前回「ミュージシャンになるにはどうすればいいの?」的な記事はこちら。
【3人目のB'z】明石昌夫さんが音楽業界のことを教えてくれたよ!! - Middle Edge(ミドルエッジ)
明石昌夫さんのプロフィールもこちらの記事に入っています。よろしかったらぜひどうぞ。
今回もこちらの書籍を参考にさせていただきました。
明石昌夫さん(洗足学園音楽大学ホームページより)
明石 昌夫| 指導陣紹介 | 大学案内 | 洗足学園音楽大学
いきなりですが、「タイアップ」って何?
テレビでCDのCMを流したりすると、ご存知の通り多額のお金が必要ですね。
そこで、目をつけたのが、他のCMで曲流してもらえばいいんじゃない?ということです。
タイアップとは、「利害が一致する2つのことが、競合・協力する」というのが本来の意味だそうです。
タイアップではアーティストにお金は入ってこない。
明石さんが手掛けたB'zやZARDなどの超一級アーティストなら、もしかしたらタイアップによってタイアップ元から依頼が来るかも知れませんが、実はほとんどは1円ももらえないどころか、レコード会社や事務所がお金を払うケースも多いそうです。
つまりアーティストとCMスポンサーは対等な関係にあり、CMスポンサーがお金を出してCM中に曲を流す=宣伝している=わけですから、その恩恵はアーティストが受けるわけなので、その分のお金は出してください、ということですね。
タイアップは、「売れる曲づくり」には有効な手段。
CMスポンサーは、曲を売りたいのではなく、商品を売りたいので、商品のイメージに合うように、曲に対して事細かな注文をつけることがあるそうです。
アーティストにとっては、場合によっては自分の音楽性を否定されるようなことにも感じるので、嫌になる人もいそうですが、意外と、「アート性抜きにして売れる音楽」を作るためには、このスポンサーの注文は有効のようです。
スポンサー(広告代理店)は、アーティストよりはCDを買ってくれる大衆に近い立場にいるので、アーティストが気づかないところを指摘してくれて、その結果タイアップがうまくいくことが多いようです。
しかし、自分の音楽性にこだわるアーティストには、厳しいところでしょうね。
バンド(イメージ)
バンドミュージシャンのイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや
100万枚売っても、収入1000万円に届かない。
売れたCDの内訳を、明石さんが教えてくれました。
CDが売れた、その内訳は・・・?
CD・DVDのイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや
CDでは、定価の6%が印税として支払われるそうです。そのうち、作詞作曲した人におおよそ3%が支払われます。1000円のシングルとすると、30円。シングルはリード曲とカップリング曲がありますので、1曲あたり15円。これを作詞作曲とで按分して7.5円。なので1万枚売れて1曲あたり7万5000円になります。
今の時代は1万枚CDを売るのは大変なことです。CDが売れない時代と言われてしばらくたちますが、100万枚のミリオンヒットを出して、ようやく750万円入ってくる、というイメージですね。
編曲(アレンジ)に至っては印税さえない。
明石さんはベーシストなどでB'zのサポートメンバーに入っていますが、主な仕事は編曲です。前にも書きました通り、編曲は今のヒット曲では重要な要素を占めています。
昔は演歌が中心でしたから、「歌手」がメインになることが多かったですが、今は壮大なバックグラウンドミュージックにのせてボーカルが歌うというイメージが大きいですね。
しかし、編曲には印税はないそうです。
明石さんも憤慨していますが、そういう決まりになっているそうです。