「しば漬け食べたい」山口美江がブレイクしたフジッコ『つけもの百選』のCM

「しば漬け食べたい」山口美江がブレイクしたフジッコ『つけもの百選』のCM

仕事に疲れたOLが「ああ、しば漬け食べたい」とつぶやく。 知的なキャリアーウーマンっぽい容姿とセリフとのギャップが話題になり、OL役の山口美江は一気にブレイク。 “バイリンギャル”タレントの先駆けとなった山口美江の出世作フジッコ「つけもの百選」CMをご紹介。


1987年、フジッコ「つけもの百選」のCM

バリバリと仕事をこなし、男性部下にもビシッと指示する。
当時のキャリアウーマン像を具現化したような女性を山口美江が演じた。

エネルギッシュに働きつつも、エレベーターで一人になると疲れた表情で「ああ、しば漬け食べたい」とつぶやき、自宅でくつろいだ姿をさらす。

ギャップをうまく用いた演出で男性からは好感を、女性からは共感を獲得。
「しば漬け食べたい」は流行語となり、しば漬けもブームを呼ぶなど社会現象になった。

山口美江は雑誌の対談で、「シバ漬けのCMは大変なものだったんですよ。とにかく御飯を五合も食べた。」と撮影時の苦労を明かしている。

このCMが生まれた時代背景

このCMが放送される前年の1986年に「男女雇用機会均等法」が施行された。
それにより、一般職の腰掛け→寿退社→主婦といったお決まりのコース以外にも総合職に就くキャリアウーマンの選択肢が現れ、女性の社会的地位が向上。
「男性に負けず、バリバリ働いてやる」という女性が増加し、注目を浴びていた。

フジッコ「つけもの百選」CMで一気にブレイクした山口美江

山口美江は1960年生まれ、横浜市出身。
祖父はドイツ人。小学校から高校まで横浜市内のインターナショナルスクールに通い、上智大学外国語学部卒業後、外資系化粧品メーカーのエスティローダーでマーケティングを担当したり、映画会社のワーナー・ブラザースで社長秘書を務めた。

英語とフランス語に堪能で通訳を経て、1987年にテレビ朝日の「CNNヘッドライン」のニュースキャスターとしてタレントデビュー。
理想のキャリアウーマン像そのままの経歴が目に留まり、「しば漬け食べたい」に出演が決定したという。

フジッコ「つけもの百選」以外にも多くのテレビCMに出演した山口美江

フジッコのCMで見せたキャリアウーマンっぷりと、そのイメージと違わない経歴が話題となり、他社のCMにおいてもキャリアウーマン役を多く演じている。

美人キャリアウーマンが持つ近寄りがたさと、ふと見せる柔らかい笑顔とお茶目さ。
この両面を持つ山口美江だからこそ、ここまで多くの企業に起用されたのではないだろうか。

時代を象徴した「キャリアウーマン」山口美江

その後、バラエティー番組の司会、テレビドラマにも出演するなど八面六臂の大活躍をみせ、山口美江は “バイリンギャル”タレントの先駆けとなった。

お笑いタレントの渡辺正行や歌手の布施明との熱愛が伝えられ“恋多き女”と言われたこともあったが、ファザコンを自認し、結婚に至ることはなかった。

1996年、父親の介護のため芸能界を一時引退。
翌年7月、横浜中華街に輸入雑貨店をオープンし、実業家へと転身した。
2008年には認知症だった父親の介護生活を綴った本を刊行。

以降、講演会やトークショーなどを行っていたが2012年3月8日、連絡が取れなくなったことを不審に思った親族が、自宅にて息を引き取っているのを見つけた。
死因は心不全、最後を看取ったのは2匹の愛犬だったと報道された。
51歳の若さであった。

マスコミ各社は“孤独死”と大きく報道し、山口美江の亡くなり方は多くの人にショックを与えた。

80年代のキャリアウーマンブームの象徴であった山口美江は、親の介護・生涯独身・孤独死と現代を象徴した人生を送り、去って行った。

ご冥福をお祈りいたします。

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