《取材》ラーメン大好き小池さんのモデル・鈴木伸一さんトークショー!おとぎプロ&スタジオゼロの逸話を伺いました!

《取材》ラーメン大好き小池さんのモデル・鈴木伸一さんトークショー!おとぎプロ&スタジオゼロの逸話を伺いました!

2月某日、「杉並アニメーションミュージアム」で館長の鈴木伸一さんとアニメ研究家の津堅信之さんによるトークショーを取材してきました。ラーメン大好き小池さんのモデルでもある鈴木伸一さんを間近で拝見しました!


杉並アニメーションミュージアムに行ってきました!

2月某日、日本のアニメの歴史を楽しく学べる「杉並アニメーションミュージアム」に行ってきました!

館内に入ると休日という事もあってか、小さいお子さんを連れたご家族やアニメ好きの学生らしき方が多く見られました。
さらに所狭しと並ぶドラえもんやガンダム、怪物くん、ドキンちゃんなど懐かしのキャラクター達がディスプレイされており、ワクワクで溢れた館内の雰囲気に自然とテンションが上がります。

東京都杉並区上荻3丁目29-5 杉並会館内にございます!

外観です!

画像中央やや左、ガンダムの立像が!

フロア

今回、同館を訪れたのは、「伸ちゃん&信ちゃんのアニメトーク!」と題されたトークショーを拝見したかったからなんです。
そう、伸ちゃんとはオバケのQ太郎などに登場する”ラーメン大好き小池さん”のモデルである鈴木伸一さんの事です!

イラストは館内の柱に描かれたもの。実際に鈴木さんはラーメンがお好きだそうです。

鈴木伸一さん=ラーメン大好き小池さん!ご存知でしたか?

藤子不二雄Ⓐさんが友人でもあるアニメーターの鈴木さんをモデルにして、キャラクターデザインを行い、その後に藤子・F・不二雄さんも作品中に登場させるなどして、すっかりおなじみのキャラクターとなりました。

ブレイク前のシャ乱Qが、1992年の1stアルバムでも「ラーメン大好き小池さんの唄」として楽曲を制作していたりとミドルエッジ世代にとっては、様々なシーンでお見掛けした名物キャラクターですね!

ちなみにこの小池さん。元々は「小池さん」ではなく、「小池さん家に下宿している鈴木さん」でした。これはかつての鈴木さんの下宿先が「小池」で、その家の表札を漫画オバQの作画の時点で忠実に再現した事から、小池さんと誤解され、今に至っております!

「伸ちゃん&信ちゃんのアニメトーク!」でおとぎプロ&スタジオゼロの歴史を堪能しました!

登壇されたのは、杉並アニメーションミュージアムの館長でもある鈴木伸一さんとアニメ研究家の津堅信之さん。

トークショーでは津堅さんを聞き役に、鈴木さんのこれまでの活動を振り返りました。

トークショーの整理券

1933年12月に長崎県で生まれた鈴木さんは、終戦前にアニメ「桃太郎の海鷲」(1943年制作)という海軍のプロパガンダ映画を見たりしていたそうです。その政治的な内容よりも「アニメとして楽しかった」という感想を持ったといいます。

終戦後、日本のアニメがまだモノクロの時代に、ディズニー初の長編カラーアニメ―ションである「白雪姫」やディズニーの短編アニメを見て影響されたそうです。

それを受け、津堅さんが「(アニメを)それを作りたいとすぐに思われたんですか?」と質問すると、鈴木さんは「いや、作れないと思いました笑 夢の世界だと思ってましたし、技術もどうやって作っているかも知らなかったですから」と当時を回想されました。

笑顔の鈴木伸一さん

1951年に写真印刷の画工として就職された鈴木さん。そこで元々興味があった印刷技術を習得しました。そして、縁があってあのトキワ荘に入居し、翌1956年には漫画家・横山隆一さんが主宰する「おとぎプロ」に入社し、本格的にアニメの世界へと入っていきます。

鈴木さんは当時を振り返り「憧れの人(横山先生)と仕事できて天にも昇る気持ち」だったとおっしゃっています。

また、当時のおとぎプロには今と違って絵コンテもない時代。横山先生の指示を仰ぎながら試行錯誤を重ねての制作だったそうです。その頃の影響から、鈴木さんは今でも”横山流”で絵コンテを描かずに制作してしまうとの事。やはり師匠の影響は大きいですね。

壇上、左から2番目がアニメ研究家の津堅信之さん

1963年におとぎプロを退社し、トキワ荘仲間だった藤子・F・不二雄さんや藤子不二雄Ⓐさん、石ノ森章太郎さん、つのだじろうさん、後に赤塚不二夫さんが在籍したアニメスタジオ「スタジオゼロ」を立ち上げます。

今や伝説的な漫画家ばかりの集団によるアニメスタジオですが、当時は手塚治虫さんによる虫プロが大注目を集めていた時期。虫プロに入社したいという気持ちはなかったか尋ねられた鈴木さんは「ちょっと思いました笑」と即答で会場を笑わせてくれました。
実際には、フリーになった事をトキワ荘の方々に伝えると、「じゃあ自分たちで作ろうじゃないか」と会社設立の流れになったそうです。

また、津堅さんから日本初の30分放送枠用のテレビアニメシリーズとなった「鉄腕アトム」についての印象を聞かれると「僕は仰天した。こんな凄いものが出来る、面白いものが出来るんだって」「こういうものをやりたい」と強く思ったと当時を振り返りました。

在籍時のおとぎプロはその名の通り、おとぎ話しか作らない事もあり、SFものなどへの憧れを感じたそうです。

※ピンボケですいませんっ

来場の方々に向けてお話する鈴木さん

トークショーは和やかな雰囲気で進み、鈴木さんが関わった芳香剤「ピコレット」TVCMのアニメ上映などが行われました。この貴重な映像体験に、会場に集まった皆さんもかなり満足されたご様子でした。

そして、話は日本で初めてアニメーションが公開されてから昨年で100周年を迎えた事もあり、アニメの100年について鈴木さんの感想を伺う展開に。すると「意外に浅いなと思います。」とこちらにとっても意外な答えが。日本のアニメ黎明期から60年以上のキャリアを誇る鈴木さんにとっては、それ以前が40年しかない事から短く感じられるようです。

さらにこれからの日本のアニメに対しては「日本のアニメはストーリー中心が多いからこれからも(おもしろい作品が)出てくる」とコメント。長らくアニメ業界を支えてきた方の意見だと、なるほどそういうものかとすんなり思えますね。

アニメ百年!

そして、最後にパソコン一つでアニメが作れる現在を踏まえた上で、これからアニメを作りたいと思う若い方へ向けて「私は何もない時代からやっているから、昔が懐かしいんですよ。だから本当は若い人にも(かつての作業工程を)体験して欲しいと思っています。」と日本におけるアニメの基礎を固めた方らしい一言でトークショーを締められました。

トークショー終盤、鈴木さんが手掛ける新作アニメの可能性を問われた際に「もう年寄りですから」と謙遜した鈴木さん。世の中にはその新作を待っているファンが多くいる事を本稿にてお伝えしたいと思います。

鈴木伸一さん 経歴

1933年長崎生まれ。アニメーション作家・監督、漫画家。

本稿の取材先である杉並アニメーションミュージアムで館長を務められています。
また、日本アニメーション協会会員。アニメ創作グループ「G9+1」のメンバーでもあります。

【おとぎプロ時代に関わった作品】
・「ふくすけ」('57)
・「インスタント・ヒストリー」('61)
・「おとぎの世界旅行」('62)
etc.

【スタジオゼロ時代】
・「おそ松くん[旧]」('66)
・「パーマン[旧]」('67)
・「怪物くん[旧]」('68)
・「ひょうたん」('76)
・「The Bubble」('80)
etc.

杉並アニメーションミュージアム イベント告知

2月24日(土)15時半から「テレビ まんが レコードの時代」と題されたトークショーが同館で開催されます。
登壇者はコラムニストの泉麻人さん、アーカイヴァーの鈴木啓之さん。

当日直接会場へ。※開演20分前に会場

杉並アニメーションミュージアム アクセス

住所は東京都杉並区上荻3丁目29-5 杉並会館内。

【アクセス】
・JR中央線・東京メトロ丸の内線「荻窪駅」から関東バスを利用、「荻窪警察署前」下車、そこから徒歩2分。
・JR中央線「西荻窪駅」から関東バスを利用、「荻窪警察署前」下車、そこから徒歩2分。
・西武新宿線「上井草駅」から西武バスを利用、「荻窪警察前」下車、そこから徒歩5分。
・西武池袋線「石神井公園駅」から西武バスを利用、「荻窪警察前」下車、そこから徒歩5分。

杉並アニメーションミュージアム ウェブサイト

杉並アニメーションミュージアム

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