体を小刻みに揺らす「こんにゃく打法」でした。これにより、テイクバックの際に手が下がってしまう癖が解消され、全身が安定。徐々に出場機会を増やし、1979年にはレギュラー奪還に成功したのでした。

市川和正(忍者打法)

東海大学時代、原辰徳らとチームメイトだった市川は、2年生春に首都大学野球リーグで三冠王を達成するなど、順風満帆に正統派スラッガー及び捕手の道を邁進していました。しかし、プロになってからは状況が一変。1980年に横浜大洋ホエールズからドラフト4位で指名されたものの、長らく二軍生活が続きます。この下積み生活が、ルールの抜け穴に目を光らす彼の非凡なる才能を開花させたのか。1988年シーズンからレギュラー捕手の座に就くと、キワドイ内角球をデッドボールとアピールするなど悪賢いプレーを連発。「球界の詐欺師」の異名を取りました。

そんな市川の狡猾さの結晶として知られるのが、「忍者打法」です。完成するまでに3年かかったというこの打法はハーフスイングをごまかすためのものであり、バットをヌンチャクの如く回したり、その場で一回転したり、派手に倒れ込んだりするなど、さまざまなバリエーションがありました。せこいことこの上ありませんが、これはこれで名人芸です。

ウォーレン・クロマティ(クラウチング打法)

通算4256安打のレジェンド、ピート・ローズをはじめ、メジャーリーガーに多いクラウチング打法。日本では巨人伝説の助っ人外国人ウォーレン・クロマティがこの打法を得意とし、打席内で上半身をホームベース寄りに前傾させる構えから勢いよく振り抜くバッティングで、ヒット・ホームランを量産しました。なお、日本でのキャリア後期には通常のバッティングフォームに直しています。

フリオ・フランコ(スコーピオン打法)

グリップを頭上に上げ、バットの先端で相手投手を威嚇するようなその独特過ぎる構えが「スコーピオン打法」と名付けられていたフリオ・フランコ。この打法が生まれたきっかけは「神のお告げ」とのこと。そのお告げ通りに行動したご褒美に「ご加護」があったのか、ロッテ在籍時は安定した成績を残し、メジャーリーグでは首位打者も獲得しています。

種田仁(ガニマタ打法)

素人目に見ても、どう考えても打ちにくそう。しかし、本人曰く「これが一番打ちやすい」というから分からないものです。

そんな「ガニマタ打法」で一世を風靡した種田仁がこの打法にたどり着いたのは、2000年の春季キャンプの時。極度の打撃不振を改善すべく、左肩がベースに入りすぎるクセを直そうと、「初めから身体を開いて左足をつま先立ちすれば左肩は入りようがない」という答えに至り、あの独特のフォームを完成させたのだとか。格好よさよりも、実利を取った典型といえるでしょう。

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