ローランドの創業者・梯郁太郎さんが死去。87歳
世界的な電子楽器メーカー「ローランド」（静岡県浜松市）の創業者である梯郁太郎（かけはし・いくたろう）さんが亡くなっていたことが分かった。87歳だった。
梯郁太郎（かけはし・いくたろう）さん
梯さんは自らが創業したエース電子工業を退社後の1972年にローランドを設立。73年から静岡県・浜松市に工場を進出させ、「TR-808」「TR-909」「TB-303」「SH-101」「Juno-106」などの革新的な電子楽器の開発に貢献した。社長職を95年まで、会長職を2001年まで務めた。
梯さんは異なるメーカー同士でも電子楽器を使用可能とする世界共通規格「MIDI（ミディ）」の制定に尽力し、2013年に米国音楽界最高の栄誉であるグラミー賞の技術賞を受賞した。
日本ではソニー、ヤマハに続き3番目、個人としては初の受賞だった。
ROLAND TR-808 リズムマシン (premium vintage)
梯さんによって生み出された電子楽器は、現在のクラブシーンで全盛を極めているEDMやヒップホップなどの発展にも貢献しており、2015年には「TR-808」が音楽界にとっていかに重要なアイテムであるかを追ったドキュメンタリー映画「808: The Movie」が公開されている。
梯郁太郎
1930年2月7日 - 2017年4月1日。大阪府生まれ。
エース電子工業、ローランド、ATVの創業者。
独学で腕時計の構造を学び、1947年、16歳で「かけはし時計店」を開業。ラジオに興味を持ち、ラジオの修理も手がけた。
その後、大阪市阿倍野区で「カケハシ無線」を開業。
1960年に「エース電子工業株式会社」を設立し、製造業に専念し始める。
1972年3月、梯は自ら設立したエース電子工業を退社し、同年4月にローランドを設立して取締役社長に就任した。その後、会社規模の拡大に伴い、経営に専念していく。
2013年5月、元ローランド社の社員らと楽器・映像機器メーカー「ATV株式会社」を設立し代表取締役会長に就任した。
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