『ガンプラり歩き旅』その006 ~他人の空似にゃ無理がある!~

『ガンプラり歩き旅』その006 ~他人の空似にゃ無理がある!~

ガンプラ!あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする新企画連載の第6回は、いきなり「メカじゃねぇだろ!」1stガンダム公式ガンプラ唯一のキャラクターフィギュアプラモデルコレクション「キャラコレ」を扱います!


私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、 『機動戦士ガンダムを読む!』での、 再現画像で使用しているガンプラを、 古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。

今回はなんと「お人形さん(まだフィギュアなんて単語は浸透してなかった)」です!

フラウ
「ブライトさん! ア、アムロがあんな斗い方をしている!」

ブライト
「ああ。あいつのいい処だ。ふさぎこんでいても戦いの事を忘れちゃいなかったんだよ」

『機動戦士ガンダム』キャラクターコレクション

アムロのポーズは、当時キングレコードから発売されたアルバム『戦場で…』での、安彦良和氏のイラストの模写が箱絵

バンダイ1/20 ガンダムキャラクターコレクション

最初に書いておく!
今回の、大河さんの作例はUPで撮った写真は一枚もない!
例え撮っても載せない! っていうか、UPで載せたらあかん出来のレベルやさかい!(なんで関西弁?)
というわけで、とにかくとっとと解説を始めよう。
今回のガンプラは、メカ系ではなく、登場人物の固定ポーズ、今でいう「組み立て式フィギュア」の、キャラクターコレクションシリーズの紹介です!

アムロ・レイ 1/20 1981年6月 100円
セイラ・マス 1/20 1981年6月 100円
カイ・シデン 1/20 1981年8月 100円
フラウ・ボウ 1/20 1981年8月 100円
イセリナ・エッシェンバッハ 1/20 1981年10月 100円
ブライト・ノア 1/20 1981年10月 100円

時は1981年6月。
もう既にガンプラは「『ガンダム』シリーズの冠があるプラモデルであれば、ロボットだろうと戦艦だろうと武器セットだろうと、なんでも売れんじゃねぇの?」状態に突入していてて、なんていうかランナーズハイみたいな状況に、バンダイ全体が包まれてたんじゃないかって気がしないでもない。それはまぁ、あの当時をユーザーど真ん中で体感していた大河さんの主観でしかないんですけどね。

というか、大河さんが知る限り、70年代のアオシマだかイマイだかの、マスコット系のオマケプラモデルや、4個パック300円系の商品を黎明期以前と捉えると「アニメ登場の、非人間系キャラじゃない、リアル人間キャラの、固定ポーズプラモデル」というカテゴリって、この『ガンダム』のキャラクターコレクション、通称キャラコレがパイオニアなんじゃなかろうか?

1999年のセット再販の時は、なぜかクリアパーツ成型でした。基本的に1ランナーにパーツを全部納めるフォーマット

時代はまだ、ガレージキットもレジン製品が主流になる前で、僅かにバキュームフォーム製のガレキが手販売されていたレベルの時期。
むしろこの『ガンダム』ブームが終わった辺りから、今の時代にも通ずる「アニメ美少女フィギュア」なんて商品カテゴリも生まれてきたわけで。
1983年ごろになると、『ガンダム』から続いた富野サンライズアニメのスポンサーのクローバーが、『聖戦士ダンバイン』(1983年)に登場した妖精のチャム・ファウのドールだか人形だかフィギュアだか玩具だかを発売しちゃって、挙句にゃ倒産しちゃうし(笑)、翌1984年にはツクダが、今じゃ模型界の黒歴史扱いされている、ジャンボフィギュアシリーズっていう、スケールも1/6だったり1/4だったり半端だわ、チョイス作品やチョイスキャラも、『うる星やつら』(1981年)『魔法のプリンセス ミンキーモモ』(1982年)とかから始まっておきながら、いきなり180度回頭で『大アマゾンの半魚人』(1954年)の半魚人とか『宇宙水爆戦』(1955年)のメタルナ・ミュータントとか、え?「そっち」へ行くの?と思わせておいて、『メガゾーン23』(1985年)とか『幻夢戦記レダ』(1985年)とか、OVAの美少女キャラへシフトするとか、わけわかんないシリーズもあったわけで(この商品カテゴリに関しては、黒い話とか都市伝説とかを、コラム一回書ける分のネタはてんこ盛りなんだけど、この連載自体がガンプラネタなんで、これ以上知りたい人は、ぜひミドルエッジ担当へリクエストを(笑))、そういう意味でもあらゆる意味でも「一足早すぎた」商品といえなくもないのが、この『ガンダム』のキャラコレシリーズなのである。

さて、この1/20キャラコレシリーズ。
まずはガンプラが1/144でガンタンクやリック・ドムを発売し続けて、ノリに乗ってる1981年の6月に「お試し販売」みたいな枠で、アムロ、シャア、マチルダ、セイラの4人が発売。
一応共通フォーマットとしては、「造形ポーズは、設定書でのメインの立ち姿そのまま」であることと、「メーカーサイドのプロが作って塗ってみせたお手本の見本を見ても、仮面で目が隠れてるシャア以外は他人の空似にしか見えない」ところ(笑)

プロが作っても、アムロには到底見えない。素人モデラーがどうこうできる代物じゃない……

箱裏の完成見本

まぁアニメ系フィギュアなんてものは、その後90年代になって『美少女戦士セーラームーン』(1992年)のガレージキット系フィギュアが一気にクオリティを増すまでは、「アニメは二次元なんだから、三次元でフィギュア化しても限界がある」と洗脳されていたわけで、あまつさえ前例がない黎明期のキャラコレ時代であれば致し方なし、というのがまぁまっとうな反応であった。

だから、なのか。これもいける、と謎の判断をしたからなのか、キャラコレは2か月後のカイとフラウの発売を経て、さらに2か月後の10月には、ガルマ、イセリナ、ブライト、ララァとラインナップを一気に倍増させて、そして、発売されたときのように、また突然、ガンプラの歴史から消え去ったカテゴリなのである。

それでも、シミルボンの再現では、『機動戦士ガンダム』オープニングのアムロの、この青いノーマルスーツの画像を

こう再現してみたり(ポーズが固いねぇ)

同じくオープニングから、コア・ファイターのコックピットから、決めポーズでサムズアップ!

でもまぁ、このキャラコレだと、こんな感じになります。あ、頭部はPEPSIペットボトル版の物と挿げ替え合成してあります。

結局、なんだかんだと僅か10人の商品化で終了。当時のアニメフィギュアの技術的限界と、およそ1/20ってスケールでアニメフィギュアの瞳まで塗装しろとか、ガンプラユーザーを買いかぶり過ぎた仕様のためか、そりゃもう、田宮人形改造コンテスト入賞レベルのユーザーが数万単位でいるわけもなく、つつがなく「売れなくて」シリーズも10点で終止符を打つのだが(というか、それでも10個商品が市場に送り出された事実の方が驚きだが)、そこでの10人のラインナップの選び方が、あからさまにおかしい。

今の目で見てもおかしいし、当時現役のガンダムオタク、ガンプラヘビーユーザーだった大河さんの記憶で考えてもおかしい。
第一弾の、アムロ、シャア、マチルダ、セイラは、まぁ鉄板というか、定石だろう。
第二弾の、カイとフラウ・ボゥも、そりゃレギュラークルーだから納得もいく。
問題は10月の第三弾だ。
ガルマは、まぁ妥当だろう。ブライトとララァも、シリーズのウェイトとしてはアリだろう。

しかし、残る一人。残った一枠が、なにゆえ、イセリナ・エッシェンバッハ!?
イセリナって、当時そんなにアニメファンとかガンダムファンに人気あったっけ!?
確かに「せっかくガルマが出たんだから、その脇に並べたくなる女性キャラを」っていうプレゼンコンセプトは分からないでもない。
でも、イセリナの前に、出すべきキャラはもっといるでしょう! 優先順位的に!
仮に「キャラクターのフィギュアなんだから、“お人形さん”ってぇことで、女性ユーザー獲得を狙ってみよう」だとしても、確かにガンダム人気を初期に広げたのは、シャア×ガルマとかが好きな、女性アニメファンだったかもしれないが、あのお嬢さん達はむしろ、美青年同士のカップリングにしか興味はねぇ生き物だぞ!?
っていうかそもそもイセリナって、贔屓目にみても、決して女性受けがいい女性キャラじゃねぇだろう!

“そういう意味”でも、“発売された男性キャラとのカップリング”って意味でも、“ホワイトベースのレギュラークルー”って意味でも、そこはまずは先にミライさんなんじゃないんすか?
バンダイが、フィギュア展開でのお得意の「シリーズ初動でマイナーキャラを出す商法」を覚えたのは、90年代後半のフィギュアバブル期以降でしょう?

イセリナが悪いって言ってるんじゃない! そりゃ「そんなキャラ出しても売れないよ」っていうんだったら、レギュラークルーのリュウやハヤトだって売れなかっただろうよ!(暴言)
けどさぁ! なんていうか、イセリナを出す前に、ランバ・ラルを出すとかすれば、カップリングでハモンさんも出せたかもしれないし、ギレン・ザビだって、キシリアとセットで出せたでしょう? っていうか、ザビ家からガルマしか出ないって、この後シリーズ続ける気があったのか!?

でもまぁ、ブームってすごいもんで、こんなキャラコレでも、メカには疎い女子系に、組むだけで持てはやされたのか、アムロとシャアは一応、44万個の出荷数を記録している! 続いてセイラとマチルダのヒロインコンビが28万個で、カイとフラウのレギュラーコンビが21万個で、ララァとイセリナの単発敵側女子キャラが12万個で、結果、ガルマとブライトさんが11万個でビリを分け合った結果となった(笑)

当時のガンプラで44万個の出荷数ってどの程度の成績なのかというと、1/144では、量産型ゲルググと同数。ちなみにその下には、ゾゴックなる「アニメには出てねぇよ、お前!」しかおらず、栄えあるトップの1/144 ガンダムの585万個の1割にも満たない。
1/100で見てみると、アッガイの50万個と旧型ザクの43万個に挟まれる位置。
アムロとシャアでさえ、1/100アッガイに負ける数字というのが現実だった。

というわけで、今回作ってみた6人。これ以上のUPには耐えられない……

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