心温まるユーモアが詰まった映画『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』
笑顔を絶やさず、常にふざけていて、周りに笑いを提供するある医学生の物語。
監督は「ライアーライアー」のトム・シャドウイック。脚本は「ナッシング・トゥ・ルーズ」の監督・脚本を務めたスティーヴ・オーデカーク。
出演は「グット・ウィル・ハンティング 旅立ち」のロビン・ウィリアムス、「コン・エアー」のモニカ・ポッターほか。
映画『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』
≪あらすじ≫病気で苦しむ患者を”笑顔”で救っていく物語
1969年。自殺未遂を繰り返し、精神病院に自ら入院することになったハンター・アダムス(ロビン・ウィリアムス)。
入院当初、患者たちの奇声や突飛な行動に驚くが、徐々に心を開き、得意のジョークで笑いをとっていく。
有名な大富豪で天才病の患者アーサー(ハロルド・グールド)は、アダムスがアーサーの紙コップの水漏れをシールで直したことから「パッチ(傷をなおす)」というニックネームをつける(以下、パッチ)。
そして、ベッドから降りることを怖がる同部屋のルディに対して、ユーモアを織り交ぜながら勇気を持たせ、ベッドから降ろすことに成功する。そして、心を病む人を助ける素晴らしさに目覚め、それまで自らがやりたいことが見つからないと嘆いていたパッチは、目を輝かせ、退院していく。
パッチ(ロビン・ウィリアムス、左)とアーサー(ハロルド・グールド、右)
真っ赤な浣腸を鼻に付け、ユーモアたっぷりに難病の子供を笑わせようとするパッチ
途端に笑顔になる子供
ゴム手袋もパッチに掛かれば楽しい小道具に!
なんとか放校を免れたパッチだが、懲りずに医学生の立場ながら、病院内で多くの患者に感動を与えていく。もちろんユニークな方法で。
一方で、テストで良い成績を取ることを目的とすることに疑問を持ち、本当の医療とは何かを考えていく。
また、パッチは入学当初から惹かれていた同級生のカリン・フィッシャー(モニカ・ポッター)にアタックを続けていた。ストレートに気持ちを伝えていくが、最初は全く相手にされない。
しかし、いつも純粋に”誰かのために”行動し、実現させていくパッチへカリンも徐々に惹かれていく。
患者を病人とだけ認識する大学病院の体質に疑問を持つパッチ。
フランクに話しかけてきたパッチを軽い男だと思い、あしらうカリン・フィッシャー(モニカ・ポッター)
ある日、パッチはカリンの誕生日を温かく祝い、心を通わせ、後に愛のこもったキスをするまでになる。
そして、パッチは病院や医療制度の理不尽さから無料の病院を作りたいと考え始める。精神病院で患者同士として出会った富豪のアーサーの出資により、夢が現実となる。
トルーマン、カリンと共にさまざまな患者を無料で受け入れ、順調に思えた頃。非常に悲しい事件が起きてしまう。ある患者がカリンを自宅に招き入れ、その後カリンを殺し、自殺したのだ。
パッチは全てを失った気になり、診療所に誘った自分に責任を感じ、ショックから自暴自棄になっていく。そして、診療所を閉め病院もやめると言い始める。しかし、ひょんなことから患者の望みを叶え、患者に元気を取り戻したことをきっかけに再度自らの信じる医療を目指していく。
部屋一杯に風船を敷き詰め、カリンの誕生日を祝った!
映画のラスト、卒業式のシーン。
道化師姿で”笑い”を病院に届ける活動 = ホスピタルクラウン
ホスピタルクラウン。病院などで心のケアをする道化師のこと。
”笑い”は身体の免疫力を上げ、健康維持や病気の身体にも良いと言われている。そこで笑いを病院にも届けようとする活動が、ホスピタルクラウンである。
病院内で患者は、医師や看護士の指示のもと生活することが前提で、時として立場的に弱く感じることもある。一方、クラウンでは患者と同じ目線に立ったり、さらには彼らに主導権を持たせることが可能とされている。
ホスピタルクラウンは、医師をはじめ関係者に『クラウン』という存在をよく理解してもらい、相互の協力があって成り立つものだ。
そうした活動に尽力した実在の精神科医パッチ・アダムスの若き日を描いた映画が、本作『パッチアダムス』である。
医師であるパッチ・アダムス