消費税の前に議論された「売上税」って覚えてますか?
「売上税」って覚えてますか?消費税の前に議論されていた間接税のひとつです。1987年に、当時の中曽根内閣が「売上税法案」を国会に提出しました。

税率はなんと5%だった!!
1988年に当時の竹下内閣によって成立し、1989年に導入された消費税の税率は当初3%でした。一方「売上税」の税率は5%!最初から結構強気な設定だったんです。

仮に3%だったとしても反発はあったでしょう。
DAIGO曰く、祖父が「3%」の消費税を導入したときには学校などで相当責められたそうです。これがもし5%だったとしたら、彼はどんな扱いを受けてしまっていたのだろうか??

「売上税」もちろん猛反対に遭います!!
売上税については小売業界から強い反発があった上、自民党内でも異論がくすぶっていました。そして世論も大反発!下の写真は当時の売上税反対のデモの模様です。そりゃ新しい税金が重くのしかかるわけですから、反対する人が多いのは当然だと思います。

そして選挙で敗北!!
1987年は統一地方選があった年なのですが、自民党は軒並み議席を減らし敗北。その結果、売上税は廃案とすることで与野党が合意に至りました。

売上税と消費税の違いとは?
売上税も消費税も間接税ではあるのですが、その中身は結構な違いがあります。中曽根内閣の提出した売上税法案においては、現在の消費税のような「取引の各段階に課税」ではなく「小売り段階にのみ課税」となっていました。その結果起こったのが・・・

「うちは小売りじゃねえ!」という企業が続出!!
売上税は小売店に負担を強いる内容であったため、「うちは小売りでなくて卸売りです」などと言って逃げようとした企業もあったそうです。その結果、「取引の各段階に課税」する消費税が出現してしまいました!

結局廃案にはなりましたが・・・
売上税廃案から2年後の1989年に、結局売上税に代わる間接税である消費税が施行されました。現在では、10%にするのを実際にいつにするのか議論になっていますが、一国民としては無駄遣いだけはしないで欲しいものです。

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