1980~1990年代にやたらと流れたダイア建設のテレビCM
バブル期を中心に1980年代後半から90年代前半にかけて、やたらと流れていたダイア建設のテレビCM。
「ダイヤ建設」で覚えている人も多いが、「ダイア建設」である。
「あなたの傍で、ああ暮らせるならば つらくはないわ、この東京砂漠~」のフレーズを聴けば、誰もが「ああ!あのCMか」と思い出すはず。
なぜか真夜中の屋上でバスケをする男性たちの映像と共に記憶に残ったダイア建設『ダイアパレス』の懐かしいCMについて紹介。

テレビ朝日「土曜ワイド劇場」などでCM放映
CMソングは、粘っこい前川清のボーカルが効いている内山田洋とクール・ファイブの『東京砂漠』
低音で独特の粘り気をもつ前川清のボーカルが印象深い『東京砂漠』。
内山田洋とクール・ファイブが1976年5月10日にリリースした28枚目のシングルである。
作詞:吉田旺、作曲:内山田洋、編曲:森岡賢一郎

内山田洋とクール・ファイブ
ところで『東京砂漠』って何?
この曲が発表された1976年以前に『東京砂漠』という言葉は既に存在している。
1964年(昭和39年)に人口急増と記録的な少雨から東京は空前の渇水状況に陥り『東京砂漠』と表現された。
東京オリンピック開催の直前まで渇水状況が続き開催も危ぶまれたことから『東京オリンピック渇水』とも言われている。

『東京砂漠』時の応急給水の様子
経済成長とインフラ整備の歴史(国土交通省)
もちろん、内山田洋とクール・ファイブの『東京砂漠』は1964年の渇水状況を歌にしたのではなく、都会における人間関係の希薄さと乾いた心を『東京砂漠』と表現している。
たった一言でイメージが伝わる秀逸なチョイスであった。
他にもあったダイア建設のテレビCM
真夜中に都会の屋上でバスケ、CMソングは『東京砂漠』。
ダイア建設のテレビCMといったらこのバージョンしか記憶にない。
しかし、調べてみたところ他のCMも存在していた。
見かけなくなったダイア建設のテレビCM。
ダイア建設株式会社は「ダイアパレス」ブランドのマンションを全国展開して事業を拡大。
バブル期はゴルフ場やリゾート開発に手を広げ、1989年には東証二部への上場を果たした。
テレビCMが最も放送されていたのはこの前後である。
しかし、バブル崩壊後は多額の不良資産を抱え、業績低迷が続いてしまう。
2000年以降はテレビCMをほとんど見かけなくなり、2003年には産業再生機構の支援第一号として、金融機関から1300億円を超える金融支援を受け、レオパレス21の傘下となった。
2005年に俳優の藤原竜也を起用し、久々にテレビCMが製作されたが業績が回復することはなく2008年12月に民事再生法を申請。
それに伴う再生計画の認可を受け、大和地所の完全子会社となった。
2014年10月、大和地所グループ内の事業再編により、名古屋・新潟地区の事業をダイア建設新潟株式会社及びダイア建設名古屋株式会社として分割の上で、ダイア建設は大和地所と合併し解散した。
ダイアパレス公式サイト
今も愛され続けるCMソングの『東京砂漠』
残念ながら、ダイア建設のテレビCMを目にすることは無くなってしまったが、CMソングに起用されていた内山田洋とクール・ファイブの『東京砂漠』は今も色褪せていない。
近年も中森明菜や桑田佳祐にカバーされるなど多くのアーティストやファンに愛され続けている。